新潟の野鳥・フィールドノート

新潟で観察した野鳥を写真で紹介します.野鳥の日常生活に光を当てられたらいいなーと思っています.

ムナグロ 立ち姿

2015-05-17 04:03:08 | チドリ科
 ムナグロ 学名・Pluvialis fulva 英名・Pacific Golgen Plover

 ムナグロは,黄色,白,黒の派手な衣装をまとったチドリの仲間です.このムナグロが,田起こししたばかりの水田に座り込むと消えてしまうのですから,保護色というのは素晴らしいものです.

 田植え後の水田をバックに1羽のムナグロがたたずんでいました.田の畦に立って,飛び立つ様子が見えません.ゆっくりと近づき,しゃがみこんで撮影開始です.50枚,100枚撮っても目が写りません.少しずつ角度を変え,ようやく目の見える画像を得ることができました.モデルになってくれたムナグロは,撮影後,「もういいかな」という感じで,隣の水田に飛んでゆきました.

ムナグロ 夏羽.
撮影日時 2015.05.10 撮影場所 新潟県新潟市


ムナグロ 夏羽.
撮影日時 2015.05.10 撮影場所 新潟県新潟市

セイタカシギ 「伸び」は伝染するの?

2015-05-16 07:58:49 | セイタカシギ科
 セイタカシギ 学名・Himantopus himantopus 英名・Black-winged Stilt
  
 セイタカシギの「頭掻き」に続いて,「伸び」をご覧ください.

 セイタカシギ2羽が仲良く並んで羽繕いを始めました.すると,頭の黒いセイタカシギが突然,翼を持ち上げて「翼上げ伸び」をしました.首を前に伸ばして気持ちよさそうです.頭黒が伸びを終えると,頭の白いセイタカシギも「翼上げ伸び」をしました.アレッ,「伸び」って伝染するの?

 「伸び」には,「頸伸び」,「翼上げ伸び」,「片側伸び」,「腰上げ伸び」などがあるそうです.「伸び」には,筋肉の緊張をほぐし,血流をよくする機能があるらしく,人の「ストレッチ」と通ずるものがありそうです.

セイタカシギ 成鳥.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県新発田市


セイタカシギ 成鳥.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県新発田市


セイタカシギ 成鳥.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県新発田市


セイタカシギ 成鳥.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県新発田市


セイタカシギ 成鳥.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県新発田市


セイタカシギ 成鳥.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県新発田市




セイタカシギ 頭掻き

2015-05-15 17:46:55 | セイタカシギ科
 セイタカシギ 学名・Himantopus himantopus 英名・Black-winged Stilt

 セイタカシギは,名前のとおり背が高く足の非常に長いシギです.その長い足を使って,頭を掻く仕草を観察できました.
 セイタカシギは,足が長いので直接的に頭を掻くと思いますよね.でも,実際は,「間接頭掻き」でした.翼を下げ,その翼越しに足を伸ばして頭を掻いていました.なぜそんな面倒くさいことをするのでしょう.セイタカシギに聞いたら,きっとこう答えるんでしょうね.「昔からみんなこうやって頭を掻いてます」って.短足の僕には,長い足を見せ付けるわざとらしい振る舞いにしか見えないけどなー.

 鳥類の頭を掻く方法には,直接的に足で頭を掻く「直接頭掻き」と,翼を下げ,その翼の上から足を伸ばして頭を掻く「間接頭掻き」が知られています.足の長い鳥は「直接頭掻き」を,足の短い鳥は「間接頭掻き」をすることが多く,その鳥が属する科や種ごとに決まっているそうです.セイタカシギが属するセイタカシギ科に近縁のシギ科の鳥たちは,「直接頭掻き」をします.また,同じく近縁のチドリ科の鳥たちは,「間接頭掻き」をします.シギ科の鳥たちには,足の長い種が多いのですが,中には足が短めに見えるキョウジョシギなども含まれています.チドリ科の鳥たちは,他の鳥に比べ足が短いようには見えません.どういうことなのでしょうか? きっと,セイタカシギ科やチドリ科の鳥たちの祖先は足が短く,シギ科の鳥たちの祖先は足が長かったのでしょう.

 ここからは,僕の妄想です.昔,セイタカシギの祖先は,足が短かったために,足の長いシギ科の祖先が,水や泥の深い場所で餌を採るのを指(足?)をくわえて見ていました.「長い足があれば,もう少し楽に暮らせるのに」と思い続ける毎日だったのです.そして,足を長くする努力を続けました.親から子へ,子から孫へとその願いが受け継がれ,現在の長い足につながったのです.それを進化といいます.セイタカシギの「頭掻き」から妄想進化論へと発展させてしまいました.

セイタカシギ.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県新発田市


セイタカシギ.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県新発田市


セイタカシギ.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県新発田市


セイタカシギ.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県新発田市


セイタカシギ.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県新発田市


セイタカシギ.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県新発田市

粟島再訪 2015-4 総集編

2015-05-15 08:48:30 | 新潟の探鳥地
 2015年5月5日~7日,野鳥観察のため日本海に浮かぶ粟島を再訪しました.今回は,その総集編です.
 結論から言うと,今年の春の粟島は絶不調でした.再訪中,シマゴマ,ニシイワツバメ,キマユホオジロ,マミジロなどの情報を頂きましたが,すべて出会うことができませんでした.かろうじてコホオアカを発見できたのですが,遠い上に枝被りでご紹介できるような画像ではありません.女神は,微笑むどころか振り向いてもくれなかったのです.
 
ツグミ.公園や畑などで見ることができました.粟島で,それも何の変哲もないツグミの画像をトップで紹介することになるとは! 
撮影日時 2015.05.06 撮影場所 新潟県・粟島


ヒヨドリ.島の先端に集結したヒヨドリの群れは,意を決したように飛び立ちますが,ハヤブサの襲撃を恐れ,すぐに島に戻ってきます.何度も飛び立ちを繰り返した後,島を離れるのですが,果たして無事に旅を終えることができたでしょうか.
撮影日時 2015.05.06 撮影場所 新潟県・粟島


ウミウの集団繁殖地.立島の断崖の上で繁殖しています.白いところで黒い点に見えるのがウミウです.
撮影日時 2015.05.06 撮影場所 新潟県・粟島


オオミズナギドリの巣穴.オオミズナギドリは,丸山の斜面に巣穴を掘り,繁殖しています.
撮影日時 2015.05.06 撮影場所 新潟県・粟島


オオミズナギドリ.滑翔.
撮影日時 2015.05.07 撮影場所 新潟県・粟島航路


オオミズナギドリ.滑翔.
撮影日時 2015.05.07 撮影場所 新潟県・粟島航路


ムネアカタヒバリ.畑の畦で採餌していました.
撮影日時 2015.05.07 撮影場所 新潟県・粟島


センダイムシクイ.
撮影日時 2015.05.07 撮影場所 新潟県・粟島


コルリ 雄.
撮影日時 2015.05.07 撮影場所 新潟県・粟島


 5月5日~7日に観察された野鳥は,次のとおりでした.
 マガモ,カルガモ,キジバト,アオバト,オオハム(粟島航路),オオミズナギドリ,ヒメウ,ウミウ,アオサギ,ダイサギ,ツツドリ,ウミネコ,オオセグロカモメ,ウミスズメ(粟島航路),ウトウ(粟島航路),トビ,ハヤブサ,モズ,ハシボソガラス,ハシブトガラス,ヤマガラ,シジュウカラ,ツバメ,ヒヨドリ,ウグイス,エゾムシクイ,センダイムシクイ,メジロ,コムクドリ,クロツグミ,マミチャジナイ,アカハラ,ツグミ,コルリ,ジョウビタキ,ノビタキ,イソヒヨドリ,キビタキ,オオルリ,スズメ,キセキレイ,ハクセキレイ,ビンズイ,ムネアカタヒバリ,アトリ,カワラヒワ,イカル,ホオジロ,ホオアカ,コホオアカ,カシラダカ,アオジ(全52種)

粟島再訪 2015-3 アオジ

2015-05-14 05:22:30 | ホオジロ科
 アオジ 学名・Emberiza spodocephala 英名・Black-faced Bunting

 今から数十年前,ゴールデンウィークになると粟島詣でをしたことがあります.その頃,島の人たちはほとんどの野鳥をスズメと呼んでいたのです.大きいスズメ,中くらいのスズメ,小さいスズメ,黄色いスズメ,青いスズメなどといっていました.そのスズメがなんという野鳥なのかは,実際に観察してみないと分かりませんでした.ある日,農作業をしていたお婆さんが,「見たことのない大きなスズメがいる」と言うではありませんか.そのスズメは,なんと「ワカケホンセイインコ」だったのです.
 アオジ,粟島を代表する渡り鳥です.畑,道路の脇,公園などの草地から湧き出てくるかと思うほど多いのです.今回の粟島でもよく目にしたのですが,こんなに夢中になって写真を撮ったのは初めてでした.島に到着した直後らしく,草の実を食べるのに懸命でした.

アオジ 雄.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県・粟島


アオジ 雄.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県・粟島


アオジ 雄.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県・粟島


アオジ 雄.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県・粟島


アオジ 雄.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県・粟島

粟島再訪 2015-2 キビタキ

2015-05-13 17:51:33 | ヒタキ科
 キビタキ 学名・Ficedula narcissina 英名・Narcissus Flycatcher

 キビタキは,春の粟島を代表する野鳥の一種です.多いときには,「あそこにも,ここにも」というくらい目に付く鳥なのですが,今年は,鳴き声を聞いても観察する機会がほとんどありませんでした.2回の渡島,延べ4泊6日の観察で,撮影できたのがこの画像だけとは!
 今年の粟島は,どうかしている.こんな年が続くはずがない.来年の春は,きっと爆発するぞ.野鳥たちの翼で島が宙に浮き上がるほど,鳥たちで溢れ返るはずだ.

キビタキ 雄.
撮影日時 2015.05.06 撮影場所 新潟県・粟島


キビタキ 雄.
撮影日時 2015.05.06 撮影場所 新潟県・粟島

粟島再訪 2015-1 マミチャジナイ

2015-05-13 05:12:29 | ヒタキ科
 マミチャジナイ 学名・Turdus obscurus 英名・Eye-browed Thrush

 5月5日から7日まで.粟島を再訪しました.野鳥観察の先輩2人に同行させていただきました.
 今回の粟島再訪の最大の目的は,前回(4月21日~23日)観察できなかったツグミ類です.マミチャジナイ,できればマミジロとも出会えたらとの思いでした.
 結果,マミチャジナイとは数回の出会いがありました.しかし,チャンスを生かしきれず,ここで紹介する1枚が残っただけでした.マミジロについては,「○○に出た」との情報がありましたが,姿さえ見ることができませんでした.来年の粟島に期待です.
 
マミチャジナイ 雄.
撮影日時 2015.05.07 撮影場所 新潟県・粟島

セイタカシギ 川面に映る優美な姿

2015-05-12 17:11:47 | セイタカシギ科
 セイタカシギ 学名・Himantopus himantopus 英名・Black-winged Stilt

 セイタカシギは,新潟では数の少ない旅鳥ですが,最近,観察する機会が増えています.長い,想像以上に長いピンクの足が魅力的です.以前から13羽渡来の情報を頂いていたのですが,なかなか訪れる機会がありませんでした.会えた時には,2羽に減っていました.11羽は,すでに繁殖地に飛び立ったのでしょうか?
 セイタカシギは,早朝の川面にその優美な姿を映してたたずんでいました.鳥を見始めた頃,セイタカシギは図鑑でしか見ることのできない憧れの野鳥でした.その姿を故郷の川で見ることができるとは夢にも思っていませんでした.
  
セイタカシギ 成鳥.頭の模様は,いろいろなバリエーションがあるそうです.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県新発田市


セイタカシギ 成鳥.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県新発田市 


セイタカシギ 成鳥.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県新発田市


セイタカシギ 成鳥.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県新発田市


セイタカシギ 成鳥.
撮影日時 2015.05.05 撮影場所 新潟県新発田市


 このセイタカシギについては,ガン・カモの先生とアルバトロスさんから情報を頂きました.その上,アルバトロスさんには撮影の協力までしていただきました.ありがとうございました.お陰様で,セイタカシギの頭掻きや伸びまで観察できました.その画像については,粟島の後半戦を挟んで投稿いたします.
 新潟は,稀に見るほど晴天が続いています.画像の整理が追いつかないほどで,嬉しい悲鳴をあげています.しばらくの間,1日2回の投稿が続きそうです.

コゲラ 飛び立ち・捨て切れない1枚 

2015-05-12 04:54:27 | キツツキ科
 コゲラ 学名・Dendrocopos kizuki 英名・Japanese Pygmy Woodpecker

 コゲラは,日本に生息するキツツキの仲間では最も小さな体をしています.動きが敏捷で,見ていて飽きることがありません.新潟では留鳥で,山地から平地まで普通に見ることができます.
 4月29日,海岸の松林で「ギー,ギー」というコゲラの声が聞こえました.キツツキ類は,木の幹に垂直にしがみつく形でとまっていることが多く,腹部を見ることはほとんどありません.コゲラの正面姿勢を捉えるため,運試しの連写作戦です.何とか撮影することができました.連写の途中,飛び立ちました.ファインダーを覗いている時は,「ヤッター」と思いました.シャッターチャンスをものにできたと喜びました.しかし,それも束の間のぬか喜びでした.液晶上のコゲラは,ブレブレでした.何度も捨てようと思いましたが捨てきれませんでした.

コゲラ.
撮影日時 2015.04.29 撮影場所 新潟県新潟市


コゲラ.
撮影日時 2015.04.29 撮影場所 新潟県新潟市


コゲラ.
撮影日時 2015.04.29 撮影場所 新潟県新潟市


コゲラ.何か幼虫を掘り出しました.
撮影日時 2015.04.29 撮影場所 新潟県新潟市


コゲラ.捨て切れなかった1枚です.
撮影日時 2015.04.29 撮影場所 新潟県新潟市

キジ 雄叫び

2015-05-11 04:04:58 | キジ科
 キジ 学名・Phasianus colchicus 英名・Common Pheasant 

 キジは,留鳥で,平地の草地や農耕地で繁殖しています.春,キジの雄は,「ケン・ケーン」と大きな声で鳴き,続いて力強く羽ばたいて「バタバタ」という音を出します.縄張り宣言の雄叫びです.
 2015年4月28日,水田脇の草地でキジの雄と出会いました,キジの雄は,僕と目が合うと草地の藪に隠れました.遠くから他のキジの雄の鳴き声が聞こえてきます.少し離れた場所で待っていると,先ほど隠れたキジの雄が草地に出てきました.背伸びをして「ケン・ケーン」と鳴き叫びます.よほど力を振り絞って鳴いているのでしょうか,瞬膜を閉じています.続いて,翼を大きく羽ばたいて「バタバタ」という羽音を立てました.鳴き終えるとしばらくの間,「どうだ」と言わんばかりに胸を張り,尾を上げていました.

キジ 雄.伸び上がって「ケン・ケーン」と鳴きます.
撮影日時 2015.04.28 撮影場所 新潟県新潟市 


キジ 雄.瞬膜を閉じています.
撮影日時 2015.04.28 撮影場所 新潟県新潟市


キジ 雄.力強く羽ばたきます.
撮影日時 2015.04.28 撮影場所 新潟県新潟市


キジ 雄.目が光っています.
撮影日時 2015.04.28 撮影場所 新潟県新潟市


キジ 雄.胸の羽毛が輝いています.
撮影日時 2015.04.28 撮影場所 新潟県新潟市


キジ 雄.「どうだ」のポーズ.
撮影日時 2015.04.28 撮影場所 新潟県新潟市