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「リア王」 舞台内容 一幕二場(4)

2010-02-05 08:57:21 | 「リア王」

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 グロスターは、さらに悪い前兆があると、話を続ける。
 'We have seen best of our time: machinations, hollowness, treachery, and all
   ruinous disorders, follow us disquietly to our graves. Find out this villain,
   Edmund; it shall lose thee nothing; do it carefully. And the noble and true-
   hearted Kent banished ! his offence, honesty ! 'Tis strange.'
 (良き時代は過ぎ去ってしまった。策謀、不誠実、裏切り、ありとあらゆる浅ましき無法が
 我らを駆り立て、休む間もなく墓場へ追い込もうとする。あの悪党を見つけ出せ、
 エドマンド、おまえを困らせるような事なせぬ。慎重にやるのだ。あの高潔で誠実な
 ケント伯爵が追放されたのだ! その罪は誠実であるという! おかしな事になってしまった)


 エドマンドは道徳心を持たないのみならず、迷信などまったく気にしない。それは彼が「私生児(natural son)」だからであり、「親を思う自然の情愛(nature)」「自然摂理(nature)」とは、掛け離れた背信者なのだ。

 特に自分の欲望を満たすためには何でもする、といった意味での「むき出しの欲望(nature)」と親を思うという意味での「自然の情愛(nature)」との対照的な(nature)の対比が『リア王』のテーマの一つなのだ。




 エドマンドは、父がエドガーを憎むように仕向ける事に成功した。次にエドガーには、父が彼に対して腹を立てていると伝え、父に近づいてはならない、行くなら武装して行くようにと忠告する。ただしエドマンドは、エドガーの味方であると信じ込ませる。


 エドガーはエドマンドの忠告に従い、身を隠すために退場した。
この後、エドマンドは事態を要約して独白する。
 'A credulous father ! and a brother noble,
   Whose nature is so far from doing harms,
   That he suspects none; on whose foolish honesty
   My practices ride easy ! I see the business.
   Let me, if not by birth, have lands by wit.
   All with me's meet that I can fashion fit.'
 (親父はお人好し! おまけに兄貴も気が良いときている。
 生れつき他人に害を加える事など夢にも思わない、
 他人もそうだと信じ込んでいる。その馬鹿正直がこちらの付け目だ!
 この一件、凡その目鼻は付いた。素性で手に入らない土地ならば、
 頭によって奪って見せる。手段は何でも結構、目的通りに事が運ぶならば)