グロスターは、コーディリアに対して激怒したリアと同じように、怒鳴りだす。
エドマンドは、エドガーと並べて事の次第を訊かれては、自分に嘘がばれてしまうので、逸るグロスターに、もっと慎重にするようにと宥め、事によったら兄が自分の心を探るために、こんな手紙を寄越したかもしれないと言う。
'O villain, villain ! His very opinion in the letter ! Abhorred villain ! Unnatural, deterted, brutish villain ! worse than brutish ! Go, sirrah, him; I'll apprehend him: abominable villain ! Where is he ? (おお、悪党、悪党め! 何という手紙を書く奴だ! けしからん悪党め! 人倫に背く、汚らわしい、畜生同然の悪党だ! 畜生にも劣る! 奴を探して来い、 俺が捕まえてやる、けしからん悪党め! 奴はどこにいる? )
エドマンドは、エドガーと並べて事の次第を訊かれては、自分に嘘がばれてしまうので、逸るグロスターに、もっと慎重にするようにと宥め、事によったら兄が自分の心を探るために、こんな手紙を寄越したかもしれないと言う。
ここも「(nature)親を思う自然の情愛」と言う意味で「(unnatural)人倫に背く」と言う語を「親不孝な」とか「孝心に悖る」と言う意味で使っている。
迷信深いグロスターは、宮廷で起こった不幸な出来事が自分の家庭内での裏切りとを、最近の日蝕や月蝕に結び付けるのだった。
'These late eclispses in the sun and moon portend no good to us: though the wisdom of nature can reason it thus and thus, yet nature finds itself scourged by the sequent effect: love cools, friendship fall off, brothers divide: in cities, mutinies; in country, discord; in palaces, treason; and the bond cragk'd 'twixt son and father. This villian of mine comes under prediction; there's son against father: the king falls from bias of nature; there's father against child.' (このところ打ち続いての日蝕と月蝕は、我々にとって良からぬ前兆だ。自然の摂理について 赫々然々と説明されてはみても、その自然が神罰を受けているのだから仕方がない。その後の 経緯を見ていれば解る。愛情は冷え、友情は地に堕ち、兄弟は対立する。都市では暴動が起こり、 田舎では争闘、宮廷においては謀反、そして親子の絆は断ち切られる。非道の我が息子も 例外ではない、子が父に背き、、国王も親子の情に背いた行いをし、父が子と対立する)
ここにも「(nature)親を思う自然の情愛」と言う意味で使われていて、それとともに「自然摂理(nature)」と言う意味でも使っている。いわば、(nature)と言う語の持つ意味の対比によって『リア王』は構成されているといえるのだ。
前にも述べたように(nature)は、この作品では重要な語であり、これに着目して読んでいくことが、読み解いていくキーワードとなるのだ。よってこの先も注目していきたい。
前にも述べたように(nature)は、この作品では重要な語であり、これに着目して読んでいくことが、読み解いていくキーワードとなるのだ。よってこの先も注目していきたい。