今宵の一枚は渡辺香津美のMermaid Boulevard。録音は1977年10月。レーベルはalfa record。jazzに限らず日本のミュージックシーンに大きな足跡を残した村井さん率いるalfa record、自身も音楽家で経営者兼Producerとして八面六臂の活躍。YMOのアルバムはここからリリースされた。今でも鮮明に憶えているのだがNHKの番組で社会党の高沢寅雄に「高沢さんの机上の空論は置いといて、ビジネスの世界は---。」と言い放った場面が強烈だった。1970年代後半だったと思う。まだ社会党が野党第一党で全盛時代、たしか副書記長だった高沢寅雄は社会主義協会系の代議士で、社会党の寅さんと称し権勢盛んな時期。村井さんたいしたものだぜ、と驚いた記憶がある。
いかん脇道に逸れた。
Executive Producerの話ではなく、渡辺香津美のアルバムだった。彼はとにかくバカテクというか天才肌の人で、1988年六本木ピットインで見た超絶テクニックには度肝を抜かれた。とにかく指が良く動く。このアルバムでもA面3曲めのWaltz for sweetsのacoustic guitarの音が一音一音明確で力強く、それでいて流麗。Lee Ritenourと共演しているのだが静けさの中に二人のバチバチと闘志の火花が見えるようだ。guitar2本だけの真っ向勝負である。弱冠24歳。!!まいりました。やはり天才です。
全体的に音が厚く定位バランスとも良好。惜しむらくはguitarにフォーカスしたためかリズムセクションのバランスが控えめだろうか。しかしBacking vocalに吉田美奈子とあるのだが、いったいどこに彼女がいるのか。?
(personnel)
渡辺香津美 / guitar
吉田美奈子 / backing vocals
Lee Ritenour / guitar
Patrice Rushen / piano
Ernie Watts / tenor sax & flute
Anthony Jackson / bass
Harvey Mason / drums
Jun Fukamachi / synthesizer
side A
1. Mermaid Boulevard
2. Neptune
3. Waltz For Sweet
4. Q
side B
5. Suger Loaf Express
6. Poppy's Walk
7. Gentle Afternoon
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