遥かなるピリカヌプリを求めて

ピリカヌプリに行ったので、次は1839!

百松沢山(常次沢コース)

2013年12月06日 | 登山:札幌近郊

平成25年11月23日(土) 百松沢山南峰(常次沢コース)

今年、何度百松沢山に行っただろうか。初回は、雪山シーズンにシルバーザッテル経由で百松を目指すも、スノモ-事件であえなく敗退、夏山シーズンに入って2回目は札幌湖からてんの沢を遡って南峰に、3回目は平和霊園から宮城の沢を使って本峰へ、そして今回4回目は福井堰堤から常次沢にて南峰を目指した。

今回も宮城の沢と同様にヘルメット、ハーネスなしの長靴スタイルであったが、結果的にはこの装備では厳しい山行となった。


(常次沢林道を歩く、歩く)


(ここから沢に入っていく)

常次沢林道ゲート前の道路脇に車を駐車し、自分を含めた6名で出発する。ダンプカーが行き交う採石場のど真ん中を通り抜け約1時間ほど歩くと常次沢への入渓地点に到着する。林道は整備され気分としてはここまで車で入りたくなるが、ゲートが施錠され締め出される危険性がある。


(長靴で進んでいく)

林道を外れ常次沢に入り、広めの沢の淵を巻きながら進んでいくとCo800付近の10mほどの滝が現れ行く手を阻まれてしまう。沢装備を持たないため撤退も大いに考えられる場面ではあったが、ザイルを持ってきていたのでもう少し頑張ってみようと滝を左に高巻いた。しかし、滝を直登するよりも高巻きの方がよっぽど危険が多いということを具現するような高巻きにだった。


(沢装備なら直登もあったかもしれないが、左側を高巻いた)

源頭部まで進むとそこから先は完全に雪山登山となった。すでに水が入り込んだ長靴にさらに雪までも入ってぐしゃぐしゃ状態であるが、気温がそれほど低くないので足は冷たくない。また、雪で藪が倒れていて夏山の藪漕ぎよりははるかに歩きやすく、案外すんなりと南峰にたどりついた。


(滝を過ぎると急に雪山の世界になる)


(百松沢山南峰到着、誰かの足跡)

仙人の木像が置かれている南峰ピークに到着すると、O高さんが「誰か来ている!」と言う。まさか?と思って見てみると確かに足跡が、よくよく見るとそれはクマの足跡だった。雪の被り具合から推測するに半日程度前のものと思われた。冬眠が遅れているのか冬眠しないクマなのか、冬でも油断ができない。

それほどの積雪量ではないものの雪を踏みしめての下りは楽しいものだ。そしていよいよ核心の高巻き地点に近づく。登ってきたルートを下降するつもりも、その道筋を見失い急斜面をどのように降りたらよいか探りながらの下降となった。その最中に最初のヒヤリハット発生、上から転がってきた30cm大の岩石が自分の目の前を通過。下には下降ルートを探っていたM子さんがいて、声を掛ける間もなく屈んだM子さんの背中の上を石がすれすれに通り抜けていった。思わず神様に感謝した。


(林道に出るまでずいぶんと長く感じた)

高巻きをなんとかクリアした次には5mほどのゴルジュがある。木に括り付けられていた頼りない支点に掛けたザイルに掴まりながら降りていたときに2つめのヒヤリハット発生、ほとんど降りきったあたりで気を緩めたのかO高さんがバランスを崩し背中から転倒した。体は2回転ぐらいしうまい具合に着地。急斜面ではなかったが、転がる方向次第ではたいへんなことになっていたかもしれない。


(採掘場を通過するときには薄暗くなっていた)

こんなことがあったので、その後は気を引き締めて下山、林道にでて砕石場を通り抜ける頃には15時過ぎにもかかわらず薄暗くなっていた。それにしても、無事に帰ってこれて本当によかったと思った。