先ず最初に言うが本来土方や百姓は差別用語ではない。
その言葉を使い馬鹿にする人達が差別用語に仕立てたのである。
今でも田舎に行くと
「ああ、今日は土方仕事だぁ」
と爺ちゃんが言うのをよく聞く。
それは農道や水路の整備だったりバイトの工事だったりする。
野良仕事、土方仕事、何も差別ではなく当たり前の言い方なのだよ本当は。
学生時代、割が良いバイトはやはり工事関係で土方のバイトと呼んで重宝していた。土方のおっちゃん達には悪い印象は無い。
料亭の裏方のバイトは嫌だったなあ、ドラマみたいに意地悪な板長がいるんだ。
こういう和の料理人の世界はヒエラルキーが厳然としていて殆ど相撲部屋の世界。
兄弟子の無理難題と鉄拳が昔から当然の世界だった。
叩き上げの板長は学歴コンプレックスが強いみたいで学生のバイトを目の敵にしたのである。
土方の世界はそれに比べたらあっさりとしていて居心地は悪くないからねえ。
面白かったのは昼飯だ。
現場近くのラーメン屋にいくのだがその注文の速い事、武田信玄でも驚く速さだ。
入口の暖簾を頭で分けた瞬間に
「ラーメンライスね!!」
まだ体が入口の半分しか入っていない。
メニューをしげしげと眺める事などしないのだ。
ラーメン屋でラーメンとライスは必ずあるから何処でも注文は決まっている。
いやあ、面白い人達だったなあ。