こんばんは、ジニーです。
4月は本を読んでると眠くなりがちなのですが、今のところ割と
怠けることなく読んでおります。
そろそろ、ミステリーばかりを脱却したく、
ライトな短編集を選んでみました。
山本文緒の『みんないってしまう』。
12個の短編からなる小説です。
この方の作品は、少女小説のころから知っていて
「きらきら星をあげよう」、「ぼくのパジャマでおやすみ」とかね
読んでて恥ずかしくなっちゃう感じのも、知らずに読んでいました。
いわゆる一般文芸としては、「ブラック・ティー」で初めて触れて、
今回の「みんないってしまう」にたどり着きました。
さて、この「みんないってしまう」ですが、短編としての良いところが
ぎゅっと詰まっている作品だなという感じがします。
凄く簡潔で、余計なものがない感じ。
言い方を変えれば物足りなさとも言えそうなところもありますが
それが良いんです。
シンプルに、簡潔に、ザクッと心に残る。
これが短編の面白みだと思います。
作品はすべて何かしらの「喪失」を抱えています。
それは物であり、人であり、感情であり。
どこかで掛け違えたボタンのせいで、何かを失った今がある。
その今をもがきながら生きている人たちの人生の一片が切り取られています。
どこか切ない。
ちょっと切ない、チクっとする程度。
全部そんな感じの切なさがあります。
読んでみて感じるのは、喪失ゆえにある現在からの脱却は新しい喪失でしかなく
結局、喪失することで人は新しいものを手にしていくのだということです。
こんだけ喪失と書き連ねると悲しくなってきてしまうのですが
この作品というフィルターを通すと、それが思いのほかスッと胸に馴染んでいきます。
肯定的に「喪失」をとらえることができます。
心の片隅にある、慣れてしまった痛みがちょっと疼く感じの
そんな感触をきっと感じていただけると思います。
よろしければご一読ください。
4月は本を読んでると眠くなりがちなのですが、今のところ割と
怠けることなく読んでおります。
そろそろ、ミステリーばかりを脱却したく、
ライトな短編集を選んでみました。
山本文緒の『みんないってしまう』。
12個の短編からなる小説です。
この方の作品は、少女小説のころから知っていて
「きらきら星をあげよう」、「ぼくのパジャマでおやすみ」とかね
読んでて恥ずかしくなっちゃう感じのも、知らずに読んでいました。
いわゆる一般文芸としては、「ブラック・ティー」で初めて触れて、
今回の「みんないってしまう」にたどり着きました。
さて、この「みんないってしまう」ですが、短編としての良いところが
ぎゅっと詰まっている作品だなという感じがします。
凄く簡潔で、余計なものがない感じ。
言い方を変えれば物足りなさとも言えそうなところもありますが
それが良いんです。
シンプルに、簡潔に、ザクッと心に残る。
これが短編の面白みだと思います。
作品はすべて何かしらの「喪失」を抱えています。
それは物であり、人であり、感情であり。
どこかで掛け違えたボタンのせいで、何かを失った今がある。
その今をもがきながら生きている人たちの人生の一片が切り取られています。
どこか切ない。
ちょっと切ない、チクっとする程度。
全部そんな感じの切なさがあります。
読んでみて感じるのは、喪失ゆえにある現在からの脱却は新しい喪失でしかなく
結局、喪失することで人は新しいものを手にしていくのだということです。
こんだけ喪失と書き連ねると悲しくなってきてしまうのですが
この作品というフィルターを通すと、それが思いのほかスッと胸に馴染んでいきます。
肯定的に「喪失」をとらえることができます。
心の片隅にある、慣れてしまった痛みがちょっと疼く感じの
そんな感触をきっと感じていただけると思います。
よろしければご一読ください。