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「リア王」 舞台内容 一幕三場

2010-02-08 12:03:22 | 「リア王」

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 オルバニー公爵の館の一室、ゴネリルと執事のオズワルドが登場する。
 この場は、またメイン・ストーリーに戻る。第一場から何日か時間が過ぎていて、リアは自分の計画通りに長女・ゴネリルの夫であるオルバニー公爵の館に滞在している。


Goneril: Did my father strike my gentleman for chiding of his fool ?

Oswald: Yes, madam.

Goneril: By day and night he wrongs me; every hour
       He flashes into one gross crime or other,
       That sets us all odds: I'll not endure it:
       His knights grow riotous, and himself upbraids us
       On every trifle. When he returns from hunting.
       I will not speak with him; say I am sick......

ゴネリル:お父様は、わたしの家来がお付の道化に小言を言っただけで、手お挙げになったというのね?

オズワルド:左様でございます、奥さま。

ゴネリル:昼も夜もわたしを困らせてばかりおいでになる。
    次から次と、黙っていられないような無茶をし通し、
    お蔭で館中がいがみ合いに捲き込まれたまま。
    もう沢山。お付の騎士たちは日増しに手が付けられなくなるし、
    それにお父様も取るに足らない事で一々わたし達をお叱りになる。
    狩りからお帰りになっても気分が悪いからといって、口を聞かないことにします……


 リアの性格からいって、さもありそうな話だが、全部が全部真実ではなさそうである。これは一場の最後でゴネリルとリーガンが話していった「手」の一つだ。

 もちろんリアにも責任があるわけで、どっちもどっちなのであるが…… 、でもこういう場合、間に挟まれる人間は堪ったもんじゃないよね。

 リアは、責任ある地位を去るが、しかし生活の楽しみはそのままにしておこうというだから、これは虫のいい話である。

 しかも、そんな我儘は相手が悪かったようで娘のゴネリルとリーガンは、逆にそれを利用して、リアの世話をする義務を逃れようと画策するのだ。




 ゴネリルはオズワルドの命ずる。
 'Put on what weary negligence you please,
   You and your fellows; I'ld have it come to question:
   If he dislike it, let him to our sister,
   Whose mind and mine, I know, in that are one,
   Not to be over-ruled. Idle old man.
   That still would manage those authorities
   That he hath given away !'
 (おまえもおまえの仲間たちも、大ぴらに厭々な態度をして見せておあげ、
 わたしはそれを切っ掛けにしたいのだから。それが気に入らぬとあれば、
 妹のところへいらっしゃるがいいわ。もちろん、妹の心もわたしと同じで、
 言いなりにならない事で一致しているのよ。
 年寄りの愚かさにも程ほどにしてもらいたいわ。
 棄ててしまった権力をいつまでも揮いだがるなんて!)


 これは父娘戦争が勃発する宣戦布告のような状態である。