北見昌郎著 文藝春秋 P193より引用
ISBN978-4-16-371680-0 1429円+税
この10年で給料20兆円が減った
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「中国との貿易が増えるに従って、日本
は富を奪われた」と感じているのは著者
がけだろうか?
そこで日中間の貿易と、日本人の給与と
の相関関係を検証してみた。
表70は、日中貿易額と日本の給与との相
関関係をグラフにしたもので、日中の貿
易額(輸入+輸出)は、平成9年に11
兆3000億円だったのが、それが19
年には32兆8000億円となり21兆
5000億円増で2,90となっている。
日本の勤労者の給与総額(勤務年数1年
未満に人含む)は、220兆円から20
1兆円になり、19兆減で0,91。
また平均年収は、467万円から437
万円となり、30万円減で0,93とな
っている。日中間の貿易額の増加と反比
例するように、日本人の給与が減ってい
ったことがわかる。
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▼昔、香港がまだイギリス領だった頃に
訪れたことがありますが、そのころたし
か中国は日本の給料の十分の一だったと
記憶しています。高層ビルの中では縫製
工場が沢山あってここから世界に輸出を
していると聞きました。また中国からの
密入国も盛んに行われているといってい
ました。マカオの賭博場では勝たせても
らいました。随分とお土産を買ってきた
思い出がよみがえります。でも日本の給
与の減りかたを中国と比較してみると歴
然とわかります。日本が世界の大国にな
って、ホッとしている間に世界の情勢は
劇的に変わっていたのです。気が付いた
らとんでもないことになっていた。国は
真剣に考えないと大変な事になるかも知
れません。