Lespedeza Museum of Photography レスペデーザ写真美術館

カメラマンな管理人のおたく趣味の雑記と二次創作&コスプレ写真のブログです。Lespedeza(萩)の花言葉は柔軟な精神。

ガールズ&パンツァー 新任教官、着任です!その1

2015年11月16日 21時33分20秒 | 二次創作小説

こちらはアニメ「ガールズ&パンツァー」の二次創作ノベルになります。苦手な方はブラウザバック推奨です。


 

とある日の大荒女子学園の学園艦。いつもと変わらない学園に来客が。戦車を使った武道で子女の嗜みである「戦車道」が盛んな大洗においても珍しいモノが来たのだ。

18式MCV改

かつて「機動戦闘車」として開発されていた陸上自衛隊の装甲戦闘車両の改良型で

・主砲を120mm滑腔砲に換装
・RWS(リモートウェポンシステム)を新たに搭載

と配備から数年を経て本州防衛の要として活躍している車両だ。

そして学校の駐車場に停車した18式から降り立った陸上自衛隊の制服を着た一人の女性。かつて大洗女子学園一年生としてまったくの素人ながら戦車道を始め、学園の初優勝をもたらし廃校の危機を救ったウサギさんチームのリーダー、澤梓である。

彼女は当時教官だった自衛隊員の蝶野亜美に触発された事や戦車道を続ける為に防衛大学校に入る事を決意。

自衛隊に入隊後、オリンピック戦車道部門で日本初の銀メダルを獲得するなど輝かしい実績を残していた。

「懐かしいなぁここ(大洗)も」

学園の風景を眺めて感慨に浸る澤。彼女が大洗にやってきたのはかつて学び戦車道の楽しさを知ったこの学園で新たに戦車道の教官を務める為だった。

出迎えの生徒に案内され、一室に案内された澤。

「失礼します。澤梓二等陸尉、大洗女子学園戦車道教官の任を拝命し本日着任しました」

「ようこそ、澤陸尉」

そう返す女性の声は澤の聞き覚えのある声だったが逆光で顔がよく見えない。

「もしよければ」

そう言いながら歩み寄る女性

「昔のように『澤』と呼んでもいいか?」

「か、河嶋先輩!」

澤を出迎えたのはかつて大洗女子学園で広報を担当し、大洗中興の祖と讃えられた角谷杏の右腕と言われた河嶋桃その人だった。

女性用スーツを着込み、長い後ろ髪を束ね片眼鏡を外している事を除けば昔とさほど変わらない姿の桃。

突然の再会に喜び思わず先輩を抱きしめる澤。

「お、おい恥ずかしいだろ」

「だってまさか河嶋先輩もいるなんて思わなくて」

じゃれ合う2人。だが澤の顔が急に真面目になる

「河嶋先輩、例の噂、本当なんですか?」

そっと桃の耳元で囁く澤。それを聞いて澤の両肩を持って引き離し、後輩の顔を真剣な眼差しで見つめる桃。

「一体何の話だ?」

「今回、角谷先輩が新たにこの大洗女子学園の責任者になった経緯です」

「聞くな」

そういう桃の目は真剣そのものだった。

「いえ、聞かせて下さい。この学園で何があったか本当の事を知りたいんです」

語気を強める澤。彼女を大洗に招聘したのはかつての大洗女子学園の生徒会長、角谷杏。大洗女子学園の前の責任者が体調不良を理由に辞職し、その後釜に杏が就いたのだが、前任者の辞任には以前から言われていた助成金の不正流用が関わっているのでは?と密かに囁かれていたのだった。

「何を吹きこまれたか知らんが、今の澤は部外者だ、何かあったとしても知る必要はないだろ」

「私、そんなに信用ありませんか?私はこの大洗女子学園の卒業生です、それにこれからこの大洗で戦車道の教官をするとなった以上部外者じゃありません!」

澤の強い言葉にたじろぐ桃。そんな時学園の上空にターボシャフト機の爆音が響いた。

澤と桃が外を見ると尾翼にサンダース大学付属高校の校章が描かれたV-22オスプレイの姿が。学校の敷地外れの特設飛行場に着陸しようとヘリモードに転換しつつゆっくり降下していく。

「あれは?」

「多分、会長が戻られたんだろう」

「会長が?」

「予定より少し早かったな。澤、今から会長達を出迎えに行くがお前も来るか?話の続きもしたい」

「はい」

桃がハンドルを握り一路飛行場へと向かうsd.kfz251の車内。話を切り出したのは桃だった。

「澤、何があったか知りたいという気持ちは偽りないのか?」

「はい」

「オリンピック銀メダリストの肩書に傷がつくかも知れないとしても?」

「構いません」

「…判った。覚悟があるというならこの大洗で何があったかは会長から直に聞くといい」

「はい!」

飛行場には既にオスプレイが着陸していた。澤も陸自配備のこのティルトローター機に何度も乗った事があったが相変わらずのデカさとなにより民間でこの金食い虫を運用できるサンダースの財力にため息が出た。

そのオスプレイから降り立つ人影が、1人は髪をサイドテールにした角谷杏。

もう1人はサングラスに羽織ったシャツを胸元で縛り、ショートジーンズにブーツという派手な衣装のサンダースの元戦車道リーダーのケイ、彼女は先日サンダース高校の監督になった事がニュースになったばかりだった。それにもう1人

『あれは確か西住隊長の・・・』

澤が尊敬する西住みほの姉、西住まほである。若くして日本戦車道連盟の幹部兼指導教官になったとニュースになったのを澤も覚えていた。

大洗女子学園に戦車道に関わる著名人が同時に3人(澤も入れれば4人)集まったのである。

「会長、お迎えに上がりました」

桃がかしこまる。

「やだなぁ桃ちゃん、そんなにかしこまらなくてもいいのに。あ!澤ちゃんもう来たんだ」

桃の後ろに控えた澤に気付き杏が手を振る。

「お久しぶりです、角谷先輩」

それに敬礼を返す澤。

「アズサ、お久しぶり!」

ケイがにこやかに挨拶をする

「お久しぶりですケイさん」

まほはあえて言葉を発さず敬礼で挨拶をし、澤もそれに敬礼で答えた。

「会長、澤が例の件を具体的に知りたいと切望してまして、お話されますか?」

その桃の言葉に杏の目がいつになく真剣になる

「澤ちゃん、本当にいいの?」

「私は一向に構いません!」

澤の強い眼差しと言葉に彼女の覚悟を悟る杏。

「ここで長話もなんだからさ、校舎に戻ろうか」

軽い口調で杏が言った。


ガールズ&パンツァー  新任教官、着任です!その2に続きます。

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