生まれた時から家に犬がいた。
最初は柴系雑種の小柄な雄、二代目は少し太めの雑種赤犬。
二代目は小学校の5年の頃死んだ。
2,3日具合が悪かったが学校から帰ると箱の中に収められていた。
辛かった。
それからは父に何処からか犬を貰って来てくれと連日頼んだ。
或る日、子犬がやって来た。
黒っぽい毛並みのやはり雑種。
もう嬉しくて嬉しくて、楽しくて楽しくて、子犬とべろべろ状態で遊んだ。
学校から家に帰るのがこれ程待ち遠しいとは思わなかった。
三日目
家に帰ると子犬の姿は何処にもなかった。
母が犬はもう要らないと返したのである。
犬が死ぬと悲しいからもう飼わないと…
泣いた。