小嶋つうしん(号外)

(元)大分県議会議員 小嶋秀行の徒然ブログ

以前の自民党じゃないな

2009年07月27日 | 民主党・選挙
 いよいよ総選挙が本番を迎えました。民主党は、今日7月27日に、①ムダづかい、②子育て・教育、③年金・医療、④地域主権、⑤雇用・経済の各分野に及ぶ「マニフェスト」を発表しました。

 これに、「マニフェスト政策各論」55を数える政策を加え、第45回衆議院議員選挙で有権者に訴えることとしました。詳細は、WEBで取り出すことができますことから、一つひとつを記述しませんが、「国民の生活が第一」の基本的考え方のもとで、マニフェストの発表となり、各立候補予定者の活動も一段と勢いづく事が期待されます。

 民主党のマニフェストの発表と機を一にして、自民党政務調査会が7月23日に発した内部資料(関係者手持ち資料)なるものも入手できました。相手方の資料とあって、「これはシメシメ」と思いきや、これがなんと、表紙に『今回の選挙は、「保守主義」の自民党か、「社会主義」の民主党か、の選択である!と書かれてあります。

 自民党もずいぶん書くもんだなぁと思いつつ、それはそれとして、一ページ目から順に捲っていきましたが、捲れど捲れど自民党独自の政策はいっこうに出てこないばかりか、そのほとんどが、これまでに民主党が「内部資料」として関係者に配布した「12の政策」について、「民主党主要政策の問題点」として、全ページにわたり問題点と批判・反論文として掲載しているではありませんか。

 以前の自民党がここまで、野党が公表しようとした政策に対し、一大キャンペーンを張ることはなかったと思いますが、これはとにかくひどい内容で、全体として自分勝手な批判を並べられるだけ並べています。「野党代表格の政党でもここまではやってないよな」と言えるほどに、ある意味で危機感を滲ませて綴っている事に、唖然としましたし、既に「野党化」しているのではないかとさえ思う程でした。

 これを見たら、おそらく誰もが「以前の自民党じゃないな」と思うことでしょう。とにかくひどい内容に、私には「人のふり見て我がふり直せ」が母からの教訓ですから、民主党は、こんな無様な事をしてはいけない、本日発表のマニフェストに基づいて、淡々と、そして正々堂々と「政策論議」でこの選挙を全力挙げて戦わねばと、改めて思いなおした、今日一日でした。



財源は与党にならなければわからないでしょう

2009年07月10日 | 政治・経済

 政権が今度の選挙で交代するかもしれないという推測から、様々な論議が起きていて、中でも、野党が政権を執れば、国の予算がどのように組まれるのか、その財源はどうやって調達するのか、与野党で熾烈とも言える駆け引きが展開されています。

 自治体も、国の来年度予算がこの時期に「概算要求」ということになるので、これを意識して予算を組む準備に入る時期です。もし、この時期に解散総選挙ということになれば、まして、政権が変わるということになれば、これまでの通りのスケジュールではいかなくなることから、作業の進め方に相当の検討が必要となるでありましょう。

 それはともかくとして、財源の問題では、いろいろと駆け引きがあります。与党(自民党・公明党)には、手中にある予算全てにおいて詳細の説明があるでありましょうが、野党には、与党と同規模の予算説明は、おそらく行われていないと推察できます。

 ただ、参議院では、約三年前、民主党が第一党となり、いわゆる「国政調査権」というものを事実上手中にしましたから、多くの予算関連の調査が進んでいると思われますが、衆議院では、まだまでありましょう。

 つまり、与党と野党とでは、官僚機構による予算関連の説明に大きな格差があるなかで、与党が野党のマニフェストに対し、「財源はどうする」という言い方は、何か「弱い者いじめ」をしている典型的な場面にしか見えません。

 それでも、民主党は国の事業の内、約3000に及ぶ事業の「事業仕分け」を行い、無駄な事業の廃止や、地方への移管などを含め、行財政改革を行うことで相当数の無駄が省けると見込んだ数字を発表しています。

 これに対し、与謝野財務・金融相が「空想と幻想の世界で遊ぶのは楽しいが、国民生活がそれによって保障されるという錯覚を与えることはほとんど犯罪に近い」と、民主党のマニフェスト主要政策について辛辣に批判しました。

 この発言はどうでしょう。自ら(財務・金融相)のもとには全ての情報があるから、そういうことが言えるわけで、では、同じものをそっくり野党にも見せなさい、説明しなさい。その上で前述のようなことを言うのならば、解らなくもないが、これが事もあろうか、あの与謝野大臣のコメントとしては、極めてレベルの低い批判と言わなければなりません。

 ですから、財源は、本来その全てが「与党」にならなければわからないのであって、優位にある財源問題で同じ土俵に引きづり込むことを目的に、与党側が、敢えて「ためにする批判」の材料として「財源」を持ち出しているとしか言いようがなく、同じ土俵にのることは避けるべきであるとも思います。

 とはいうものの、これまでの与野党の攻防・駆け引きで、財源問題がここまでクローズアップされたことはなかったと思います。こういう傾向が強まったのは、やはり、政権交代が現実のものとして、与党内で受け止められるようになった結果と言えるでしょう。

 一方、野党批判という意味では、これまでの総理大臣は、一国の頂点に立つ方であることから、野党の批判はあまり平場では行っていなかったように記憶しています。しかし、事ここに至って、現職の総理大臣に関しては、盛んに民主党の批判を行っているところが映し出されています。

 与党側の「党首」であることから、それも当然とは言いますものの、そんな姿を見て国民・有権者が「その資質」というものを疑わないだろうかと、そちらの方が心配です。申すなら、国の頂点に位置する方だから、どっしりと品位よく構えていてほしいと思うのです。

 内閣支持率の低落傾向に歯止めがかからず、解散の機会を逸してしまった麻生総理としては、どこかで、反撃のチャンスをとねらってはいますし、かつて、一国の総理がやった事のない都議選遊説などを通じ、自ら「絶好」のチャンスを狙ってとお考えのようですが、今のところ、逆の方向に事は動いていませんか?。

 そうなると、解散総選挙は、第171通常国会会期末をもって、総選挙手続きに入り、「自然解散」の流れに落ち着くのではないかとの見方も広がりつつありますが、ともあれ、今の段階では、東京都議会議員選挙でどのような結果が出るかを、固唾をのんで待つ以外にありません。それまでに選挙戦の準備を怠らず計画的に実行するしかないですね。

 「歴史的」解散総選挙が行われれば、財源問題を含め、全ての論議に軍配が挙がることになるわけですから。