昔の日本人は春の桜よりも、寒気に耐えて健気に咲く梅のほうを好んで、
歌や句にも多く詠んでいたようです。
万葉集には119首もの梅にちなんだ歌があるそうです。
正月(むつき)立ち春の来らば かくしこそ梅を招きつつ 楽しみ終(を)へめ
作者:大弐紀卿(だいにきのまえつきみ)
意味:
(正月になって春がやってきたらこうやって梅を見ながら楽しみましょうよ)
昔の人は少しでも早く春の気配を感じ取りたいと、かすかに漂う梅の香りを
手がかりに、どこに咲いているか分からない梅を求めて、山野等を歩く事を
「探梅(たんばい)」といいました。
冬景色の中に隠れている春を探す気持ちを風流として尊び、春を待望する
気持ちが伝わってくるような言葉ですネ。
拙庭の梅の蕾はまだまだ固いままですが・・
正月の冬晴れの明るい陽射しに誘われて、近づく春の気配を探しに出かけ
た近所の公園の陽だまりでは、紅梅の花がほころび始めて周囲に馥郁とし
た良い香りを漂わせていた。
近所の公園の陽だまりでほころび始めた紅梅の花。
散歩道の雲南黄梅も咲き出した。
気の早いユキヤナギの花がちらほらと咲き出した。
花咲く春に向けて膨らみ始めたコブシの蕾。