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「マクベス」 舞台内容 一幕五場 (3)~一幕六場

2009-10-28 10:30:49 | 「マクベス」

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・一幕五場 (3)
 妻のいる自分の居城に戻ってきたマクベスは、「国王が、今夜ここへ」とダンカンが来ることを告げると、彼女は、「そして、いつお立ちに?」と答える。


 この短いやり取りで、マクベス夫妻は同じ考えでいることが分かる。
 Macbeth: To-morrow, as he purposes.
  Lady M.:                 O, never
         Shall sun that morrow see !
 (マクベス:明日、お立ちの予定でおいでだ。
  夫人:        ああ、決して
    明日の日の目を見せてはなりません!)


 ここは、やはり夫人の方が先に立っていて、ダンカンを油断させるのはマクベスの役目であり、眠ったダンカンを殺めるのが夫人の役目であった。
 普通は、反対だろうと思うんだけど…… まあ、奥さん主導と言うことで……


 'Your face, my thane, is as a book, where men
   May read strange matters: ― To beguile the time,
   Look like the time; bear welcome in your eye,
   Your hand, your tongue: look like the innocent flower,
   Be the serpent under it. He that's coming
   Must be provided for: and you shall put
   This night's great business into my dispatch;
   Which shall to all our nights and days to come
   Give solely sovereign sway and masterdom.'

 Macbeth: We will speak further.

 Lady M.:              Only look up clear !:
        To alter favour ever is to fear:
        Leave all the rest to me.
 (あなたのお顔は、不思議なことが書いてある本のよう。
 世間を欺くには、世間と同じ顔をなさらねばなりません。
 眼も、手も、舌にも、歓迎を表わし、無心の花と見せかけて、
 その陰では蛇であってください。さあ、お客様のおもてなしを
 なさなくては。今夜の大事は、私にお任せになって下さいまし。
 今後、私たちの長い日々の暮らしに、無上の権力が訪れるかどうか、
 全てがそれにかかっているのです。

 マクベス:そのことはもっとよく話し合おう。

 夫人:でも、面を明るくおあげになって下さいまし。
   気難しい顔をなさっておいででは、心に怖れありと思われます。
   後のことは、みんな私にお任せになって)


・一幕六場
 マクベスの居城前。マクベスの城が国王ダンカンを捕らえる死の罠であるのだが、ダンカンの眼には、外見しか見えておらず、彼にとって平和と安息を示す城でしかないと感じている。


 女主人の様子にも不信なものはなく、中身がどうであろうと、その外見では知る由もなかった。
 この部分は一幕四場でダンカンが自らが、「顔つきから人の心を読み取る術はない」と語った通りのことが、当に行なわれているのだ。

 この辺りが、シェークスピアの皮肉っぽさを感じる。






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