まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その46

2014-07-02 21:28:40 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きです。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その46

  待ってよ とさやかさんは慌てて言った
  カエル君・・たちは 良くやってたわ
  あっちこっち 飛び回ってたのよ
  大体 とさやかさんは妖精をにらんだ
  自分たちの式のくせに あんたたちこそ何よ

<つづき>

なに? と妖精はカエルに向けた目を戻した
二日間ここ来たけど とさやかさんは言った
あんたたち 一つでもなんかした?
カエル君に 任せっきりじゃない
はさみも使えない 小さなカエルに!

俺たちも使えない と妖精はぼそっと言った
は?・・え? と意外な返事に
さやかさんは 目をぱちくりさせた
金属が・・痛いんだ 特に刃物が
妖精は言いにくそうに もごもご言った

へー とさやかさんは思わず言った
アンタ刃物 似合いそうなのに
・・って そうじゃなくて!
さやかさんは 言いなおした
自分のことは 自分でしろってこと!

驚いた顔をしている 妖精に
それでね とさやかさんは言い加えた
できないんなら 人に偉そうに
文句つけてないで 引っ込んでな!
・・ほう と妖精は低く言った

妖精の目が くすんだオリーブ色になった
陽気な茶色の巻き毛は ぞろりと
海草のように垂れ 黒ずんでいった
淡くまとう光は ちりちりと震えた
ほう と妖精はもう一度言った

妖精は羽も動かさず すいっと
さやかさんの鼻の先に 浮かび上がった
さやかさんは知らず 奥歯をかみしめ
妙な圧力を出す妖精を にらみつけた
妖精は目を吊り上げ にたぁっと嗤った


<つづく>



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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その45

2014-07-02 21:25:04 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
さあ、続きです。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その45

  俺らの魔法が なんだって?
  薄闇に ぽわぁっと光が点って
  宵闇に溶けるような声が 降ってきた
  軒下 雨のかからない所に
  以前見た妖精が 浮かんでた

<つづき>

紅いカエルは 茂みに飛び込んだ
これは旦那さん と雨呼ビは慌てた
いえ・・こちらのお嬢さんがお疲れで・・
ふーん と妖精は飛んできて
さやかさんの顔を のぞいた

ひでぇ面 と妖精はくくっと笑った
で? 大して仕事してねぇようだが
もう帰るのか?
ええそうよ とさやかさんは言った
そしてもう来ないの さようなら!

さやかさんは 荷物をかついだ
妖精は 顔をしかめて何か言った
さやかさんは あっと思った
にやりと笑って 荷物から
電源が入ったままの 携帯を取り出した

妖精は 顔をさらにしかめて耳を押さえた
さやかさんは 見せびらかすように
ゆっくりと 携帯の電源を切った
お前・・性格悪ぃな と妖精は言った
あらどーも とさやかさんはしらっと言った

おまけに鈍感だ と妖精は言った
その下らないおもちゃが ここの護りを
ズタズタにしてるのが 分からんのか
カエルどもは 何やってたんだ
妖精は 雨呼ビたちをぎろっと見た

待ってよ とさやかさんは慌てて言った
カエル君・・たちは 良くやってたわ
あっちこっち 飛び回ってたのよ
大体 とさやかさんは妖精をにらんだ
自分たちの式のくせに あんたたちこそ何よ


<つづく>



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