新潟の野鳥・フィールドノート

新潟で観察した野鳥を写真で紹介します.野鳥の日常生活に光を当てられたらいいなーと思っています.

カワウ 集団営巣

2015-05-10 05:48:55 | ウ科
 カワウ 学名・Phalacrocorax carbo 英名・Great Cormorant

 カワウは,新潟では留鳥です.河川や河口,港湾や海岸,湖沼や溜池,水辺ならどこでも観察できるほど生息地を広げています.大食漢で,口が裂けそうに大きな魚でも丸呑みにします.そのため,漁業関係者などと大きな軋轢が生じているようです.
 2015年4月26日に訪れた溜池の奥のほうから,「グワー,グワー」「グルルー,グルルー」という大きな騒がしい声が聞こえてきました.水面上へと伸びた木に,カワウが集団で営巣していました.その数は,11巣ありました.昨年までは,カワウの止まり木として利用されていたのですが,今年から繁殖が始まったのです.遠くでしたので,抱卵中なのか巣に雛がいるのか確認できませんでした.
 5月2日,溜池を再訪し,対岸から覗いて見ました.巣の上には,親鳥のほかに雛の姿が確認できました.

カワウ.
撮影日時 2015.04.26 撮影場所 新潟県新潟市


カワウ.
撮影日時 2015.05.02 撮影場所 新潟県新潟市

ムナグロ 飛翔

2015-05-10 02:56:52 | チドリ科
 ムナグロ 学名・Pluvialis fuluva 英名・Pacific Golden Plover

 ムナグロは,春と秋の渡りの時期に通過してゆく旅鳥です.春の渡りの時期に目にする機会が多く,数百羽という大群を観察することもできます.秋の渡りは,単独か数羽の群れを見る程度です.
 2015年5月3日,水田の上空を飛ぶ約30羽の群れを確認しました.その前から鳴き声は聞いていたのですが,姿を見ていなかったので,この日が今年の初認になります.昨日,5月9日には,田植え後の水田に入った7群を観察,総数は約800羽と推定できました.昨日は,小雨でしたが,青空をバックに飛ぶ数百羽の群れを想像し,胸が高鳴りました.
 
ムナグロ 夏羽.
撮影日時 2015.05.03 撮影場所 新潟県新潟市


ムナグロ 夏羽.
撮影日時 2015.05.03 撮影場所 新潟県新潟市


ムナグロ 上は夏羽に換羽中.下は夏羽.
撮影日時 2015.05.03 撮影場所 新潟県新潟市 


ムナグロ 夏羽,夏羽に換羽中.
撮影日時 2015.05.03 撮影場所 新潟県新潟市


ムナグロ 夏羽.
撮影日時 2015.05.03 撮影場所 新潟県新潟市

チュウシャクシギ 飛翔

2015-05-09 05:58:15 | シギ科
 チュウシャクシギ 学名・Numenius phaeopus 英名・Whimbrel

 チュウシャクシギは,春と秋の渡りの時期に通過してゆく旅鳥です.秋よりも春のほうが目にする機会が多いようです.春は,水田地帯でよく観察され,4月下旬の田起こしの頃から田植え後の5月中旬頃まで観察されます.飛び立つときなどに「ホイピピピピピピ」と特徴的な声で鳴きます.
 2015年4月28日,もうシギたちが渡来する頃と思い,水田地帯を偵察してみました.しかし,いつもならムナグロの群れが歩き回り,飛び回っているはずの水田には1羽の姿も見られませんでした.少し,足を伸ばして他の水田に行くと,いました.長い嘴が下のほうに湾曲しています.チュウシャクシギの群れです.水を張った水田と畦に32羽のチュウシャクシギが下りていました.
 渡来の初期は,警戒心が強い上に水田で農作業をする人が多く,すぐに飛び立ってしまいます.ということで,今春のシギ・チの渡りの第1弾は,チュウシャクシギの飛翔になりました.これから,水田,浜辺と,炎天下をうろつきまわる日々が続きます.

チュウシャクシギ.
撮影日時 2015.04.28 撮影場所 新潟県新潟市


チュウシャクシギ.
撮影日時 2015.05.03 撮影場所 新潟県新潟市


チュウシャクシギ.
撮影日時 2015.05.03 撮影場所 新潟県新潟市


チュウシャクシギ。
撮影日時 2015.05.03 撮影場所 新潟県新潟市

エゾムシクイ 識別に挑戦しませんか

2015-05-08 05:37:16 | ムシクイ科
 エゾムシクイ 学名・Phylloscopus borealoides 英名・Sakhalin Leaf Warbler

 エゾムシクイは,新潟では夏鳥で山地で繁殖しています.春や秋の渡りの時期には,平地の海岸林や公園などでも鳴き声を聞くことができます.地鳴きは,「ピッ.ピッ」という声で,「ヒーツーキー」とさえずります.暗い藪の中を敏捷に動き回るため,声は聞けてもなかなか姿を見ることができない鳥です.
 エゾムシクイが属するムシクイ科の鳥たちは,いずれも小さい上によく似ており,識別が難しい野鳥たちです.しかし,ムシクイの仲間は,それぞれが特徴的なさえずり,地鳴きを持っており,鳴き声で判別するのが一番とよく言われます.
 公園の藪の中で,何か動く影を見つけました.ムシクイの仲間です.葉陰に隠れ,羽繕いをしています.エゾムシクイです.驚かせないよう,そっと観察します.羽繕いを終えたエゾムシクイは,全身が見える枝に移動しましたが,それも一瞬で,すぐに藪の中に姿を消しました.
 撮影を終えた僕の手は,少し震えていました.ようやく,エゾムシクイの全身が見える写真,エゾムシクイと識別できる写真を撮ることができました.
 ムシクイの仲間は,識別が難しいと書きました.この記事にも識別点を書くべきでしょう.しかし,僕は,意地悪なのです.あえて識別点を書きません.写真と図鑑を見比べて識別してみてください.識別できたとき,僕が撮影を終えた後に手が震えたという感動を共有できると思います.

エゾムシクイ.
撮影日時 2015.04.29 撮影場所 新潟県新潟市


エゾムシクイ.
撮影日時 2015.04.29 撮影場所 新潟県新潟市


エゾムシクイ.
撮影日時 2015.04.29 撮影場所 新潟県新潟市


 参考まで,よく似ていると言われるセンダイムシクイの画像をサービスします.
センダイムシクイ.
撮影日時 2015.04.29 撮影場所 新潟県新潟市









































オオルリ 赤い鳥を探して青い鳥に会う

2015-05-05 05:27:23 | ヒタキ科
 オオルリ 学名・Cyanoptila cyanomelana 英名・Blue-and-white Flycatcher

 オオルリは,新潟では夏鳥です.渡りの時期は,海岸の松林や公園などでも観察することができます.
 赤い鳥,イスカを探して松林をさまよい,最後の望みを託して水場のある公園に行きました.赤い鳥には会えませんでしたが,青い鳥と出会うことができました.オオルリです.春は,赤い鳥とともに去り,青い鳥とともに初夏が訪れたのです.

オオルリ 雄.
撮影日時 2015.04.29 撮影場所 新潟県新潟市


オオルリ 雄.
撮影日時 2015.04.29 撮影場所 新潟県新潟市


オオルリ 雄.
撮影日時 2015.04.29 撮影場所 新潟県新潟市


 今日から粟島に渡ります.粟島ではどのような出会いがあるのでしょうか.わくわくしています.
 帰宅は,7日です.明日,明後日は,投稿できません.ご了承ください.

イスカ 上空を通過した赤い小鳥

2015-05-05 04:25:47 | アトリ科
 イスカ 学名・Loxia curvirostra 英名・Red Crossbill

 イスカは,新潟では冬鳥ですが,年によって渡来する数に大きな差があります.松ぼっくりの中の種子を食べるために進化した,上と下が交差した嘴を持つアトリの仲間です.
 海辺近くの畑の上空,「ピョッピョッ」と泣きながら30羽ほどの小鳥の群れが飛んできました.赤い小鳥です.イスカの群れです.近くには,イスカの大好きな松ぼっくりが実る松林があります.「降りてくれ」の願いも空しく,小鳥たちは赤い軌跡を残して青空に消えてゆきました.それから数時間,海岸の松林を歩き,イスカの群れを探しましたが,ついに出会うことはできませんでした.松林の松ぼっくりは,大きく開き,中にはイスカを魅了する種子は一粒も残っていませんでした.
 また1年,イスカの渡来を待たなければなりません.そして,松ぼっくりの実りを確認する日々が続くでしょう.松ぼっくりにぶら下がる赤い小鳥を思い浮かべながら.

イスカ.
撮影日時 2015.04.29 撮影場所 新潟県新潟市


イスカ.
撮影日時 2015.04.29 撮影場所 新潟県新潟市



ヒバリ 羽繕いと採餌

2015-05-04 05:49:18 | ヒバリ科
 ヒバリ 学名・Alauda arvensis 英名・Eurasian Skylark

 ヒバリ.晴れた青空に舞い上がり,さえずる.早春からよく目にする姿で,心を浮き浮きさせ,春愁へと誘い込みます.
 でも,ヒバリは歌ってばかりいるわけではありません.世界で愛される歌い手にも日常があるのです.普段余り目にすることのない,ヒバリの生活の一部をご紹介します.今回,ご登場いただいたヒバリ君(さえずり,進入した隣人を追い払っていたことから雄と推定されます)は,本当に友好的でした.カメラを構えた僕から数メートルのところで,さえずり,餌を探し,羽繕いを見せてくれたのです.そういえば,昨春,モデルになってくれたヒバリ君も非常に友好的でした.同じ場所での撮影でしたので,同じ個体なのかもしれません.

ヒバリ.草地を歩くヒバリ.胸を張っていますが,少し緊張気味なのかもしれません.
撮影日時 2015.04.25 撮影場所 新潟県新潟市


ヒバリ.背後から.
撮撮影日時 2015.04.25 影場所 新潟県新潟市


ヒバリ.羽繕いを始めました.
撮影日時 2015.04.25 撮影場所 新潟県新潟市


ヒバリ.翼を広げて入念に羽繕い.
撮影日時 2015.04.25 撮影場所 新潟県新潟市


ヒバリ.羽繕いをしているときは,目を閉じていることが多いようです.
撮影日時 2015.04.25 撮影場所 新潟県新潟市


ヒバリ.草の根元を嘴で掘っています.砂を撒き散らして一生懸命に掘っています.
撮影日時 2015.04.25 撮影場所 新潟県新潟市


ヒバリ.草の根元から昆虫の幼虫を掘り出しました.多分,コガネムシの仲間の幼虫のようです.このヒバリは,約30分の撮影時間中に2匹の幼虫を探し出しました.土の下に隠れた幼虫をどのような方法で見つけ出すのでしょうか.
撮影日時 2015.04.25 撮影場所 新潟県新潟市



キジ 一直線に飛ぶ

2015-05-03 17:44:36 | キジ科
 キジ 学名・Phasianus colchicus 英名・Common Pheasant

 キジは,新潟の平地の林や農耕地などでよく見ることができます.春になると,雄は「ケン,ケーン」と大きな声で鳴いて縄張り宣言をするのでよく目立つようになります.
 田植え前の水田地帯を歩いていたら,キジの雄がゆっくりと歩いていました.レンズを向けると突然走り出し,飛び立ちました.まるで一直線,弾丸のように飛んでゆきました.
 この記事を書いていて,思い出したことがあります.数年前,稲刈りが終わった秋のことでした.やはり水田地帯を歩いていたら,キジの雄が僕に向かって一直線に飛んできたのです.あわや衝突,と思った瞬間,僕の脇をすり抜け,すぐ脇の草むらに突っ込み姿を消しました.その直後,ハヤブサが一直線に僕のほうに向かって飛んできたのですが,僕に気づくと急上昇し,飛び去っていったのでした.「窮鳥懐に入る」という諺がありますが,まさにこの時のキジはその思いだったのでしょうか.肉眼で見たキジの目とハヤブサの目は,いずれも金色に光っていました.

キジ 雄・成鳥.
撮影日時 2015.04.24 撮影場所 新潟県新潟市


キジ 雄・成鳥.
撮影日時 2015.04.24 撮影場所 新潟県新潟市


キジ ♂・成鳥.
撮影日時 2015.04.24 撮影場所 新潟県新潟市

 

オオタカ  

2015-05-01 12:24:55 | タカ科
 オオタカ 学名・Acciplter gentilis 英名・Northern Goshawk

 オオタカは,里山に君臨する王者です.その姿は,真剣を正眼に構えた武士の趣です.林の中で出会い,その眼に見据えられると背中に戦慄が走ります.
 オオタカは,海岸の松林などで繁殖しています.しかし,今,その松林が危機に瀕しています.数年前まで青々と茂っていた松林が枯れ果て,無残な姿をさらしているのです.行政やボランティアの方々の努力で,松枯れの防止や再生が行われています.かっての姿を取り戻すまで,オオタカは持ち堪えることができるでしょうか.松枯れは,オオタカの生態に大きな影響を及ぼしています.立ち枯れた松の木に営巣するオオタカもいるのです.枯れた松の木は,オオタカの大きな巣を支え続けてくれるでしょうか.丸見えになった巣が,卵や雛を雨や風,暴虐なカラスなどから守ってくれるでしょうか.オオタカの逞しさを信じるしかありません.かって,オオタカが山林から平地の林へと生活の場所を広げたように.さらにフロンティアの地を開拓することを望まずにはいられません.
 (このブログでは,資料的価値を考慮し,これまで撮影日時を明記,撮影場所も市町村名まで公表してきました.しかし,今回は,撮影日時と場所を非公開にします.ご了解ください.)

オオタカ 雌・成鳥.
撮影日時 2015. 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌・成鳥.
撮影日時 2015. 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌・成鳥.
撮影日時 2015. 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌・成鳥.
撮影日時 2015. 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌・成鳥.
撮影日時 2015. 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌・成鳥.
撮影日時 2015. 撮影場所 新潟県