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Fort Knox seeks change in operations
Fairbanks Daily News-Miner 2006年7月16日付
フェアバンクスから26マイルの郊外山中に
Fort Knoxという露天掘りの金鉱があります。
2シフト制で24時間稼動しており、夜中にオーロラを撮影している間にも、鉱石運搬車がオレンジ色の線を引きながら往来していました。
上の画像は小さくて分かりづらいですが、画面中央下には懐中電灯を持って立っている
LeRoy(私が撮影しているのにライトをこちらに向けないで下さい、師匠!*_*;)、その後ろに右に向かって伸びているオレンジの線が運搬車の明かりです。
通年休みなく操業されており、400人以上が就業。
金の年間産出量は40万オンス以上だとか。
…と言われても、サッパリ見当が付きませんが。
記事によると、この金鉱の拡張計画があり、鉱石から金を回収する新しい方法の許可を行政に求めているそうです。
クオリティの低い金鉱石から、シアン化ナトリウムを用いて金を漉し出す…と書いてあります。
どんなシステムなのか、私には分からないのですが…。
シアン化ナトリウムはNaCN=青酸ナトリウムとか青酸ソーダと呼ばれるもので、金属メッキにも使われるけれど、摂取すると、呼吸が出来なくなって窒息死…
毒薬!!
人間の経口致死量に関しては200~300mgとするもの、0.15~0.3gとするものがあるけれど、摂取すると最悪は死に至る物質。
火気禁止で、燃焼すると有害な窒素酸化物を産出。
二酸化炭素や酸性粉末消化剤の使用は不可、炭酸ナトリウムなどのアルカリ性水溶液で中和後、次亜塩素酸ナトリウムやさらし粉などの酸化剤水溶液で酸化処理大量の水で洗い流す。(
参照元)
漏えい時の処置と共に
空気中では徐々に炭酸ガスと反応してシアン化水素を発生するので注意と書いてあります。
厚い不透過・可塑性のライナーや同じく厚く敷いた砕石の上に鉱石を置くなどの措置が取られ、310エーカーの広さを計画中とのこと。
このシステムを稼動させることにより、これまでの金回収システムよりも使用エネルギーは1/3のコストで済ませられるそうです。
しかし、安全性は本当に大丈夫なのでしょうか?
万が一、漏えいした時に、風向きによって濃厚な青酸ガスがフェアバンクスの街を襲うようなことにはならないのかと心配です。
また、フェアバンクスの街からFort Knoxへ向かう途中には、
ビールも作られている軟水の美味しい湧き水が出る場所がありますが、地下水や河川への影響を含めて、長期的視点に立った環境面への影響を考えて頂きたいと思います。