4月29日
最近、お坊さんのブームか?
テレビで仏教関連の話題が取り上げられ
面白可笑しく伝えられてきたなあ~!
ある記事があった・・・・・・
坊主バーに仏像ガール、仏教女子に座禅女子、おまけに御朱印ガールなど
という言葉まで生まれるほど、ここ数年は仏教関連の話題が紙誌をにぎわせている。
そんな中で「
みんなのお寺」なるものが登場した。
なぜいま寺なのか、
「やはり多くの人が世の中に行き詰まりを感じているのでしょう。
混沌とした時代で、将来に不安を持っている人が多い。
そういう方のひとつの拠り所になればと思って開設しました」と話すのは、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/7a/f5433705aa085cfcd8e43a02599e371f.png)
奈良市にある古刹・十輪院の橋本純信住職。みんなのお寺の仕掛け人だ。
十輪院は奈良時代に創建された真言宗醍醐派の寺で、
鎌倉時代建立の本堂は国宝に指定される。
その名刹を受け継いだ橋本住職は、地域の人々と寺院のつながりが希薄になりつつあるという危機感から、広く一般の人々に門戸を開こうと、
2006年に近鉄奈良駅近くの商店街に宗派を問わない相談所を開設する。
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悩みを吐露する駆け込み寺
開設後、しばらくは訪れる人もまばらで、・・・・・
「
みなさん、最初はとても深刻そうな面持ちでいらっしゃるのですが、
悩みを打ち明けるうちに徐々に表情がほぐれて、最後には笑顔で帰られる。
そういう方を見ていると、これこそが私たち坊さんの役割だと感じるのです。
今、そういう方を大事にしておかないとますます寺離れが進んで、
坊さんがまったく信用されなくなってしまう」
奈良市内の相談所は次第に知られるようになり、
数年後には毎月100人ほどが訪れるように なった。
さらに2013年6月、十輪院などの奈良の寺院が東京都内で仏教に関する講演会を
開いたところ、予想以上の盛況を博した。
橋本住職は都心でも仏教のニーズがあることを感じ、
東京に相談所を開設することを決めた。
それが神保町のみんなのお寺である
東京・神保町にオープンしたみんなのお寺は、、延べ332名が訪れた。そのうち男性が193名、女性が139名。
意外だったのは訪れるのが年配の方ではなく、働き盛りの30~50代がほとんどだったこと。出版社勤務、塾の経営者、医者など、業種はさまざまだという。
最も多いものはやはり人間関係。
住職はここに
「都会ならではの現代病」が垣間見えるという。
「地方から東京に来られている方は、親や兄弟のように心を打ち明けられる人が身近にいな い。昔だったら上司がその役割を担っていたのだろうけど、
今は会社を離れたらほとんど他 人です。
同僚もライバルのようで、足を引っ張る人も多い。
心に抱えた悩みを吐き出して平穏な心の状態を取り戻すことが、
都会で働く人々には必要な気がします」
人間関係のストレスを解消するのは、ほかならぬ人なのだと実感する。
事実、一番人気のイベントは無料の「僧侶との語らい」
写経&瞑想でモヤモヤが晴れる
そのほか、誰もが自由に参加できる朝夕の勤行、
写経や瞑想に訪れる人も増えつつある。
来ないなら行くしかない
都会に暮らす人々の拠り所となるべく誕生した、みんなのお寺。
一方で、寺離れが進む現状を打破しなければならないという危機感も強い。
住職はみんなのお寺を通して「寺院と人との新しいコミュニケーションの形」を見据えている。
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「昔のお寺はいろんな役割を持っていました。
寺子屋があって舞台があって、さらには野菜を育て、薬草を煎じて処方していた。
それがだんだん分業化されて、いつしか葬式や法事を行うだけの場所になり、
今ではそれらも葬儀屋で行われることが多くなりました。
すると、みなさんにお寺に来てもらう用事がないのです。
このままでは寺院自体が廃れてしまう。
お寺をもっと気軽に利用して欲しいという思い、
私たち僧侶の存在意義、そして将来的な見通しから、
何かアクションを起こさなければ、と思っていました」
この数十年で、寺院をとりまく環境は明らかに変わりつつある。
これまで寺院の経営を支えてきたのは、
江戸時代に政治上の理由から制定された檀家制度である。
寺院は各家の葬祭供養を執り行い、そのお礼として手にするお布施を収入源としていた。
そこには
家と寺という明確なつながりがあった。
>「家と寺」から「人と住職」へ
しかしながら、400年近く続いたこの檀家制度が現在では崩壊しつつある。
それを如実に示すのが、関西の多くの寺院が行っている
「月廻り」という慣習だ。
これは檀家の最も新しい先祖、つまり一番直近に亡くなった人の命日に、
僧侶が毎月檀家を訪れるというもの。ひと月の間に檀家の数だけこの月廻りを行うことに
なるのだが、20年前と比べて現在は約半数に減少しているという。
また、かつては複数人の僧侶で執り行っていた葬儀も、現在は1人が主流。
葬儀自体の数も減り、内容も簡素化されている。
「明治から昭和になると、法律上は家制度が廃止されて信教の自由も認められました。
それでもしばらくは明治時代の家制度が残っていたのですが、
2世代60年が過ぎるとさすがに時代が変わる。
家の感覚は希薄になり、個人の信教を重んじるようになりました。
すると檀家制度は当然崩壊する
旧来の家と寺というつながりから、
今度は個と個、つまり人と住職の関係が重視されるようになっている。
もちろん檀家さんはこれからも大切な存在ですが、
今後は一人ひとりが自分に合う住職を選ぶ時代になっていくでしょう」
“自分を灯にして、自分を頼りにして、他に依存しないで生きなさい。
真理を灯にして、真理を頼りにして、他に依存しないで生きなさい”
およそ2500年前に、釈迦が弟子のアーナンダに説いた
「自灯明・法灯明」の教え。解釈は諸説あるが、
唯一神ではなく個を尊重している点で仏教は他の宗教と一線を画す。
みんなのお寺で生まれる人と住職という新しいコミュニケーションの形は、
自分自身に向き合うことの大切さを説く仏教本来の姿と重なるものがある。
昨今の仏教ブームは、自分らしく過ごしたいと願う現代人の意識の現れなのかもしれない。
みんなのお寺 十輪院仏教相談センター
http://www.jurin-in.com/minna.html
奈良・十輪院の橋本純信住職。
1948年奈良生まれ。高野山大学、同大学院を卒業後、
京都・醍醐寺での1年間の修行を経て十輪院へ。
現在は奈良と東京を行き来する多忙な日々を送る。
趣味はクルージングというアクティブな住職
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