人影の途絶える年末の北鎌倉は、中世鎌倉の幽玄さを味わうのに良い。
お薦めのルートは北鎌倉駅〜東慶寺〜浄智寺〜巨袋坂切通〜海蔵寺〜寿福寺〜鎌倉駅のコースで、落葉積む山中の苔むした石造物ややぐらに無骨な中世の幻影を見る事が出来る。
ただし正月になるとこの道も観光客で溢れるので避けたい。
今回はまず東慶寺近辺の遺跡を紹介しよう。
北鎌倉山中の東慶寺は陽当たりの悪い北斜面にあるので、紅葉も落葉も遅く12月の後半が見頃だ。
駈込寺として有名なので常時混み合っているが、年末はさすがに観光客は少ない。
また我が探神院の直ぐ前山が大塔宮護良親王の首塚で、その宮の供養の為に後醍醐天皇の皇女が東慶寺庵主となったので、我家とも多少の縁がある気がして毎年今頃に詣でている。
私はたいてい本堂と宝物館は素通りで、奥山の小径をゆっくり楽しむ。
ここまで来ると大観光地として俗に塗れた八幡宮や鎌倉大仏とは全く違う、宗教の霊地としての清浄さが漂っている。
駈込寺として有名なので常時混み合っているが、年末はさすがに観光客は少ない。
また我が探神院の直ぐ前山が大塔宮護良親王の首塚で、その宮の供養の為に後醍醐天皇の皇女が東慶寺庵主となったので、我家とも多少の縁がある気がして毎年今頃に詣でている。
私はたいてい本堂と宝物館は素通りで、奥山の小径をゆっくり楽しむ。
ここまで来ると大観光地として俗に塗れた八幡宮や鎌倉大仏とは全く違う、宗教の霊地としての清浄さが漂っている。
木立が深くなる所から奥津城となっていて、名を知る鎌倉文士達の墓も多い。
山中の落葉に埋もれた石段をしばらく登ると、大銀杏の立つ開けた高台に辿り着く。
そこは歴代庵主であった姫皇女(ひめみこ)達の供養塔が並ぶ聖域で、取分けこの時期は銀杏落葉の散り敷く静寂の別天地となっている。
山中の落葉に埋もれた石段をしばらく登ると、大銀杏の立つ開けた高台に辿り着く。
そこは歴代庵主であった姫皇女(ひめみこ)達の供養塔が並ぶ聖域で、取分けこの時期は銀杏落葉の散り敷く静寂の別天地となっている。
誰も来ないこの聖域でぼーっと夢幻に浸っていると、銀杏落葉が仄かに明るんで黄金の寂光を放ち、周囲の石造物や岩倉の武骨さと相まって中世鎌倉へ移転した雰囲気になる。
隠者はしばし此処に座して持参の茶を飲み古い宗教曲でも聴きながら、師走の俗世の慌ただしさとは隔絶した別世界の冬を堪能するのだ。
ここのように周囲の風景や環境が良いと、誰でも精神世界に自然に入って行き易いだろう。
我が楽園の中には所々こんな遺跡が散らばっていて、好きな時に現世と過去世を往還できるのが嬉しい。
©️甲士三郎
隠者はしばし此処に座して持参の茶を飲み古い宗教曲でも聴きながら、師走の俗世の慌ただしさとは隔絶した別世界の冬を堪能するのだ。
ここのように周囲の風景や環境が良いと、誰でも精神世界に自然に入って行き易いだろう。
我が楽園の中には所々こんな遺跡が散らばっていて、好きな時に現世と過去世を往還できるのが嬉しい。
©️甲士三郎