新潟の野鳥・フィールドノート

新潟で観察した野鳥を写真で紹介します.野鳥の日常生活に光を当てられたらいいなーと思っています.

粟島 2015秋-3 ヤツガシラ

2015-10-21 08:26:30 | ヤツガシラ科
 ヤツガシラ 学名・Upupa epops 英名・Hoopoe

 粟島探鳥行の第3は,ヤツガシラです.独特の冠羽を持つことから人気の高い野鳥です.

 2日目,野鳥を捜し求めて歩いていると,フワリフワリと飛んできた鳥が木の中に飛び込み,姿が見えなくなりました.特徴のある飛び方,一瞬見えた翼の白と黒の斑模様は,ヤツガシラに間違いありません.慎重に,飛び込んだ木に近づくとやはりヤツガシラがこちらに背を向けてとまっていました.しかし,木漏れ日の濃淡がヤツガシラの姿を周囲に溶け込ませ,消し去っています.可能な限り左右に移動してみたのですが,よい光の条件は見つかりませんでした.地上に降りるのを待ったのですが,ヤツガシラは飛び立ち,遠くの葉の枯れ落ちた枝にとまった後,飛び去ってしまいました.そして,二度目の再会はかないませんでした.

ヤツガシラ.
撮影日時 2015,10.16 撮影場所 新潟県・粟島


ヤツガシラ.
撮影日時 2015,10.16 撮影場所 新潟県・粟島


ヤツガシラ.
撮影日時 2015,10.16 撮影場所 新潟県・粟島


ヤツガシラ.
撮影日時 2015,10.16 撮影場所 新潟県・粟島

粟島 2015秋-2 ハイタカ

2015-10-20 07:45:13 | タカ科
 ハイタカ 学名・Accipiter nisus 英名・Eurasian Sparrowhawk

 今回の粟島探鳥行で確認できた猛禽類は,トビ,ハイタカ,ハヤブサの3種でした.チゴハヤブサなども期待したのですが,残念な結果に終わりました.

 畑に面した杉林でハシボソガラスが騒いでいました.目を向けると,朝日を受けて輝く凛々しい姿がありました.ハイタカの幼鳥でした.この直前,ハヤブサに追われる猛禽類を見ていたのですが,それがこのハイタカだったのでしょうか? 

ハイタカ 幼鳥.
撮影日時 2015.10.17 撮影場所 新潟県・粟島

粟島 2015秋-1 シラガホオジロ

2015-10-19 05:18:10 | ホオジロ科
 シラガホオジロ 学名・Emberiza leucocephalos 英名・Pine Bunting

 シラガホオジロは,新潟では数の少ない冬鳥ですが,今回の粟島探鳥行では思いがけず,じっくりと観察することができました.

 10月15日,「フェリーあわしま」で粟島港に入港,下船後,宿にも行かずにそのまま探鳥を開始しました.最初に,草地で見つけたホオジロの仲間,それが,なんとシラガホオジロでした.女神の微笑を背後に感じながら証拠写真を撮り終え,一息つきました.3羽のシラガホオジロ,写真はイマイチでしたが,自然と口元が緩むのでした.

 ところが,女神は微笑むどころか満面の笑みを浮かべて僕の傍らに立っていたのです.3羽のシラガホオジロが「ジュジュッ」「チュチュッ」という鳴き声を残して飛び立ち,その後を追った僕の目の前の草地にシラガホオジロの10羽ほどの群れが採餌していたのです.こんな幸運があるでしょうか? 写真を撮りまくり,その夜は女神に感謝しつつ,何度もモニターを確認したのでした.

 翌朝,再度,シラガホオジロの群れを確認,翌々日もシラガホオジロを撮り続けることができました.女神は,やさしく手を差し伸ばし続けてくれたのです.果たして,僕はその微笑に応えることができたでしょうか? その結果は,興奮が冷めた数週間後,いや,数ヵ月後に現実となって現れることでしょう.その時,後悔を覚えずに画像と向き合えることを願っています.

シラガホオジロ 雄・成鳥 冬羽.
撮影日時 2015.10.15 撮影場所 新潟県・粟島


シラガホオジロ 雄・成鳥 冬羽.
撮影日時 2015.10.16 撮影場所 新潟県・粟島


シラガホオジロ 雄・幼鳥または第1回冬羽.尾羽が不ぞろいに見えます.換羽の途中かもしれません.
撮影日時 2015.10.16 撮影場所 新潟県・粟島


シラガホオジロ 雄・幼鳥または第1回冬羽.
撮影日時 2015.10.16 撮影場所 新潟県・粟島


シラガホオジロ 雄・幼鳥または第1回冬羽.
撮影日時 2015.10.16 撮影場所 新潟県・粟島


シラガホオジロ 雄・幼鳥または第1回冬羽.
撮影日時 2015.10.16 撮影場所 新潟県・粟島


シラガホオジロ 雌.
撮影日時 2015.10.16 撮影場所 新潟県・粟島


シラガホオジロ 雄・成鳥 冬羽.
撮影日時 2015.10.16 撮影場所 新潟県・粟島


 シラガホオジロとは,今回が2回目の出逢いでした.「雄・成鳥 冬羽」とかの説明を付けましたが,詳細な検討を加えた結果ではありません.後日,訂正する可能性が多々ありますのでお含みおきください.もし,色々とご教示いただけることがありましたら,コメントいただけると嬉しいです.

粟島探鳥行 2015秋(予報編) シラガホオジロ

2015-10-18 05:45:24 | 新潟の探鳥地
 10月15日から17日,秋の粟島を訪問しました.秋の粟島は,数十年ぶりで,予備調査的色合いもありました.直前の記事で,「女神の微笑を確信している」と書きましたが,果たして女神は微笑んでくれたのでしょうか?

 15日,一番最初に出会い,シャッターを切ったのがシラガホオジロでした.それも,成鳥,幼鳥を取り混ぜ10羽ほどの群れでした.シラガホオジロとは,3日間,膝を交えて付き合うことができました.

シラガホオジロ.
撮影日時 2015.10.15 撮影場所 新潟県・粟島


 16日には,ヤツガシラと出会うこともできました.

 今回の粟島は,珍鳥系はシラガホオジロ,ヤツガシラのみでしたが,ミヤマホオジロ,カシラダカ,アトリ,ヒバリ,メジロの多さに驚かされました.反面,ツグミ類はほとんど見ることができませんでした.粟島航路は,ウミネコが数羽という状況のため,帰りは,高速船を利用しました.

 まだ,写真の整理がつきませんので,今回は,「粟島探鳥行 2015秋」の予報編です.次回からは,観察できた野鳥を種ごとに投稿します.ご期待ください.

  

ノスリ 悠々と

2015-10-15 04:35:33 | タカ科
 ノスリ 学名・Buteo buteo 英名・Common Buzzard

 秋空に,ノスリが悠々と旋回する.
  オオタカのような精悍さはない.
   ハヤブサのような敏捷さもない. 
    「なーんだ.ノスリか」と蔑まれても.
     ノスリは,悠々と旋回する.悠々と.

ノスリ 成鳥.
撮影日時 2015.10.15 撮影場所 新潟県新潟市


ノスリ 成鳥.
撮影日時 2015.10.15 撮影場所 新潟県新潟市


ノスリ 成鳥.
撮影日時 2015.10.15 撮影場所 新潟県新潟市


ノスリ 成鳥.
撮影日時 2015.10.15 撮影場所 新潟県新潟市


 今日から,秋の粟島に渡ります.2泊3日の予定です.どのような出逢いがあるか,ワクワクしています.今のところ,女神の微笑を確信しています.

冬鳥がやってきました ジョウビタキなど 

2015-10-14 16:52:21 | 冬鳥
 今朝(10月14日),海岸の松林で冬鳥の渡来を確認しました.ジョウビタキ,ツグミ,シメです.これからどんどん寒さが増していきます.外に出るのも嫌になるのですが,その気持ちを振り払い,林へと誘ってくれる小鳥たちです.

ジョウビタキ 雌.
撮影日時 2015.10.14 撮影場所 新潟県新潟市


ツグミ.
撮影日時 2015.10.14 撮影場所 新潟県新潟市


シメ.喉の黒斑が不鮮明で,幼鳥のようです.
撮影日時 2015.10.14 撮影場所 新潟県新潟市


 一方で,南に帰るサメビタキにも逢うことができました.今年はなかなか逢うことができず,どうしたのかと心配していたのですが,いつもの場所で待っていてくれました.数分足らずの再会後,サヨナラも言わずに旅立っていきました.

サメビタキ.
撮影日時 2015.10.14 撮影場所 新潟県新潟市


サメビタキ.
撮影日時 2015.10.14 撮影場所 新潟県新潟市

オグロシギ 雄・幼鳥 

2015-10-14 05:44:23 | シギ科
 オグロシギ 学名・Limosa limosa 英名・Black-tailed Godwit

 シギの仲間には,雌雄で大きさの違う種がいくつかあります.特に顕著なのがエリマキシギで,雄が雌よりも大きく,その差は違う種かと思うくらいです.その反対に,雌の方が雄よりも大きい種にオグロシギ,オオソリハシシギがいます.しかし,その差はエリマキシギよりもずっと小さいようです.

 この日(9月12日),1羽の大形のシギが舞い降りました.オグロシギでした.先に飛来していたオグロシギとあわせ2羽となり,大きさ等を比較することができました.2羽のオグロシギが並ぶと明らかにこの日到着した方の体が小さく,雄と判断しました.

 雄は,雌よりも全体的に体が小さく,嘴,頭長,胴長が短く見え,コンパクトな印象を受けました.特に,目先から嘴の付け根までの長さが雌より短く,顔が引き締まって見えました.色彩は,当初,雄が雌よりも背の褐色味が強いと感じたのですが,観察を続けるにつれて色での識別は困難と思うようになりました.行動を見ていると,雄が雌を攻撃する場面が数回観察されました.また,雄がオオソリハシシギに向かって突進するのも見ることができました.

 今回観察できたのは,2個体だけでした.その比較で,雌雄の識別を述べることは適切ではないでしょう.僕が受けた「感じ」と受け取ってください.僕自身,1羽だけのオグロシギ幼鳥を見て雌雄を識別する自信はありません.複数個体の大きさや特徴を比較,検討するしかないと思います.

オグロシギ 雄・幼鳥.
撮影日時 2015.09.12 撮影場所 新潟県新潟市


オグロシギ 雄・幼鳥.
撮影日時 2015.09.12 撮影場所 新潟県新潟市


オグロシギ 雄・幼鳥.
撮影日時 2015.09.12 撮影場所 新潟県新潟市


オグロシギ 手前が雄・幼鳥.後ろが雌・幼鳥.雄の方が明らかに小さく,嘴,胴体が短く見えます.
撮影日時 2015.09.12 撮影場所 新潟県新潟市


オグロシギ 雌・幼鳥を攻撃する雄・幼鳥.飛び上がって避ける雌・幼鳥.
撮影日時 2015.09.12 撮影場所 新潟県新潟市


オグロシギ 雄・幼鳥.雌よりも嘴,頭長,胴体が短く見え,コンパクトな感じがします.
撮影日時 2015.09.12 撮影場所 新潟県新潟市


オグロシギ 雌・幼鳥.
撮影日時 2015.09.12 撮影場所 新潟県新潟市


 

チョウゲンボウ 飛翔

2015-10-13 05:53:49 | ハヤブサ科
 チョウゲンボウ 学名・Falco tinnunculus 英名・Common Kestrel

 チョウゲンボウは,新潟では留鳥です.工場や学校,橋梁などの隙間で繁殖しています.河川敷の草地や農耕地で採餌します.住宅地で見ることもあります.

 稲刈りが終わった水田,青空を背にチョウゲンボウが飛んできました.ハシブトガラスに追われていたのですが,僕の目の前で何とか逃げ切りました.翼と尾を広げ,旋回しながら上昇してゆきます.そして,翼を羽ばたかせながら一点でとどまりました.チョウゲンボウは,よくこのような飛び方で餌を探します.停飛,ホバリングとよばれています.チョウゲンボウのほかにホバリングする鳥に,ミサゴ,ノスリ,カワセミなどがいます.

チョウゲンボウ 幼鳥.
撮影日時 2015.10.10 撮影場所 新潟県新潟市


チョウゲンボウ 幼鳥.
撮影日時 2015.10.10 撮影場所 新潟県新潟市


チョウゲンボウ 幼鳥.ホバリング.
撮影日時 2015.10.10 撮影場所 新潟県新潟市

オジロトウネン 「伸び」5態

2015-10-12 05:01:12 | シギ科
 オジロトウネン 学名・Calidris temminckii 英名・Temminck's Stint

 オジロトウネン・幼鳥の「伸び」.横から,前から,後から,5ポーズです.

 オジロトウネンは,気持ちよさそうに「伸び」をしています.撮っている僕は,「アー.疲れたー」

オジロトウネン 幼鳥.
撮影日時2015.09.28 撮影場所 新潟県新潟市


オジロトウネン 幼鳥.
撮影日時2015.09.28 撮影場所 新潟県新潟市


オジロトウネン 幼鳥.
撮影日時2015.09.28 撮影場所 新潟県新潟市


オジロトウネン 幼鳥.
撮影日時2015.09.28 撮影場所 新潟県新潟市


オジロトウネン 幼鳥.
撮影日時2015.09.28 撮影場所 新潟県新潟市

オジロトウネン 尾は白い?

2015-10-11 06:00:47 | シギ科
 オジロトウネン 学名・Calidris temminckii 英名・Temminck's Stint

 オジロトウネン,漢字で表記すると尾白当年.尾が白いことからつけられた名前です.では,本当に尾が白いのか見てみましょう.

オジロトウネン 幼鳥.
撮影日時2015.09.28 撮影場所 新潟県新潟市


 オジロトウネンの尾は,外側の尾羽2対がほとんど白ですが,中央の尾羽は黒に近い灰色,その外側は灰色です.尾羽のすべてが白ではないのです.尾羽を全開しないと外側の尾羽は見えにくいでしょう.野外では,ほとんど観察する機会がないと思われます.そこで,外側の尾羽が見える画像を集めてみました.(注・画像はすべて幼鳥です)

オジロトウネン 幼鳥.
撮影日時2015.09.27 撮影場所 新潟県新潟市


オジロトウネン 幼鳥.
撮影日時2015.09.27 撮影場所 新潟県新潟市


オジロトウネン 幼鳥.
撮影日時2015.09.27 撮影場所 新潟県新潟市


 尾は見えますが,全開しないと外側の白い尾羽が見えません.

オジロトウネン 幼鳥.
撮影日時2015.09.28 撮影場所 新潟県新潟市


 尾を上げましたが,下からは尾羽がよく見えません.

オジロトウネン 幼鳥.
撮影日時2015.09.27 撮影場所 新潟県新潟市


 結論です.オジロトウネンの尾羽は,野外ではほとんど識別の役に立ちそうもありません.見えにくい上に,光の当たり具合で見誤ることがありそうです.