君ゆく朝
庭の白梅
ほころびぬ
日曜日、節分の朝、いつもより遅く起きてしまいました。紅父が「今日は午前仕事だよ」と言うので慌てて送り出し、いつものように紅の頭を撫でようとして・・異変に気づきました。それから後はよく覚えていません。紅の体を抱き、半狂乱になって「いやだ、いやだ、紅ー紅!」と泣き叫んでいたと思います。どれくらいそうしていたのか・・顔を上げると先日まで蕾だった白梅が目にしみるくらい眩しく咲きほころんでしました。眩しすぎて悲しくて・・でも、生きているものは咲き続けよと言っているようにも思えました。 紅父に泣きながら電話をし、花をたくさん買って来てもらい、急ごしらえした棺に紅の軽くなった小さな体を収め花を敷き詰めてあげました。紅父が「紅が遊んだ庭の花だよ」と石蕗の葉っぱや四つ葉を載せてくれました。二人でたくさん泣きました。その日の仕事は全てキャンセル。その際の連絡を聞いて教室の生徒さんのお母様方や生徒たちが紅にお別れを言いに来て下さいました。静かにゆっくりと良いお別れが出来たと思います。
月曜日お昼前、紅の体をを大学の動物病院へ預けるため家を出ました。紅父が反対の方向へ車を向けるのでどうしたのかな?と思っていたら、紅と散歩したコースを巡ってくれました。三人一緒の最後の散歩コースでした。
ごめんなさい。悲しい記事は出したくないと思って2年前に卒業したはずなのに・・。最後の最後に皆さんに甘えています。書くことで気持ちを整理して前に進もうと思います。
紅太郎は18年と約半年才でした。私たち夫婦の結婚生活のおよそ三分の二近くは一緒に過ごしたことになります。もうご存知のように紅太郎は私たちにとっては子供のような存在。神様なのかご先祖様なのか、天から授かった宝物のような子でした。大きな病気もせず、いつものんびり、天然ぼけでおかしなことをして笑わせて、いつもいつもそばにいてくれました。こんなに長い間。もうこれだけで十分幸せなことですよね。紅太郎も大きなストレスもなく穏やかな犬生を送ってくれたと思います。大往生と言ってもよいかも知れません。
頭では分かっているのです。人にも動物にも同じように別れの日は訪れてその繰り返しが人生だと。紅の体がまだ家にある時は自分でも意外なくらい前向きに考えられたのですが、いざいなくなってしまうと、とてつもない寂しさに襲われます。仕事は何とかこなしても終わった途端号泣したり、感情が抑えられなくなってしまうのです。18年と半年は有り難いほど長かった分、その重みが悲しみを深くしているようです。でもそれも仕方ないこと。こんなことを繰り返しながら少しずつ少しずつ紅のいない生活に慣れていかなければと思います。
人生の大先輩が「動物でも人でも涙が枯れるほど泣ける者がいたということ、そんなに愛せる者がいたと言うことはとてもとても幸せなことよ」と言って下さいました。本当にその通りですよね。私たちは今寂しくて悲しいけれど決して不幸ではないのです。こんなに愛すべき紅太郎を授かって、彼はたくさんの心温まる想い出を残してくれました。そして紅太郎を通して何と多くのかけがえのない方々と出逢えたことか・・。紅太郎がいなければあり得なかったことです。紅太郎に心から「ありがとう」と言いたいと思います。当分は辛い日が続くと思います。でも皆様からの温かい励ましを支えに少しずつゆっくり元気を取り戻しますね。
下の風船は去年の10月にとあるイベントでもらったもの。すぐに凋んでしまうと思ったのにずっっっと天井にへばりついていました。それが数週間くらい前から少しずつ下りてきて、部屋の空気の流れに乗って移動し始めたんです。ある時は玄関に、ある時は寝室に。妄想癖のある私は、それが寝たきりで動けない紅の心のように思えてきて、そのことを記事にしようと思っておりました。紅の替わりに窓の外を見せてあげようと窓辺に置いてみたり
不思議なことに(本当に)一週間くらい前、ダイニングテーブルにつこうとしたらまとわりついてきたんです。それからは風船はもう紅の分身。撫でたり、一緒に連れて歩いたり
そして日曜日。 月曜日には紅の体がいつもの場所から消えてしまって本当に寂しい思いですが、紅風船君が少しばかりでも慰めてくれます。思いこみが激しいでのすが、紅が「おかしゃんが寂しくないように」と風船君に託して行ってくれたように思います。
この度、ブログのお友達始めたくさんの方々から紅太郎にお花を頂きました。紅太郎がいつも寝ていた一角がとても寂しくなったのでここに置かせてもらいました。まるでお花畑のようです。紅がお花畑を嬉しそうにぴょんぴょん走っている姿を想像すると心が和みます。陽だまり堂さん、紅緒まま、サンチッチさん、ぶーちゃんなどまま、cyobirikoさん、ユーミンさん、ミツルリのお母飯さん、yumiさん、玲子ちゃん、ゆうこちゃんとお母さん、Tさん、Mさん、綺麗なお花を本当に本当にありがとうございました。
金曜日に納骨の予定ですので、皆さんから頂いたお花を少しずつを束ねて慰霊碑に捧げたいと思います。
紅が寝たきりになってからは、若い時の写真を見るのが年老いた紅に悪い気がしてなかなか見られませんでした。 でも紅を偲ぶため、以前の紅に会いに行って参りました。
懐かしい写真がたくさん・・・ 最後に懐かしい「のんびり」紅太郎など載せて終わりにしたいと思います。これまで紅太郎のことを可愛がって下さって本当にありがとうございました。何度お礼を申し上げても足りません。皆さんのご記憶の中に「おっとり、のんびり」紅太郎がずっと生き続けてくれたらとっても嬉しいです。もちろん、私たちの心の中にも。
「 マイペース、マイペースらよ~
」「みなしゃん、ほんとにほんとにほんんっっとにありがとごじゃました
」
励ましのお言葉たくさん頂き心から感謝致します。すぐにお返事できずに申し訳ありませんでした。少しずつゆっくりお返事させて下さいね。