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「リア王」 舞台内容 一幕四場(1)

2010-02-10 10:31:54 | 「リア王」

イメージ 1


 オルバニー公爵邸の玄関広場にて、ケントが変装をして登場する。
 前場までにリアの性格で一番悪いところである移り気と強情さ、尊大さを見てきたが、この場では彼の違った面を見ることになる。




 リアには彼を愛している者が就いている。リアの怒りをかって追放されたケント伯爵である。
彼は身分を捨て、姿形、声音まで変えてリアの元へ戻ってくる。


 ケントが変装して帰ってきたことが述べられた後、リアが娘の家の客としてどんな状態であるかを知る。
彼は狩りに出ていたので、空腹で帰ってくるのだが、家令たちのリアに対する態度はお客を迎えているようではない。
 'Let me not stay a jot for dinner; go, get it ready.'
 (直ぐに食事にしろ、待たせるな、早く仕度しろ)


 このような客がいては、どこの家庭でもうまく行くはずが無いのは明らかだ。




 リアが食事を待っている間に、ケントが、自分を「非常に勤勉で誠実だが貧乏な人間」と自己紹介して、家来として仕えたいと申し出る。


 リアはこの男が変装したケントであることに気がつかずに、召抱える。


 待たされている間にリアは益々苛立って「食事だ、おおい、食事だ! 」と叫ぶ。
オズワルドが姿を現わしたが、直ぐに立ち去ってしまった。リアは一層かっとなって喚き散らす。


 そして、リアの家来の一人である騎士が、オズワルドの無礼は、リアをないがしろにしようとする計画の一部であると述べた。




それに対するリアの答えはこうだった。
    'Thou remberest me of mine own conception: I have perceived a most faint
   neglect of late; which I have rather blamed as mine own jealous curiosity than
   as a very pretence and purpose of unkindness: I will look further into't.'
 (おまえの言葉を聞いて、この身も密かに感じておった事を、思い出させてくれた。
 最近、余の扱いに多少疎略な節があると思っておったが、それは余自身の疑い深く気難しい
 ことのせいであるとして、むしろ己を責めてきた、まさか冷酷な下心があろうとは
 露とも思わなかったが、それはもっと吟味してみることにしよう)



 しかし、再びオズワルドが姿を現わし、彼の無礼さに直面すると、すっかり自制を失って、この娘の家令を殴り、ケントもこれに加わって蹴り飛ばして部屋から追い出してしまうのだった。
 しかしこれはゴネリルの思う壺だということは、言うまでも無いことだ。