日向ぼっこ残日録

移り気そのままの「残日録」

寒さ、ひもじさ苗代どき

2009年05月02日 13時48分23秒 | 残日録
まだ貧しさが、階級社会(士農工商)が、微かに尾を残していた「母親」の時代(大正2年生まれ。26~7年前に死亡)が、kunio_nikkiの家内に言っていた。

「寒さ、ひもじさ、苗代どき」(さむさ、ひもじさ、なしろどき)
苗代(なわしろ。当地方では「なしろ」という。田植えの苗を育てる場所。普通3週間(21日)から25日育ててから田植えをする。)

「苗代どき」は、一旦暖かい日が続いたあと、なぜか、寒風が吹く日が多く、寒さが身に沁みるのだ。しかし、冬には、夕刻など5時には陽が沈んで暗くなっていたのに、この時期は、7時ちかくても明るいので、農家では縄やムシロなど仕事をしていたようだ。そこでお腹が空いたのである。

貧乏農家【父親は、3反(1反=300坪)~4反の兼業であった(日本国有鉄道=現JR勤め)】であったが、嫁ぐ前は少し裕福な家庭育ち(女学校卒)であったので、当時の習慣に関する言葉を言うことがあった。「たこ上げ」なども「いかあげ」とも・・・・遠く離れているのに京言葉訛りもあった。

今日の気温は、それを思い起こさせる天気である。
今年は、2月に暖かくなって、3月にも桜が咲くという天気予報が大方であった。
しかし、3月の下旬の気温の低下は4月の桜の開花を大幅に遅らせた。
そして暖かくなった4月中旬~下旬も5月の始まりとともに、表題の言葉どおりとなったようだ。
我々のテレビの時代(テレビで夜更かしする)は、「夜なべ」という言葉も死語となっているが、お腹のすく現実はあるようだ。