高田 郁著 みをつくし料理帖 「小夜しぐれ」
最近どこからともなしに
探していた本が出てきま
した。とても嬉しい出来
事です。出てこないとき
は方々を探しても、家人
に聞いても見当たらず、
なかば、諦めていたとき
ぽろっと出てきました。
やはりすこし視線を変え
ると何かしら見えてくる
ものですね。
ところで、その中で関西
と関東の味の違いがわか
るシーンがありました。
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文化二年(1815年)睦月
七草をすぎ、鏡開きも終
えて、家々を新年らしく
彩っていた注連飾りも外
れた。(略)
朱鉢の中、淡い桜色に染
まったお粥には、焦げ目
のついた小ぶりの焼き餅
が浮いている。そして真
ん中に砂糖がごく控えめ
にひと匙。その砂糖を全
体に混ぜてから、口に含
む。
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▼関西ではお粥は塩味で
というのが当たり前で、
それが関東ではたっぷり
の砂糖で甘くして食べる
という。言ってみればぜ
んざいみたいなものでし
ょうか。小正月には小豆
粥を作ってみようかな。
こめぞう