まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その52

2014-07-05 21:36:04 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
どもども。

あの、一応念のため、お伝えさせて下さいね。

当お茶菓子でカエルやカタツムリと触れ合う描写が出てきておりますが、
カエルは皮膚にが、カタツムリは体内に寄生虫がおり、
素手で触れたり、殻に口をつけるのは、大変危険ですので、
絶対やらないで下さい。

さやかさんが無事なのは、妖精の魔法が働いているからです。

なので、皆さまも妖精と出会う事があったら、できるかもしれません。
が、妖精は大変気まぐれなので・・・

やっぱり試してみない方が良いかと思います。

では、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その52

  アア ソレハ勿体ナイ
  若い人間が それに応える
  留学先・・アチコチ・・隣モ・・
  そして若い黒目が 愛しそうに覗きこむ
  懐カシイナ・・・

<つづき>

さやかさんは はっと我に返った
蒼い妖精が 心配そうに覗きこんでた
気分はどうかしら? と妖精は聞いた
さやかさんは 目をまばたいた
ハッカ飴でも食べたように すっきりしてた

さやかさんは試しに 立ち上がった
ふわりと宙を浮くように 身体が動いた
悪くないみたい とさやかさんは答えた
良かった と妖精は無邪気な笑みを浮かべた
もう帰らなきゃ とさやかさんは言った

レインウェアを脱いで 帰り仕度を整える
庭は先ほどの嵐で めちゃめちゃだった
せっかく頑張ったのにと 思いかけ
でもあれで助かったんだから と思いなおす
ありがとうと 何かに心でお礼を言った

雨は小降りになっていた
妖精とカエルたちが さやかさんに
庭の扉まで ついてきてくれた
かえって 散らかしてごめんなさい
さやかさんは みなに謝った

夏至まで 手伝いたかったけど・・
仕事で夜しか 来る時間がないし
夜じゃ 物が見えないから
と言うさやかさんに 妖精は小首をかしげた
貴女は ここの娘さんではないの?

いえ違います とさやかさんは答えた
ただの通りすがりで
ああそうよね と妖精はつぶやいた
妖精を包む光が ふっと陰った
アノ人の香りがしないもの・・・


<つづく>



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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その51

2014-07-05 21:21:57 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
ども、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その51

  妖精は すぅっと地面に降りた
  蚊の目玉を入れても 良いのだけど
  ・・まあ やめといた方がいいかしら
  そうつぶやくと その丸い物に手を触れた
  丸い物が ぽぉっと蒼く光った

<つづき>

青花さまそれは と雨呼ビが
言うのを制して 妖精は
その丸い物を さやかさんに示した
さあ娘さん これをおあがりなさい
さやかさんは のろのろと手に取った

かたつむりの殻の中に とろりと
金色の液体が 詰まっていた
どうしようかと 妖精を見やると
妖精は笑顔で 飲むように促した
ままよと 殻に口をつけた

爽やかな 花とハーブの香りがした
少しすすると 柔らかな甘みが広がった
殻を傾けると ねっとりとした液体は
意外にするすると のどを通った
鼻の奥に 緑と・・雨の匂いを感じた

百年降り続く 雨の香り
東来の花は また海を越え東へ東へ
遠い先祖をはぐくむ 風と水
桃色の娘は 東国の雨の色を取り戻す
先生・・コノ花ハ・・?

若い人間の声がする
年老いた声が それに応える
家内ガ・・出入リ業者ニ・・
英吉利カラ・・流行リ・・洋花・・
陰気デ・・植エ替エ・・廃棄・・

アア ソレハ勿体ナイ
若い人間が それに応える
留学先・・アチコチ・・隣モ・・
そして若い黒目が 愛しそうに覗きこむ
懐カシイナ・・・


<つづく>



人気ブログランキング ← ささ、どーぞ。


※修正のご報告:2016年1月9日
殻を傾けると 蜜のような液体は → ~ ねっとりとした液体は

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