時間の番人(4)

2015-12-10 21:43:27 | 童話
『時計の有る部屋では、何も変わらなかったので、今度は時計の無い部屋で探そう。』

僕は時計の有る部屋で時計を見てから、時計の無い部屋に行ってから、また時計の有る部屋に戻って時計を見た。

すると、隣りの部屋なのに、時計は5分進んでいた。

『あれっ、 おかしいなぁ、もう5分間もたっている。』

もう一度、隣りの部屋へ行って戻って来ると1分しかたっていなかった。

『どうして同じでないのだろう? 時計がこわれているのかなぁ?』

だけれど、そのあと何度やっても1分だった。

僕は外で時間を試してみることにした。

家を出る時に時計を見て、公園に行って帰って来た時に時計を見たら10分たっていた。

何回同じ事をしても、9分から11分の間だった。

『公園は時間が変わらないなぁ。』

今度は、学校で試してみた。

公園と同じように、家を出る時に時計を見て、学校から帰った時に時計を見たら15分だった。
そして、あと2回、時間を調べたら13分と16分だった。

『やっぱり、3回とも同じような時間だなぁ。よしっ、家の中で探してみよう。』

僕は違う部屋や、1階と2階とでも試してみたけれど、同じ時間だった。