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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その62

2014-07-10 21:30:47 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きです。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その62

  ヒキガエルが 何か答える前に
  あーお姉さん! と紅カエルは跳び出した
  いらっしゃい! すっごい良いとこに!
  僕ら今度の練習してたんだ! 聴いてって!
  と丸い小さなギターを抱えて 飛び跳ねた

<つづき>

楽器を濡らすな 馬鹿もんが!
とヒキガエルが ほえた
壊れても 直して頂けんぞ!
紅いカエルは テーブルの下に
慌てて 引っ込んだ

さやかさんは しゃがみこんで
テーブルの下を 覗きこんだ
カエルが五六匹 薄暗がりの中
てんでに何か持って 座り込んでた
今晩は・・ と声をかけた

素敵な雨ですね と雨呼ビとおぼしき
緑色のカエルが 明るい声で言った
青花さまが 先ほどいらして
貴女が来たようだと
ぜひ僕たちの演奏を 聴いていって下さい

あーうん・・ とさやかさんは言った
ええと片づけとかは・・もう済んだ?
何かあるなら手伝おうかと・・
お願いできますならぜひ と声は言った
でも来たばかりですし まずはお楽に

お楽にと言われても この姿勢は
あんまり正直 楽じゃない
ねぇ とさやかさんは聞いた
なんでそんな所で 練習してるの?
暗くて見づらくない?

雨を避けねば なりませんので
と枯葉色のカエルが ンククと
落ちついた声で 答えた
元は旦那方のもので 風雨に強いとはいえ
水漬けにして 良いわけありません


<つづく>



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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その61

2014-07-10 21:27:57 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きです。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その61

  大地に在る喜びと 降る雨の甘美さ
  時折混じる痛みの雑音と
  それらを包む 刻の深い安らぎ
  植物たちは 静かに歌っていた
  ああそこを右に とカエルが言った

<つづき>

植木の影に隠れた 花壇の切れ間に
一歩入ると 少し小道を広げた
レンガ敷きの 小さな広場があった
つるバラが這う 木造りの格子塀を背に
大小の脚付き丸太が 床から生えていた

テーブルといす・・かな?
さやかさんは花の香りの中 目をこらした
庭でお茶とかに 使ってたのかな
・・ちょっと! とテーブルらしき
丸太の脚の下から カタカタッと声がした

アンタわざわざ ひとのパート
取り上げたんだから しっかりしてよ!
・・だって! と聞き覚えのある
カエルの声が 澄んだ声に言い返した
だって やってみたかったんだ!

諸君 とさやかさんの手から
カエルが 声をかけた
お嬢さんを お連れいたしたぞ
その声にひょこっと カエルが数匹
テーブルの下から 顔を出した

お嬢さん 良うおいでなすった
とヒキガエルが 愛想よく言った
折良く・・と言いたいところじゃが
困った馬鹿もんが いてのぉ
それ誰のこと? と紅いカエルが顔出した

ヒキガエルが 何か答える前に
あーお姉さん! と紅カエルは跳び出した
いらっしゃい! すっごい良いとこに!
僕ら今度の練習してたんだ! 聴いてって!
と丸い小さなギターを抱えて 飛び跳ねた


<つづく>



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