新潟の野鳥・フィールドノート

新潟で観察した野鳥を写真で紹介します.野鳥の日常生活に光を当てられたらいいなーと思っています.

オオタカ  子育て-3

2015-08-18 03:49:32 | タカ科
 オオタカ 学名・Accipiter gentilis 英名・Northern Goshawk

 オオタカの子育ての第3弾です.この投稿からヒナが登場します.

 6月10日,巣にいるヒナをはじめて確認できました.白い綿羽と黒い目がかわいいです
 観察を始めてしばらくすると雌が巣から飛び出してゆきました.前回,5月27日に餌渡しが行われた場所から数メートル離れた木の枝で餌渡しが行われました.餌は,スズメでした.雌は,餌を握りしめたまましばらく「ピーェー,ピーェー」と鳴いていましたが,餌を嘴にくわえると,すぐに巣に向けて飛び出しました.
 観察場所に戻ると雌はすでに巣に戻っていました.雌は,ヒナに餌を与える様子は見せず,羽繕いを始めました.羽繕いは,1時間20分ほどもの長い間,丁寧に続けられました.羽繕いを終えると3分ほど巣から離れました.巣に戻ると,大きな肉の塊を,そして足もそのまま飲み込みました.それから餌を小さくちぎりヒナに与え始めたのです.
 この日の観察目的は,ヒナの確認が主なものでした.短い時間でしたが,充実した気持ちで林から離れることができました.

オオタカ 雌とヒナ.ヒナは,白い綿羽に覆われています.
撮影日時 2015.06.10 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.雄から餌を受け取った雌.餌渡しは毎回同じ場所で行われるわけではありません.
撮影日時 2015.06.10 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.餌を嘴でくわえて巣に向かって飛び出しました.
撮影日時 2015.06.10 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.すぐに巣に戻っていました.
撮影日時 2015.06.10 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.羽繕いを始めました.尾羽を嘴でしごいています.
撮影日時 2015.06.10 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.丁寧に羽繕いを続けます.
撮影日時 2015.06.10 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.大きな肉の塊を飲み込んでいます.
撮影日時 2015.06.10 撮影場所 新潟県新潟市


オオタカ 雌.餌を嘴で小さくちぎり,ヒナに与えています.
撮影日時 2015.06.10 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.ヒナが口を大きく開けて餌をねだっています.
撮影日時 2015.06.10 撮影場所 新潟県


 記事を書いていて,我ながらこれはブログには合わないなと思いました.しかし,オオタカの保護は,オオタカを知らないとできないのだと思い直しています.残酷だと思える画像もあえて載せました.オオタカについてよりよく知ってもらいたいからです.厳しい環境の中で健気に生き,子育てをするオオタカを理解してあげてください.
 この投稿記事の文章,画像について,無断使用,転載等を堅く禁じます.

 

新潟の野鳥 ヒバリシギ

2015-08-17 09:44:48 | シギ科
 ヒバリシギ 学名・Calidris subminuta 英名・Long-toed Stint

 過去に観察した「新潟の野鳥」シリーズです.

 ヒバリシギは,新潟では数の少ない旅鳥です.トウネンよりやや小さい,可愛らしいシギです.単独か数羽の群で行動し,主に休耕田や埋立地の水溜りで観察されます.飛び立つときなどに,「ピュイッ」と鳴きます.

 このヒバリシギを撮影したとき,すぐ近くに珍鳥のコシジロウズラシギを狙う大砲がずらりと並んでいたものです.僕は,その人並みから離れ,この愛らしいシギに狙いをつけていました.300㍉の小銃を片手に.

ヒバリシギ 幼鳥.
撮影日時 2011.08.08 撮影場所 新潟県新潟市


ヒバリシギ 幼鳥.
撮影日時 2011.08.08 撮影場所 新潟県新潟市


 

オオタカ  子育て-2

2015-08-16 19:39:34 | タカ科
 オオタカ 学名・Accipiter gentilis 英名・Nothern goshawk

 オオタカの子育て,第2弾です.この投稿では,まだヒナの姿は見られませんが,すでに孵化していたものと考えています.このオオタカの子育ての記事が保護の一助になれば幸です.(ブログの記事,画像は当然,無断使用,転載等は禁止ですが,特にこの記事に関しては文章,画像ともに無断使用を堅く禁じます)

 5月25日,観察開始時,雌が巣の上に座っていましたが,抱卵の時とは少し姿勢が違います.体を浮かせ気味にしているのです.ヒナを押しつぶさないために,そのような姿勢をとっていたものと考えられます.観察中,雌は,ほとんど巣の上で立ち気味の姿勢をとっていました.そして,丁寧に羽繕いをしました.巣の上に白い綿羽のようなものが見られましたが,雌が羽繕いをした際に抜け落ちたものと思われます.観察中,雌が巣の上で「ピィー,ピィー」「ピィーエー,ピィーエー」と盛んに鳴いていたのが印象的でした.雄を呼んでいたのかもしれません。まだ,ヒナの姿は見えませんでした.

オオタカ 雌.巣の上で体を浮かせ気味に座っています.
撮影日時 2015.05.25 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.巣の中を覗き込んでいます.
撮影日時 2015.05.25 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.巣の上で体を立てて周囲を見回しています.
撮影日時 2015.05.25 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.羽繕いを始めました.
撮影日時 2015.05.25 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.初列風切を嘴でしごき,整えます.
撮影日時 2015.05.25 撮影場所 新潟県


 5月27日,観察開始時,雌は,巣の上で立ち上がっていました.周囲を見回したり,羽繕いをしていましたが,突然巣から飛び出しました.巣から20メートルほど離れた場所で,雄から雌に餌渡しが行われました.残念ながら,餌渡しは瞬間的で写真に収めることはできませんでした.餌は,ムクドリのようで,渡された時点で大きな羽毛はほとんど抜き取られていました,雌は,すぐに餌を食べ始めました.まさに貪り食うという様子で,足はそのまま飲み込んでしまうほどでした.約15分間,餌を食べ続けた後,食べ残した餌を持って巣の方向に飛び立ちましたが,直接,巣には戻ってはいませんでした.約18分後,巣から5メートルほど離れた木の枝に帰ってきました.その時、餌は持っていませんでしたが,そのまま巣に戻りました.

オオタカ 雌.巣の上で立ち上がっていました.
撮影日時 2015.05.27 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.周囲を見回しています.
撮影日時 2015.05.27 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.巣から離れた場所で雄から受け取った餌を食べています.
撮影日時 2015.05.27 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.巣に戻ってきました.素嚢(そのう)が大きく膨らんでいます.
撮影日時 2015.05.27 撮影場所 新潟県


 5月29日.雌が巣の上にいて,時々,巣の中を覗き込む様子が見られました.この日もヒナの姿を見ることができませんでした.

オオタカ 雌.巣の中を覗き込んでいます.まだ,姿は見えませんがその視線の先には雛がいるのでしょう.
撮影日時 2015.05.29 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.体を浮かせ気味に,翼をやや広げています.
撮影日時 2015.05.29 撮影場所 新潟県



オオタカ  子育て-1

2015-08-15 12:11:40 | タカ科
 オオタカ 学名・Accipiter gentilis 英名・Northern Goshawk

 オオタカの子育てを継続,観察してきました.観察には,オオタカにストレスを与えないよう最大の注意を払ったつもりです.そして,オオタカからこいつなら大丈夫との信頼を得ることができたようです.お陰様で,無事に2羽の巣立ちを見届けることができました.これから数回に分けて,子育ての様子をご紹介します.この記事がオオタカの保護の一助になれば幸です.(この記事の文章,画像についてはすべて無断使用,転載等を禁止します.)

 来年も,再来年も,そしていつまでも,オオタカがこの林で繁殖し,子育てができることを心から願っています.

 4月2日,松林の中からオオタカの鳴き声が聞こえました.雌が雄に対して交尾を求める鳴き声でした.この林では,これまでオオタカが繁殖したことがありません.姿を見ることも希でした.しかし,いつか繁殖するだろうと期待していた林でした.

オオタカ 雌.
撮影日時 2015.04.02 撮影場所 新潟県


オオタカ 巣.クロマツの枝分かれした幹の上に大きな巣を発見しました.まだ,抱卵には入っていないようです.
撮影日時 2015.04.02 撮影場所 新潟県


 オオタカに限らず,営巣,抱卵,育雛の初期は,刺激を与えると巣を放棄する可能性が高いので,慎重に観察することが重要です.2週間以上,オオタカが営巣する林に近づくことを断念しました.

 4月18日,もう抱卵している時期と思い,そっと覗いてみました.このころになると,オオタカの鳴き声もほとんど聞かれなくなります.林の中に入っても,鳴き声で人に気づかれる心配がありません.遠くから覗くと,巣の上に雌の姿が見えました.やはり,抱卵していました.抱卵の確認だけで十分です.長居は無用です.林を抜ける途中,枝にとまる雌を発見しました.抱卵途中の休息でしょうか?  

オオタカ 雌.抱卵中.身動きひとつせず,こちらを見つめています.
撮影日時 2015.04.25 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.枝にとまっていました.僕を見ても警戒の様子を見せませんでした.
撮影日時 2015.04.25 撮影場所 新潟県


 4月25日,まだ,雛は孵っていないようでした.

オオタカ 雌.抱卵中.
撮影日時 2015.04.25 撮影場所 新潟県


 5月23日,約1ヶ月ぶりに巣を覗いてみました.もう雛が孵っているころです.

オオタカ 雌.巣の上に座り込んでいます.
撮影日時 2015.05.23 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.立ち上がりましたが雛の姿は見えません.
撮影日時 2015.05.23 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.巣の上で「伸び」をしました.
撮影日時 2015.05.23 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.両翼を上げて「伸び」をしています.巣の上で座り続けるのは疲れるのでしょうね.
撮影日時 2015.05.23 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.巣から離れ,枝にとまりました.
撮影日時 2015.05.23 撮影場所 新潟県


オオタカ 雌.足元を見てください.丸いものが見えます.卵殻のようです.雛が孵っているようですが,まだ小さすぎて見えないようです.
撮影日時 2015.05.23 撮影場所 新潟県



新潟の野鳥  アジサシ・亜種アジサシ  成鳥の越夏例および第1回夏羽?

2015-08-14 15:42:18 | カモメ科
 アジサシ 学名・Sterna hirundo 英名・Common Tern  
   亜種・アジサシ 学名・Sterna hirundo longipennis

 過去に観察した「新潟の野鳥」シリーズです. 

 アジサシの亜種・アジサシは,新潟では旅鳥として飛来します.コアジサシよりも大きく,飛びながら「ギリッ,ギリッ」などと鳴きます.主に海岸で観察されますが,湖沼や河川で見ることもあります.単独や数羽のことが多いのですが,100羽近くの群を見ることもあります.

 2011年7月1日,新潟市西区にあったコアジサシの集団繁殖地の周辺で,6羽の亜種・アジサシを観察しました.そのうちの4羽は,成鳥でしたが,2羽は,前頭部が白く,肩羽に淡褐色斑が見られました.同地で繁殖した幼鳥の可能性も考えましたが
 背に淡褐色斑が見られないこと
 嘴と足に赤みがなく黒色であること
 発見時,すでに成鳥と同じくらいの大きさで飛び回っていたこと
 成鳥からの給餌が見られなかったこと
などから,第1回夏羽と推定しました.
 コアジサシの集団繁殖地は,港に堆積した土砂を浚渫,小高く積み上げた場所にありました.亜種・アジサシは,その集団繁殖地の周囲と隣接する港,河口で観察されました.コアジサシの集団繁殖地は,人が足を踏み入れると放棄される可能性があります.繁殖への影響を考慮し,集団繁殖地が見える場所には立ち入りませんでした.そのため断定することはできませんが,求愛給餌や餌運びなどが観察できなかったなどから繁殖は行われなかったものと推定しました.終認は,7月25日でした.

アジサシ 亜種・アジサシ 成鳥・夏羽.
撮影日時 2011.07.01 撮影場所 新潟県新潟市


アジサシ 亜種・アジサシ 成鳥・夏羽.
撮影日時 2011.07.01 撮影場所 新潟県新潟市


アジサシ 亜種・アジサシ 成鳥・夏羽と第1回夏羽?.左から2番目が第1回夏羽?.
撮影日時 2011.07.01 撮影場所 新潟県新潟市


アジサシ 亜種・アジサシ 成鳥・夏羽.
撮影日時 2011.07.14 撮影場所 新潟県新潟市


アジサシ 亜種・アジサシ 成鳥・夏羽.
撮影日時 2011.07.14 撮影場所 新潟県新潟市


アジサシ 亜種・アジサシ 第1回夏羽?.嘴の黄色いのはコアジサシ.
撮影日時 2011.07.14 撮影場所 新潟県新潟市


アジサシ 亜種・アジサシ 2羽ともに第1回夏羽?.
撮影日時 2011.07.14 撮影場所 新潟県新潟市


アジサシ 亜種・アジサシ 第1回夏羽?.
撮影日時 2011.07.14 撮影場所 新潟県新潟市


アジサシ 亜種・アジサシ 第1回夏羽?.
撮影日時 2011.07.14 撮影場所 新潟県新潟市


アジサシ 亜種・アジサシ 第1回夏羽?.
撮影日時 2011.07.14 撮影場所 新潟県新潟市


アジサシ 亜種・アジサシ 第1回夏羽?.
撮影日時 2011.07.14 撮影場所 新潟県新潟市


アジサシ 亜種・アジサシ 第1回夏羽?.もしかすると第2回冬羽に換羽中かもしれません.
撮影日時 2011.07.17 撮影場所 新潟県新潟市


アジサシ 亜種・アジサシ 成鳥・冬羽に換羽中.
撮影日時 2011.07.25 撮影場所 新潟県新潟市

新潟の野鳥 カラシラサギ

2015-08-09 18:36:17 | サギ科
 カラシラサギ 学名・Egretta eulophotes 英名・Chinese Egret

 過去に観察した「新潟の野鳥」シリーズです.

 カラシラサギは,新潟では迷鳥です.河口や海岸近くの水田などで観察されています.

 中国東南部,朝鮮半島の沿岸部で繁殖する世界的な希少種です.コサギに似ていますが,夏羽では後頭部に房状の冠羽があり,嘴が黄色です.

カラシラサギ 夏羽.
撮影日時 2011.07.15 撮影場所 新潟県新潟市


カラシラサギ 夏羽.
撮影日時 2011.07.15 撮影場所 新潟県新潟市


カラシラサギ 夏羽.
撮影日時 2011.07.15 撮影場所 新潟県新潟市

新潟の野鳥 オオメダイチドリ

2015-08-08 09:07:57 | チドリ科
 オオメダイチドリ 学名・Charadrius leschenaultii 英名・Greater Sand Plover

 過去に観察した「新潟の野鳥」シリーズです.

 オオメダイチドリは,新潟では迷鳥,または数の少ない旅鳥です.よく似たメダイチドリよりも大きく,特に嘴と足が明らかに長いです.海辺の埋立地や砂浜で観察されています.

オオメダイチドリ.砂浜の足跡の窪みで休んでいましたが,人の気配で立ち上がりました.
撮影日時 2014.09.22 撮影場所 新潟県新潟市


オオメダイチドリ.波打ち際で採餌します.
撮影日時 2014.09.22 撮影場所 新潟県新潟市


オオメダイチドリ.波打ち際に座り込み,水浴びです.
撮影日時 2014.09.22 撮影場所 新潟県新潟市


オオメダイチドリ.波打ち際を走ります.
撮影日時 2014.09.22 撮影場所 新潟県新潟市


オオメダイチドリ.休息は砂浜の窪みです.体を水平にしているのは,警戒しているのでしょうか?
撮影日時 2014.09.22 撮影場所 新潟県新潟市

新潟の野鳥 クイナ

2015-08-07 07:23:04 | クイナ科
 クイナ 学名・Rallus aquaticus 英名・Water Rail

 過去に観察した「新潟の野鳥」シリーズです.
 
 クイナは,新潟では冬鳥ですが繁殖の記録もあります.水辺の草むらに隠れて生活しているため,姿を見る機会の少ない野鳥です.2羽で「キッキッキッキッ」と鳴き合うことがあります.また,春の渡去前には,「クィー,クィー」などと大きな声で鳴くのを聞くことができます.

クイナ.
撮影日時 2009.10.05 撮影場所 新潟県新潟市


クイナ.
撮影日時 2009.10.05 撮影場所 新潟県新潟市


 

新潟の野鳥 ツバメチドリ

2015-08-02 06:46:52 | ツバメチドリ科
 ツバメチドリ 学名・Glareola maldivarum 英名・Oriental Pratincole
 
 過去に観察した「新潟の野鳥」シリーズです.

 ツバメチドリは,新潟では数の少ない旅鳥です.農耕地や草地,埋立地などに飛来します.

 2010年4月19日,新潟市北区の福島潟上空で,飛び回る3羽の群を観察しました.飛ぶ姿はツバメに似て敏捷,スピードはそれ以上でした.どこかに下りたようですが,地上では発見できませんでした.

ツバメチドリ 夏羽.
撮影日時 2010.04.19 撮影場所 新潟県新潟市・福島潟


ツバメチドリ 夏羽.
撮影日時 2010.04.19 撮影場所 新潟県新潟市・福島潟


ツバメチドリ 夏羽.
撮影日時 2010.04.19 撮影場所 新潟県新潟市・福島潟