交通事故で高次脳機能障害を負ったことについてはどのような基準で認定されるのでしょうか。
交通事故による高次脳機能障害といえるためには
1) 外傷の際に脳が傷つき
2) 患者が訴える症状がその外傷によるものであること
が必要です。
その判断基準としては、厚生労働省、自賠責などがそれぞれの基準案や基準を明らかにしていますが、ここでは自賠責の基準について見てみます。
自賠責の高次脳機能障害の判断基準は次ののとおりです(吉本智信:「高次脳機能障害と損害賠償」p101参照)。
1 頭部外傷急性期における意識障害の程度と期間
半昏睡以上の意識障害(JCSで3桁か、またはGCSで8点以下)が6時間以上続くか、または、軽症意識障害(JCSが2から1桁、GCSで13から14点)が1週間持続、ただし、高齢者はこれより短くてもよい。
2 家族や実際の介護者や周辺の人が気付く日常生活の問題。
3 画像所見として、急性期における何らかの異常所見、または、慢性期にかけての局所的な脳萎縮とくに脳室拡大の進行。
急性期は脳内の点状出血、脳室内出血、くも膜下出血であり、慢性期は事故後の画像と比較して限局性またはびまん性の脳萎縮または脳室拡大。
4 頭部外傷がなく、あるいは頭部外傷があっても、ふだんの日常生活に戻り、その後数ヶ月以上を経て次第に高次脳機能障害が発現したようなケースにおいて、外傷による慢性硬膜下血腫も認められず、脳室拡大の進展も認められなかった場合には、外傷とは無関係に内因性の痴呆症が発症した可能性が高いものといえる。
以下、それぞれの要件について説明していきます。
交通事故による高次脳機能障害といえるためには
1) 外傷の際に脳が傷つき
2) 患者が訴える症状がその外傷によるものであること
が必要です。
その判断基準としては、厚生労働省、自賠責などがそれぞれの基準案や基準を明らかにしていますが、ここでは自賠責の基準について見てみます。
自賠責の高次脳機能障害の判断基準は次ののとおりです(吉本智信:「高次脳機能障害と損害賠償」p101参照)。
1 頭部外傷急性期における意識障害の程度と期間
半昏睡以上の意識障害(JCSで3桁か、またはGCSで8点以下)が6時間以上続くか、または、軽症意識障害(JCSが2から1桁、GCSで13から14点)が1週間持続、ただし、高齢者はこれより短くてもよい。
2 家族や実際の介護者や周辺の人が気付く日常生活の問題。
3 画像所見として、急性期における何らかの異常所見、または、慢性期にかけての局所的な脳萎縮とくに脳室拡大の進行。
急性期は脳内の点状出血、脳室内出血、くも膜下出血であり、慢性期は事故後の画像と比較して限局性またはびまん性の脳萎縮または脳室拡大。
4 頭部外傷がなく、あるいは頭部外傷があっても、ふだんの日常生活に戻り、その後数ヶ月以上を経て次第に高次脳機能障害が発現したようなケースにおいて、外傷による慢性硬膜下血腫も認められず、脳室拡大の進展も認められなかった場合には、外傷とは無関係に内因性の痴呆症が発症した可能性が高いものといえる。
以下、それぞれの要件について説明していきます。