中さん

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日記(2.11)

2025-02-11 15:48:00 | 日常
2025   2月11日  (火曜日)    ②


 ▼大阪城の大手門を支える控え柱には腐食した根元を継ぎ足した補修の跡が残る。
  東西両面は下の柱が凸型になっている「蟻(あり)継ぎ」、
  南北は山型の「殺(そ)ぎ継ぎ」。

  どの方向からもはめ込むことができそうにない不思議な形をしている
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ▼長く大阪城の謎とされてきたが、1983年のX線撮影で構造が明らかになった。
  現代人には思いも寄らぬ形で組み合わされており、
  「大阪城大手門控柱継手」と命名された

 ▼こちらは日本伝統の「貫(ぬき)工法」が使われている。
  大阪湾に浮かぶ人工島・夢洲(ゆめしま)に完成した大屋根「リング」である。
  1周約2キロ、高さ12~22メートルにもなる世界最大級の木造建築物は
  大阪・関西万博のシンボルに位置づけられる
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 ▼貫工法とは京都の清水寺や広島・厳島神社の大鳥居にも使われている技法で、
  柱に開けた穴に木材を水平に貫通させ、くさびで固定するというもの。
  木材同士が衝撃を分散させ耐震性に優れる

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 ▼先月、現地を訪れた。内部から見ると格子状に組まれた構造が美しく、
  大屋根からの眺めは壮観である。
  万博会場デザインプロデューサーで建築家の藤本壮介さんは
  「最先端の木造と伝統の木造を融合させ、世界に発信したい」と語る

 ▼だが「万博の華」とされる海外パビリオンは建設が遅れ、
  国民的な盛り上がりを欠くことも心配だ。
  事務局は情報発信を強化するというが、
  果たして巻き返せるのか。開幕まであと2カ月である。
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メモ 控柱継手の事


この継手は横よりも縦方向に適した継手で、,
 上から荷重をかけると山形をスライドする様に納まっていきます。,
 定位置にくると、前後左右上下の力がどの方向かかっても動きにくい加工形状をしてますので、,
 それ故、柱継ぎ専用継手と思えるくらい柱の継手に適しています。,
 ここでもまた先人の知恵に圧倒されます。,
 今でも実際に大阪城の大手門にあります

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ニュース
2025年日本国際博覧会協会は8月21日、
 大阪・関西万博会場のシンボルで、

 世界最大級の木造建築物となる「大屋根リング」(施工:竹中工務店・大林組・清水建設各JV)が
 つながったことを明らかにした。

  当初の予定よりも1カ月ほど早いペースだという。
  今後、4月の万博開幕に向け、エレベーターやエスカレーターの設置、
  屋上緑化などの工事を行う。


大屋根リング全景(提供:大林組、撮影:6月19日)
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同日開いた会見で、大阪府の吉村洋文知事は
「予定よりも早くつながったのは、建設技術の高さや効率の良い工事を実施したことによるもの。
 万博の準備を進める上で大きな一歩となった」とコメントした。
 このリングが愛される存在となるために愛称を募集してはどうかと、
 博覧会協会に提案したことを明らかにした。

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 また、9月以降には万博後の土地活用、まちづくりについての提案募集を開始し、
 年内にもまちづくりの方針をおおむね固める予定。
 話し合いの中でリングの一部をレガシーとして保存するどうかも検討するとした。
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「木造建築の圧倒的存在」吉村知事
「大屋根リング」は、万博デザインプロデューサーで建築家の藤本壮介さんが考案し、2023年6月30日に組立てを開始。

「多様でありながら、ひとつ」との理念が込められている。
  木架構ユニットを円形につないだ構造で、
  幅約30m、高さ約20m、内径約615m、周長約2㎞、建築面積約6万㎡。

木材は国産のスギやヒノキ、外国産のオウシュウアカマツを使用。
日本の伝統構法である貫接合などを用いて組み立てている。
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リングの屋根の下は会期中、会場内の主動線として活用。
 雨風や夏の日差しをしのぐ場所としても利用ができる。
 屋根の上はスカイウォークが設けられ、
 瀬戸内海や会場全体の景色も楽しめるようになっている。

 リングの内側には世界各国のパビリオンが建設される。

◆あまり盛り上がらない万博だが、これからチケットが売れるのかな?
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日記(2.11)

2025-02-11 10:21:18 | 日常
2025    2月11日  (火曜日) 建国記念の日   晴 冷え込む 
又、強風注意報が出て外仕事は出来ないなあ~!
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中國新聞デジタル  コラム天風録
 獺祭「だっさい」書屋主人の誤算

 明治期の人、しかも下戸とあっては予想を外したのも無理はない。
 日本酒は西洋人に好まれぬ、よって何百万円分も輸出される時代などまず来ない―。
 随筆でそう評したのが俳人正岡子規である。

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▲根拠は西洋人が苦手にしているとの伝聞。もう一つは自らの舌だ。
 なめる程度だが、ビールなどの洋酒は何とか味わえる。
 なのに日本酒は「変テコな味」だと。
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 学生時代に1合で酔いつぶれ、翌日の試験で100点中の14点に終わった逸話がある。
 苦い記憶が味覚に影響したのか。
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▲その子規の別号「獺祭(だっさい)書屋(しょおく)主人にちなんで名付けられた日本酒の銘柄が「獺祭」だ。
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 岩国市の蔵元、旭酒造が6月に社名を獺祭に変えると発表して話題になった
 海外に「DASSAI」の名を売り込む狙いという。

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今や日本酒の年間輸出額は430億円超
 日本古来の酒造りが世界に「遺産」と認められたと知れば、俳人は腰を抜かすだろう。
 西条などの酒どころも海の向こうに販路を広げつつある。

気がかりは飲まぬ主義の米大統領だ。
 「SAKE」の関税うんぬんとやぼなことを言わねばいいが。
 〈月と酒・敵も味方も・なかりけり〉子規。
 奥深い味わいが、世界の隅々まで広まり ますように
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◆メモ
獺祭の二割と三割とは何が違うの?
  獺祭には、精米歩合の異なる45・三割九分・二割三分といった種類があるのが特徴。
  精米歩合とは精米して残った米の割合を表したもので、
  たとえば二割三分は米を23%まで磨いたものです。
  
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日記(2.10)

2025-02-10 13:13:18 | 日常
2025   2月10日  (月曜日)      晴

ようやく寒波は収まりそうだが、まだまだ寒い朝だ!

◆まだ風がでそうな等圧線だ。
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毎日新聞  余録
石破茂首相に政界への道を開いた師…
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日米首脳会談後の共同記者会見で、ドナルド・トランプ米大統領(右)から贈られたフォトブックを手に笑みを浮かべる石破茂首相=米ホワイトハウスで2025年2月7日、AP

これが「日米関係の今の状況の様に感じる」

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 石破茂首相に政界への道を開いた師、田中角栄元首相(故人)は
外交でも独自色を発揮した。
 1972年、米国に先んじて中国との国交正常化に踏み切った。
 翌73年にエネルギー調達のための資源外交を活発化。
 第4次中東戦争の際は原油禁輸を回避するため、アラブ寄りに政策を転換した。
 こうした路線は対米関係で緊張をもたらしたとの指摘もある。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
▲フタを開ければ融和ムードで滑り出した、首相とトランプ米大統領の首脳外交である。
 首相はトランプ氏と親密だった故・安倍晋三元首相と政敵だった。
 このため会談を危ぶむ見方もあった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~

▲首相は記者会見でトランプ氏を「お世辞抜きに、誠実で力強い方」だと持ち上げた。
 独自色より、まずは無難な乗り切りを優先したのだろう・

▲出方の読めぬトランプ氏だけに、政府からは安堵(あんど)の声も聞かれる。
 とはいえ、
 🔵関税を振りかざした外交、
 🔵ガザ地区の米国「所有」案、
 🔵国際的枠組みからの離脱など、
   国際協調や国際法からの逸脱を連発する再選後のトランプ政治だ。
  首相からこうした点に踏み込んで発言した形跡は今のところみられない
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▲政権安定のためには、対米関係は緊要だ。
 ただしトランプ流に深入りするほど、国際規範から外れるリスクは高まる。
 日本外交が置かれるジレンマだ。
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▲米大リーグ、大谷翔平選手の兜(かぶと)パフォーマンスにあやかったのか、
 首相からの土産物は金色の兜だった。
 共同声明が掲げた「日米関係の黄金時代」、輝くためには
 世界や日本の利益に沿うかの内実が問われる。

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新潟日報    日報抄   コラム 記事
 毎年この時期になると特定の食べものに使う金額が日本一のまちはどこかという話題になる。
 国が調査結果を公表するからだ。
 新潟市はラーメンへの支出がトップ級として知られるが、
 同じく国民食と言っていいギョーザとなると全国的にはかなり下位らしい
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▼データの出典は、
 総務省が全国の都道府県庁所在市と政令市の世帯を対象に実施した家計調査だ。
 2021~23年の平均値を見ると、
新潟市のギョーザの購入額は40位にとどまる
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▼この料理が大好物という人は多い。
 作家や文章の達人の中にもファンは大勢いるようで、
 多くの書き手がその魅力をつづっている。
 数学者の藤原正彦さんもその1人。
 なにしろ「ああ餃子(ぎょうざ)」という小文ではこう書き出した。
 「餃子こそ古今東西の料理中、最高と思う」
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▼独身時代は某社の冷凍ギョーザをほぼ毎日食べていたという。
 妻との初デートで食べたのもギョーザだったというから筋金入りだ。
 見た目にも心を奪われている。
 「形がよい。こんがり焼けた色もよい。無性に箸(はし)でつかみたくなる愛らしさだ」
▼新潟の人はもっとギョーザ好きになる余地があるはず。
 そう踏んだ飲食関係者が、
 3月に新潟市で全国のギョーザが一堂に会するイベントを開くという
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▼もちろん県内にも、名店や人気店がある。
 店名を冠した冷凍ギョーザなども売り場で見かけるようになった。
 カリッとした皮の中から肉と野菜のうまみがあふれ出る。
 今の季節は水ギョーザもうれしい。店でも家でも。やっぱり国民食だ。
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◆毎年この調査結果が発表されるが・・・・
 こんな疑問を書いてる方も
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ギョーザ購入額 浜松市が2年ぶりに日本一の座を奪還
これは、総務省が5日発表した都道府県庁の所在地と政令指定都市で行った
 家計調査の結果で明らかになりました。
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🔵家計調査は,一定の統計上の抽出方法に基づき選定された
 全国約9千世帯の方々を対象として,
 家計の収入・支出,貯蓄・負債などを毎月調査しています

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さて、こんな意見も・・
 こんな自己申告とか意識してる浜松市民の言ったもん勝ちじゃないですか?
 なんて!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆でも「当たらずとも当うからじ」と言うのもあるから
  全く外れはないであろう。でたらめな数字を入れない限り
  統計学は結構真実を語るものだ。
  実際データを沢山扱ってきたので・・

調査票


食料が3割 2025年はもっと高いであろう。
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日記(2.9)

2025-02-09 20:19:14 | 日常
2025   2月9日  (日曜日)      ②

強風注意報がでた。
今日は熊谷での埼玉パナソニック・ワイルドナイツ対東芝ブレイブルーパス戦だ。
13時ごろには会場に出かけた。キックオフ14:30

風強し、大分着込んでいったので良かった。
応援団のDJ コーさんが盛り上げる。

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メンバー発表は早かった。

昨年、首位争いで負けた埼玉WK。
今季は雪辱戦の第一試合。面白い初対戦だ。良い試合になりそうだ。その通りになった!
東芝にはリーチマイケル・リッチーモンガ

ジョネナイカブラの名選手が・・


案の定、一進一退のゲーム 凄い盛り上がり。

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東芝のトライ

●結果は28対28とドロー。
本当にすごいデフェンスと走りであった。
10番山沢京平がケガで後半リタイヤで厳しい試合でもあった。
入場者数も11000人を超えた。

●ノーサイドでの健闘を称えあう姿が良い感じだ。

 第2戦では勝って欲しいものだ。
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メモ

 2月9日に開催されるNTTリーグワン ディビジョン1・第7節、埼玉パナソニックワイルドナイツ対東芝ブレイブルーパス東京の試合登録メンバーが7日に発表された。
埼玉WKのリザーブには今春早大を卒業するHO佐藤健次が名を連ねた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ここまで埼玉WKは6戦全勝で首位、BL東京は5勝1敗の2位という両チームがぶつかる天王山。
 昨季のリーグワン決勝以来の対戦に、今年アーリーエントリー登録された選手の中で、
 佐藤健次が全チームを通じて初めて試合メンバーに入った。
 ~~~~~~~~~~~
 桐蔭学園高で主将を務めた佐藤健次は早大でも主将を務めた今季、全国大学選手権では準優勝となったものの、関東大学対抗戦Aグループではチームを6年ぶりの優勝に導いた。
 個人としても日本代表活動に招集された実績を持つ。

🔵その佐藤が後半に出場”キャップ1”を・・・。会場が凄く沸いた。
  凄い期待の選手だ。
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日記(2.9)

2025-02-09 11:17:46 | 日常
2025   2月9日  (日曜日)    晴
◆石破・トランプ会談が 

さて、これからの対米外交はうまくいくであろうか?
出だしはまずまずだ!石破さんの体系が大親分に見えるなあ~
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寒波は続く。
 体操教室に8時から10時まで「午前の部」に出かける。
 この体育館は冷たい!器具セットのお手伝い程度しか出来ないが
 自分の柔軟を終えて少し補助をする。

この教室も一緒にやって来た諸先輩は皆亡くなって一番の年配者は私だ。
20代後半から一時行けない時期もあったが50数年になる。
もうそろそろ退会に近い体になって来た、時期だなあ~。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
上毛新聞にあった。
 ▼萩原朔太郎にはふるさとの山をテーマにした詩がある。
 〈かなしければぞ、眺め一時にひらかれ、あがつまの山なみ青く、いただきは額(ひたひ)に光る〉
 1914年8月に作られた「山頂」である
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ▼末尾に「吾妻ニテ」と注釈があるが、どの山を指すのかは分からない。
  詩は〈夏はやおとろへ、山頂(いただき)は風に光る〉と結ばれる。
  読者が思い描く山頂の姿はさまざまだろうが、心に涼風が吹きわたるような気がする
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 ▼登山者のあこがれと言えば、3千メートル級の名峰が連なる日本アルプスだろう。
  英国人の鉱山技師ゴーランドが1881年に名付け、
  日本山岳会の初代会長を務めた小島烏水(うすい)が
  飛騨山脈を北アルプス、木曽山脈を中央アルプス、明石山脈を南アルプスと呼んだ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ▼美しい山々へのあこがれからか、
  日本各地にはたくさんの「ご当地アルプス」があるらしい。
  多くが市街地に近い標高数百メートルの低山で、
  ピークをつなぐ縦走ができたり、アルプスを思わせる岩場があったりする
~~~~~~~~~~~~~~~~
 ▼本県には神成山(かんなりやま)を中心とした「富岡アルプス」
  鳴神山や吾妻山(あづまやま)など10キロ以上を結ぶ「桐生アルプス」があり、市民の憩いの場になっている
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ▼時間に余裕をもって下山できるため、帰りに温泉やグルメを楽しめるのも魅力だ
  ただ低山とはいえ、落ち葉に隠れて道が分かりにくかったり、
  すべって転倒したりする恐れもある。
  出かける際は入念な準備と登山届の提出をお忘れなく。
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メモ
萩原朔太郎詩集『宿命』(昭和14年=1939年刊)より
(萩原朔太郎<明治19年=1886年生~昭和17年=1942年没>)

 口語による散文詩が日本の現代詩に確立・定着したのは
 三好達治(明治33年=1900年生~昭和39年=1964年没)の
 『測量船』(昭和5年=1930年12月刊)の収録諸編であり、
 当時の三好はボードレール晩年の散文詩集『巴里の憂鬱』の
 初の全訳者で、抒情詩人のイメージが強い三好達治は
 実際は非常に複雑な指向性を備えた詩人であり、
 『測量船』も当時にあっては実験的なモダニズムの詩集でした。

 三好が直接師事した詩人は室生犀星と萩原朔太郎ですが、
 あまり読まれない萩原朔太郎の散文詩も見落とせないものです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 萩原は「情調哲学」「アフォリズム」「新散文詩」とさまざまに呼んでいた
 散文断章集を大正11年(1922年)刊の『新しき欲情』を皮切りに生涯に4冊発表しましたが、
 昭和14年(1939年)刊の自選詩集『宿命』(創元社・創元新書)では既発表の抒情詩70編とともに、
 単行本未収録の新作5篇を含む散文断章から70編を散文詩として再録しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『宿命』は萩原生前に刊行された最後の詩集となったことでも収録された
 散文詩70篇は萩原の詩業の遺作的な位置づけができる、
 再録選詩集以上の意義を持っています。
 萩原は従来散文詩は書かない、
 むしろ口語自由詩の発展の上では散文詩には反対していた。

~~~~~~~~~
 詩人でしたし、『宿命』ももともと散文詩として書かれたものではない。
 断章を改めて散文詩として選出したものですから事情はやや特殊なのですが、
愛弟子の三好を始めとする当時の若い世代の散文詩に触発されて既発表の散文断章集から
 萩原自身の基準で散文詩と言えるものをまとめたのが『宿命』収録の散文詩であり、
 改めて読者に散文詩として読んでもらいたいという意図からも萩原自身が愛着と自信を持つ断章が
 選出されているので、萩原にとっての散文詩観をくみとることもできます。
 まずボードレール風の(つまりポー的でもある)奇想による1編をご紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「死なない蛸」 萩原朔太郎  

 或る水族館の水槽で、ひさしい間、飢ゑた蛸が飼はれてゐた。
 地下の薄暗い岩の影で、青ざめた玻璃天井の光線が、いつも悲しげに漂つてゐた。
 だれも人人は、その薄暗い水槽を忘れてゐた。もう久しい以前に、蛸は死んだと思はれてゐた。
 そして腐つた海水だけが、埃つぽい日ざしの中で、いつも硝子窓の槽にたまつてゐた。
 けれども動物は死ななかつた。蛸は岩影にかくれて居たのだ
~~~
 そして彼が目を覚ました時、不幸な、忘れられた槽の中で、幾日も幾日も、
 おそろしい飢餓を忍ばねばならなかつた。
 どこにも餌食がなく、食物が全く尽きてしまつた時、彼は自分の足をもいで食つた。
 まづその一本を。それから次の一本を。それから、最後に、それがすつかりおしまひになつた時、
 今度は胴を裏がへして、内臓の一部を食ひはじめた。
 少しづつ他の一部から一部へと。順順に。
 かくして蛸は、彼の身体全体を食ひつくしてしまつた。
 外皮から、脳髄から、胃袋から。どこもかしこも、すべて残る隈なく。完全に。

~~~~~~~~~~~~~
 或る朝、ふと番人がそこに来た時、水槽の中は空つぽになつてゐた。
 曇つた埃つぽい硝子の中で、藍色の透き通つた潮水(しほみづ)と、なよなよした海草とが動いてゐた。
 そしてどこの岩の隅隅にも、もはや生物の姿は見えなかつた。
 蛸は実際に、すつかり消滅してしまつたのである。
~~~~
 けれども蛸は死ななかつた。彼が消えてしまつた後ですらも、
 尚ほ且つ永遠に"そこに"生きてゐた。
 古ぼけた、空つぽの、忘れられた水族館の槽の中で。
 永遠に――おそらくは幾世紀の間を通じて――
 或る物すごい欠乏と不満をもつた、人の目に見えない動物が生きて居た。
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◆凡人には・・理解しにくいなあ~!
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