時間の番人(5)

2015-12-11 22:04:09 | 童話
ある日、お母さんが
『3時のオヤツを食べるから手を洗いなさい。』
と言ったので、オヤツは何なのかなあと思った見に行った時に時計を見ると3時5分だった。
そして、手を洗ってくると、時計は4時になっていた。

『遅いから先に食べたわよ。』とお母さんが言った。

『おかしいなぁ、僕は手を洗ってすぐ来たのに、不思議だなぁ。』

僕は家の中に時間が変化する場所があるのだと思った。

そして、今度は時計のある部屋から手を洗いに行って、また時計のある部屋に戻って来るまで、時計を持って歩いてみた。

すると、手を洗いに行く時と、手を洗って帰って来る時に、部屋の戸の敷居をまたいだ時に、僕が持っている時計が30分ずつ2回進んだ。

『あっ、ここだ。』
僕は試しに敷居の上で立ち止まった。すると、まわりが暗くなったので、僕は少し歩いた。

そうすると、まわりが明るくなって、僕が持っている時計の針が急に回った。

『わぁ、すごい。ここだ、ここだ。』