1997年の3月末、 小学校を卒業した12歳の長男はシドニーへ留学するため日本を経ちました。
彼のシドニーでの留学期間は、UTS(シドニー工科大学)を卒業するまで11年に及びました。
かれこれ25年前の話です。
12歳でシドニーに留学した長男、 ホームシックにもかかったが10ヶ月の英語学校を無事卒業し、
語学校を無事卒業し、タ
ウンホー ル駅の真上にある st andrews cathedral schoolの受験に合格したのは1997年13歳の時です。 中学校、高校とここで6年間通いました。
長い夏休みと冬休みは日本で過ごし、家族と一緒にいられるこの休みはそれは彼にとって一番楽しみにしていることでした。
解放感で一杯の休暇中、足を骨折してしまった長男。
日本での休暇を終え、ギブス姿の長男とシドニーへ戻った私。
◆2002/7/23(火)◆
昨日夕方より病院へ。
大変なことになってしまいました。
こちらで手術をすることに。
ガーーーン
彼の左足の骨折は(ひ骨)は単純骨折ですが、少しずれていて
手術をしたほうがベターだが、時間がかかるがギプスだけでも大丈夫だろう。
ただし、今後これ以上ずれることがあれば治療方針が変わる可能性もある、
と日本の医師に言われ、夫の強い希望により手術を拒否、ギプスでシドニーまできました。
シドニーの整形外科医療の発達は日本より上です。
ラグビーなど、スポーツが盛んなお国柄だし、
医師は、その専門のスペシャリストの集まりだそうです。
レントゲン撮影の結果、さらにずれていた息子の足。
その優秀な医師の診断によると、息子の骨折は
手術が必要な状態で、このままギプスでいっても
5年後、7年後に支障が出てきて、将来は100%ビッコをひくことに
なると断言。このまま手術をしないで治しては
彼の将来をだめにしてしまいますよ、
手術をしないでうまくいった例は、まずありませんと。
がーーーーーーーーん
二人顔面蒼白
その後、息子の足の状態を息子の通訳を介して
説明してもらい、こちらの医師の判断通り手術をしてもらうことに決めました。
怖がりの息子も重々納得の上です。
手術は30分~40分程度の簡単なもので、
ピン(プレート)をいれて固定。
杖なしで歩けるようになるまで一ヶ月近くかかりますが
リハビリの後は、走るのも可能なまでに回復。
こうなれば、わたしの腹も座ります。
これで治るんですから。
ノープロブレム。
さてと、
ここで困った問題が。
日本にいるあれだけ手術を拒否した夫。
日本でも、医師が手術という診断を出せば、
手術しなくてもいいという病院をしらみつぶしに探してやる
と言っていたあの夫です。
息子の体にメスを入れたくない、
手術の失敗を社員に見ている夫にとって
息子の手術が失敗に終わる可能性だってある、と考えていますし、
人間の体にメスを入れるべきではない、
というなんとも古風な考えの持ち主、しかも怖がり。
昔、ムチウチの治療の硬膜外ブロックがこわくて
手術室から逃げ出したことがある男ですからね。
(私が結婚前勤めていた病院の患者だった夫)
大事な話です、と前置きして
日本で夕飯の準備の夫と電話で、この経過を説明した途端
烈火のごとく怒りだす夫。
すぐに日本へ戻ってこいと。
どう説明しても、もう火山が噴火した状態で聞く耳を持たず。
長男の将来を棒に振るわけにいかない、ここで
夫のいいなりになれないと、
手術を許可してくれ、許可しないなら
勝手に断行するとこちらも言う。
でも、もうこうなるとだめですね。
シドニーに永住している友人に電話してもらうが、
「ショウジさん、クレイジー」とお手上げ状態。
何度か電話を入れて、説得にかかりましたが
電話を一方的に切られる始末です。
夫は夫で、日本のドクターに相談している模様
なんとしてでも日本に連れ戻してギプスだけで
治療すると。
日本とシドニーの医師の診断の決定的な違いは、
この先、後遺症が出て場合のその後遺症の程度です。
日本では、もしかすると将来、長歩きをすると疲れやすく、
痛みや違和感を覚える可能性がある。
こちらでは、将来ビッコです。
私は、シドニーの医師の診断に従ったほうが
リスクが少ないと判断、そしてその判断は正しいと直感しています。
怒り狂った夫は、深夜にシドニーの友人の由美ちゃんにTEL
妻の手術を強行するというのを止めてくれ、
さもないと、妻に離婚だと言ってくれ、と申したそうな。
彼の言いそうなことです。
わたしは結局、この夜一睡もすることができず、
朝から、あきらめずに電話で夫の説得にあたったのでした。
骨がずれているんだよ!という言葉に息子に「死んでしまえ!」と罵倒。
(お前が死んでしまえ)
「父の説得を得られないことには、手術は受けたくない』と凹む息子を、
ママがなんとかするから大丈夫と叱咤
結局夫は、「勝手に手術しろ!」と捨て台詞を放つ。
わたしが、こうして手術を急いでいるのは
手術できる時期がタイムリミットであるということ、
時期を逃せば、手術はもう不可能だと言われたから。
とりあえず、納得させてわけですからね。
手術は明後日の木曜日、
スクールは今日からなので、とりあえず
手術の前にスクールに行き、経過と今後の相談をしてくると
家人のダイアナといっしょに車で学校まで送っていったのでした。
手術はきめたものの、別の医師の診断もきいてみたいと、
本日スポーツ選手相手の整形外科に予約をいれています。
多分、同じ判断だと思うのですが
これも、夫を納得させるためでもあります。
息子を買い物に送っていった後
ダイアナが、わたしの食材探しの買い物ができる
大きなスーパーに連れて行ってくれる。
私は買い物をそそくさと済ませたあと、
ダイアナと手術を受ける病院で必要な書類をもらってきて帰宅
日本にいる夫に電話をすると、
観念したようで、手術の日取りのことを聞いてきました
少し落ち着いたようなのでゆっくり説明。
夫に心配ないからと。
ああ。。ほんとに疲れた。
手術を受けることにではなく、夫にです
いつも、うちの夫はこんな調子。
自分のパワーで相手に自分の意志を押し付けてくるというか
わたしと息子の精神は、この夫にずたずたにやられてる
そんな感じなんです。
由美ちゃんはいつも言います。
「あんな男、別れてしまいなさい」
こういうことがあるたびに、私は夫との価値観の違いに打ちのめされ
この先やっていけないと思ってしまう。
別れる事を本気で考えたりもしてしまうこともしばしば。
ああああやだやだ、こんなオット
友人が言うようにクレージーだよ。