今年の賀詞交歓会、新年会で飛び交っている言葉に「絆」がある。
先日読んだブログでも、自治会を褒める言葉に「絆が強い」が使われていた。
多少とも町会や他の地域の団体に関わるものとして、違和感を禁じ得ない。
血縁で結ばれている親子などは、絆と呼ぶにふさわしいかもしれない。
しかし、牛馬を繋ぎ止めておくように、親の権威で子どもを縛り付けることを連想させ、あまり好感を持てない。
しかし、このブログを読んで、これからの町会・自治会のあるべき姿を再認識するきっかけとなた。
町会・自治会の人間関係は、突き詰めて考えれば、同じ地域に住み、そこで生活しているという関係にしか過ぎない。
つまり地縁である。
しかし、地域が存在する以上、その影響と力は厳然と存在する。
つまり、地域力である。
地域力をどう強めていくかは、そこに生活する人に多大な影響を及ぼす。
犯罪が起こりやすい地域とそうでない地域、減災が効果を発揮した地域とそうでない地域。
厳然たる差が出ている。
そこに、町会や自治会、その他地域に根を張る各種団体の存在価値がある。
今、町会や自治会の組織率の低下が問題になっている。
最悪の事態として、解散を余儀なくされているところもあると聞く。
一方、災害の発生や凶悪犯罪の増加など、住民を不安に陥れる要因も増大している。
今後、町会・自治会の組織率を上げ、活性化するためには何が必要かを模索していかなければならない。
その答えの一つが、地域住民の潜在的問題意識を探り、共鳴層の拡大につながるような事業展開を図ることである。
そのキーワードの一つが「共助」であると思う。
地域には多種多様な人が住み、様々な知識や見識、技術を持っている。
それらの人々が、或る目的に向かって力を合わせれば、地域は正に、共助の場となる。
つまり、町会・自治会は合目的的組織である。
人間関係が優先して、組織が成り立つのではなく、目的を共有した人々の間に、更に人間関係が強くなる組織である。
一方が他方を縛り付けるという「絆」の概念では絶対にない。
昨年行われた錦町の防災訓練の一コマ(AEDの訓練)。