こんばんは、ジニーです。
だいぶ、朝夕が涼しくなってきましたね。
読書にも最適な気候になってきたように思います。
今回読んだのは、瀬尾まいこさんの「戸村飯店青春100連発」です。
以前、みきさんのコメントでお勧めいただいた本です。
タイトルを見たときから、そのインパクトに気にならずにはいられなかったのですが、
みきさんのお勧めで、読むことを決めました。
タイトルから、僕は最初、戸村飯店を舞台に、性格の正反対な兄弟が
大阪のノリで面白い事件を次々に起こしていく。
とてもナンセンスでシュールなノリの作品なのかなというイメージを持っていました。
少しはかすっていたのですが、本質は全然別のところにありました。
平たく言うと、戸村飯店で育った、性格の違う兄弟の
大人への成長の物語でした。
性格の違いから、普段からまみえることのない二人。
兄はある程度達観していますが、弟はそんな兄がうっとうしくてならない。
しかし、それぞれの成長の過程で、希薄だった接点が色濃く交わったとき、
これまでにはなかった視野と、想いが胸に芽生えていきます。
兄には兄なりの、
弟には弟なりの、
悩みがあり、劣等感があります。
兄弟というフィルターを通してお互いが向き合ったときに、
悩みや劣等感の曇り空から差す、かすかな光を見つけます。
そこから、兄と弟の進むべき道、大人への一歩が始まっていく、
そんな物語でした。
人間とは不完全なもの。
ゆえに悩みは尽きません。
僕らの周りもそうです。
なにもかもうまくやっているように感じるあの人だって、
その人なりの悩みを抱え、もがきながら歩いているのです。
そんなことを改めて気づかせてくれる戸村兄弟。
多分人間は、自分のことをしっかりと知っているように思えて、
その実、自分ほど自分のことが見えていないのだと思います。
だからこそ、関わる「誰か」を媒介しながら、少しずつ自分というものを
見つけ出していくのでしょう。
「真面目」という根っこの部分で同じものを持っている戸村兄弟は
ちゃんとしっかり自分と向き合ってくれます。
そんな姿を通じて、読み手であるこちらの自分自身の在り方を省みるきっかけを与えてくれます。
それも、
「自分なんてこんなものかこんなものか・・・」
ではなく
「自分ももっとやれるんじゃないかな?」
という前向きな力。
よくよく考えると、僕らの幸せって、ごく限られている周りの人間が
幸せそうな笑顔でいてくれることなのではないかと感じます。
友情、愛情、家族の絆、ご近所付き合い、顔なじみ、職場の同僚や上司。
欲張らず、まずは自分ができる範囲の幸せな笑顔をイメージすると
いろんなことがうまくいくような気がしました。
この作品の登場人物は、みんなそういう優しさを持っていて、
とても心温まります。
最後に、この「青春100連発」というタイトルの妙。
本人にはこの世の終わりのように感じられるモラトリアムでさえ、
案外周囲からしてみると、「おもろいなぁ」と見られてしまうような部分があります。
思えば、青春の悩みなんて、ギャグのようなものなのかもしれません。
・・・ちょっと、言葉が乱暴だったかもしれませんね。
「こっちは本気で悩んでるんだ」と怒られちゃいそうですが、
ギャグのようなものと捉えられたら、なんか重い扉が開きそうな気がしませんか?
それでも周りが笑顔になったらもうけもんじゃないですか?
大いに悩んだら、しっかり笑いましょう。
数年後には笑い話になってるさ、って瀬尾さんは言ってるような気がします。
一度きりの人生なら、できる限り笑顔が多いほうが良いですね。
良い作品に出逢えました。

だいぶ、朝夕が涼しくなってきましたね。
読書にも最適な気候になってきたように思います。
今回読んだのは、瀬尾まいこさんの「戸村飯店青春100連発」です。
以前、みきさんのコメントでお勧めいただいた本です。
タイトルを見たときから、そのインパクトに気にならずにはいられなかったのですが、
みきさんのお勧めで、読むことを決めました。
タイトルから、僕は最初、戸村飯店を舞台に、性格の正反対な兄弟が
大阪のノリで面白い事件を次々に起こしていく。
とてもナンセンスでシュールなノリの作品なのかなというイメージを持っていました。
少しはかすっていたのですが、本質は全然別のところにありました。
平たく言うと、戸村飯店で育った、性格の違う兄弟の
大人への成長の物語でした。
性格の違いから、普段からまみえることのない二人。
兄はある程度達観していますが、弟はそんな兄がうっとうしくてならない。
しかし、それぞれの成長の過程で、希薄だった接点が色濃く交わったとき、
これまでにはなかった視野と、想いが胸に芽生えていきます。
兄には兄なりの、
弟には弟なりの、
悩みがあり、劣等感があります。
兄弟というフィルターを通してお互いが向き合ったときに、
悩みや劣等感の曇り空から差す、かすかな光を見つけます。
そこから、兄と弟の進むべき道、大人への一歩が始まっていく、
そんな物語でした。
人間とは不完全なもの。
ゆえに悩みは尽きません。
僕らの周りもそうです。
なにもかもうまくやっているように感じるあの人だって、
その人なりの悩みを抱え、もがきながら歩いているのです。
そんなことを改めて気づかせてくれる戸村兄弟。
多分人間は、自分のことをしっかりと知っているように思えて、
その実、自分ほど自分のことが見えていないのだと思います。
だからこそ、関わる「誰か」を媒介しながら、少しずつ自分というものを
見つけ出していくのでしょう。
「真面目」という根っこの部分で同じものを持っている戸村兄弟は
ちゃんとしっかり自分と向き合ってくれます。
そんな姿を通じて、読み手であるこちらの自分自身の在り方を省みるきっかけを与えてくれます。
それも、
「自分なんてこんなものかこんなものか・・・」
ではなく
「自分ももっとやれるんじゃないかな?」
という前向きな力。
よくよく考えると、僕らの幸せって、ごく限られている周りの人間が
幸せそうな笑顔でいてくれることなのではないかと感じます。
友情、愛情、家族の絆、ご近所付き合い、顔なじみ、職場の同僚や上司。
欲張らず、まずは自分ができる範囲の幸せな笑顔をイメージすると
いろんなことがうまくいくような気がしました。
この作品の登場人物は、みんなそういう優しさを持っていて、
とても心温まります。
最後に、この「青春100連発」というタイトルの妙。
本人にはこの世の終わりのように感じられるモラトリアムでさえ、
案外周囲からしてみると、「おもろいなぁ」と見られてしまうような部分があります。
思えば、青春の悩みなんて、ギャグのようなものなのかもしれません。
・・・ちょっと、言葉が乱暴だったかもしれませんね。
「こっちは本気で悩んでるんだ」と怒られちゃいそうですが、
ギャグのようなものと捉えられたら、なんか重い扉が開きそうな気がしませんか?
それでも周りが笑顔になったらもうけもんじゃないですか?
大いに悩んだら、しっかり笑いましょう。
数年後には笑い話になってるさ、って瀬尾さんは言ってるような気がします。
一度きりの人生なら、できる限り笑顔が多いほうが良いですね。
良い作品に出逢えました。
