”談志が死んだ”
大昔からあるギャグだが本当に談志が死んで9年が過ぎるのか。
一部の人にとっては神様的存在ではあるが個人的には是々非々でしかないなあ。
良いものは良い、悪いものは悪い。
山藤章二氏の様にはとてもいかない。大体弟子も「芸は最高、人柄は最低」
と言うように(勿論洒落もあるが)かなりとんでもない人物であるぞ、談志は。
まあそのあたりは盟友マムシさんの話にも多く出て来るし落語界にも語り部はまだいるからねえ。
例の分裂騒動の時も焚きつけ役の談志はいち早く離脱するがその理由は円生の次の会長が志ん朝だと聞かされて激怒したからだ。
まあ次から次へと物議を醸す天才だった、いや天災か…
お騒がせこそここに談志ありという事だったのかもしれない。
実に存在感のある咄家だ、そういう意味では。
当然嫌う人も多かった。
面白いのは師匠である小さんとの関係だ。
小さんは談志を可愛がっていたし談志も慕っている。
しかし実直な小さんからすれば談志の行いは認める訳にはいかない。
談志が小ゑんから真打に昇進するときに欲しがった小三治の名跡は小さんが拒否する。
「あいつは了見がわりぃから」
という理由で。
かくして子弟の距離はどんどん離れていく事になる。