青春18きっぷ、余り1枚。
日帰りで、穂高にある碌山美術館に行ってきた。
帰り道、松本城にも行った。相当の強行軍。
碌山美術館は穂高駅の近くにある。
荻原守衛の出生地に建てられた美術館である。
日本近代彫刻の先駆者、荻原守衛(碌山)は今年が没後101年。
フランスに遊学し、ロダンに教えを乞い、帰国後、15点の作品を残し、後の日本彫刻界に影響を残しつつ、30歳で夭折。
この美術館には、荻原守衛と関係の深い高村光太郎、戸張弧雁、中原悌二郎、石井鶴三らの作品も展示してある。
ある意味で、この美術館は日本彫刻史の原点でもある。
特に、中原悌二郎は碌山とともにロダンを日本に紹介した。
日本で最も権威のある賞の一つである、中原悌二郎賞の受賞者、作品は日本の彫刻の流れを展望できるものとなっている。
以前、このブログで紹介した、山本正道、江口週も受賞者の一人である。
特別展示は、「近代日本彫刻の究極-荻原守衛の絶作≪女≫の全貌展」。
昨年、碌山美術館が、碌山没後100年を記念して開催した、シンポジウムを基に、制作の動機や構想、造形、石膏原型調査報告などについて展示。
相馬良(黒光)への思いなどの制作の背景など、第2展示棟全てを使っての企画展である。
相馬黒光は、新宿中村屋を創業し、多くの分野の文化人が集うサロンを主催した。
そこには、碌山美術館に展示してある作品の作者達が集い、日本の彫刻の一つの流れを作った。
実業家が文化の興隆に寄与した。
浅学を恥じるが、このことを初めて知った。
碌山の代表作で、日本の彫刻代表するとも言われる、傑作「女」の制作の裏には、碌山の黒光に対する複雑で、深い想いがある。
穂高の町を散策し、酷暑の松本城にも行った。
写真は、次の。フォトチャンネルのフルスクリーンでお楽しみを。