年末になると、新聞各社が今年の10大ニュースを発表する。
その中で今年を象徴する事件は、各紙の上位に位置する、尖閣諸島の中国漁船の衝突事件であろう。
この事件の中には、現在から今後にかけての課題や問題を多く含んでいる。
第一に中国の変化である。今年中国は、国内総生産・GDPで日本を抜いて世界第2位になった。
近時、中国の世界のなかでの姿勢が強硬化し、自己主張が強くなり、世界の評判を気にしなくなった。
その一つの表れが、これも今年の重大事件の一つであろうが、ノーベル平和賞を中国の人権活動家劉暁波が受賞し、その授賞式に家族をはじめとし、関係者の出席を国が阻止し、授賞式の前日に孔子平和賞を創設し、その授賞式を行うと言う行動に出た。
中国国内で起きた、対日デモも、中国国民の対政府批判に起因するところも大きい。
中国の権力内部での変化、どちらかと言えば親日的である胡錦濤に対し、対日批判派の習近平氏の台頭などの国内事情もある。
余談であるが、今、NHKで放映中の坂の上の雲の日露戦争も当時の大国ロシアに勝利したのも共産革命が起こったというロシアの国内事情が大いに関係している。
尖閣諸島漁船衝突事件も、この中国の変化の一つの表れではなかろうか。
従って、これらの状況を十分理解したうえで、日本は対中国外交での対応が問われる。
つまり、民主党内閣の外交姿勢であり、外交能力である。
今年は、外交問題でいくつかの問題がった。
沖縄普天間基地問題のなかでの日米合意、ロシア大統領の北方四島公式訪問、拉致問題等々。