長年行方不明だった猫神様が納戸の奥の闇から御帰還された。
さっそく他の猫様方と御対面。

(左 木彫猫像 東南アジア 18〜19世紀頃)
向って左がこの度お帰りになった猫神様で、中央が李朝染付の虎猫様、右は以前紹介した江戸時代の猫神様。
10年以上も見当たらなかったのが、納戸の大掃除でやっと見つかったのだ。
きっと納戸の奥が異世界につながっていて、そちらの世界を旅して来たのだろう。
今度行く時には私も連れて行ってもらおう。
荒庭の昔の縄張を巡視………。

露草が殊の外お好きなようで何よりだ。
朝露に濡れるのも厭わず、精力的に領内を視察している。
久しぶりなので今日一日は私もお供して好きな所を巡ろう。
涼しくなって連れ立っての散歩が楽しい。
露草伝いに以前お気に入りだった庭木の窪みに御鎮座なさった。

流石に最古参の貫禄で、樹と同化しつつ辺りを睥睨する姿も様になる。
今後は行方不明にならぬよう、仕舞い込まずに常に見える所に飾りたい。
おまけでもう一つ古い猫像。

幕末から明治頃の作で、織部水滴の眠り猫だ。
現代のコミックアートのような顔つきで、首に鈴を付けていて可愛らしい。
緑の織部釉の部分が焦茶色の鉄釉になっている物もあり、そちらの方が猫らしいのだが当然人気があって高価だ。
10月になったらまた猫じゃらしを沢山とって来て、お猫様祭りでもしよう。
©️甲士三郎