今日のメルボルンは、曇り時々雨の肌寒い一日でした。最高気温は17度で、あと5度くらい低かったら山に雪が降ってスキーに行けるのですが、やはり春ですから積雪を期待してもダメですね。
今日はオーストラリア全土で投票が行われ、原住民であるアボリジニの人達の生活を改善する為に憲法を改正すべきか、否かを問う国民投票で、イエスかノーかの投票でした。
アボリジニの人々は他のオーストラリア人に比べて寿命が短く、犯罪率が高く、失業率も高いです。オーストラリアにはいくつもの、アボリジニの居住区があって、許可なくオーストラリア人がそこに入ることが出来ないようになっていて、別の国がオーストラリアに存在するかのようです。
オーストラリアの国政調査にアボリジニの人口が加わったのが1971年で、それ以前は、オーストラリア人として人口にも入れてもらっていなかったのです。つまり、人間として扱われていなかったということでしょうか。
アボリジニは文字はなく、彼らの知識は言い伝えのみ。なので、新しい知識を後世に伝えられなかったので、高度な文明を築くことが出来ませんでした。未開地の原住民として、人間扱いされず、野生動物の様に扱われ、ウサギの様に狩られたり、白人が持ち込んだ免疫のウイルスで多くのアボリジニが亡くなったようです。
入植前のアボリジニの人口の推定は30万人から95万人いたそうで260もの全く異なった言語を持った部族に別れていたようです。一昨年の国勢調査によるとアボリジニの人口は95万人で、オーストラリアの総人口の約4パーセントです。
以前、ここで書いたのですが、オーストラリアの空港の電光掲示板では行先が、英語の後、アボリジニの言葉がローマ字で表示されるのです。普通の人はアボリジニの言葉は知りません(多分、アボリジニの人も知らない)ので、これは、アボリジニに忖度したが故に多くの旅行者を困惑させる愚かな政策だと思うのです。
僕はオーストラリア市民ではなく永住者なので、国政に関する投票権がありません。日本では投票に行かなくても良い権利が保障されていますが、オーストラリアでは今日の投票に行かなければ、正当な理由がない限り、20ドル (約1900円)の罰金だそうです。なので、多くのオーストラリア人は、面倒くさいと思いながら、投票所に行ったようです
で、選挙の結果は、ノー。つまり、アボリジニの為の改憲をしたくない、我々は、アボリジニであろうと、後から来た移民であろうと、平等であるべきだ、というのが、国民投票の結果となりました。
それでは、明日も、このブログでお会いしましょう。