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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その66

2014-07-12 21:24:10 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きです。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その66

  緑のカエルは つんと横を向いた
  小さなアコーディオンを手にした
  水速ヤは 気にするでもなく
  緑の筋がきれいな背を ピンと伸ばした
  さやかさんは 彼らを下ろしてまたかがんだ

<つづき>

次に乗ってきたのは 石護リだった
重くてすまんの とヒキガエルは
片手に余るほどの巨体に 長い笛を何本か
束ねたようなものを 大切そうに抱えてた
さやかさんは 手と身体で覆うようにした

次はと 手を差し出すと
雨呼ビ サン お先にどうぞ
と 木ノ皮がどっしり言った
あーそうだねぇ・・ 
雨呼ビは 何故か少しためらった

君の楽器全部 君と一緒に運ぶのは
無理だと思うんだ だから
と 雨呼ビは言った
いくつかは 僕と一緒はどうだろう?
木ノ皮は むっすり押し黙った

あのー と木ノ皮の様子を見て
さやかさんは 両手を差し出した
これでどうかな? 急げばそんなに
濡れないと思うけど
ああ悪くないですね と雨呼ビは言った

ただ・・ と雨呼ビが続けた
彼らを動かすのは 大変なんですよねぇ
彼ら? とさやかさんは聞いた
ええ 木ノ皮の愛器たちなんですけどね
コレです と雨呼ビは傍の塊三つを指した

えーと? よく見えないけど・・
これ 上に持っていけばいいの?
さやかさんは 指を伸ばして
その石のようなものを つまもうとした
触るな! と木ノ皮が怒鳴った


<つづく>



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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その65

2014-07-12 21:21:45 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その65

  では そういうことで
  と雨呼ビは さやかさんを見上げた
  あっ・・と ちょっと待って
  さやかさんは 気の早い紅カエルを下ろした
  濡れないよう 上に何か着てくるわ

<つづき>

さやかさんは 家の軒下に向かった
植物が変わったのか 自分が変わったのか
緑と黄金の空気が しっとりと庭に満ち
身体中の細胞が 植物たちと一緒に
うるおい芽吹いていくようだった

さやかさんは 軒下でそそくさと
レインウェアを 着こんだ
息苦しいけど 仕方ない
さあ行こうと 傘を開きかけ
閉じたまま 小道に踏み出した

カエルたちは テーブルの下で待っていた
傘を開いて とりあえず上に置く
お待たせ とカエルたちに手を差し出した
紅い虫喰ライが 真っ先に飛び乗る
さやかさんは もう片方の手で雨を遮った

虫喰ライは 浮かれてギターをかき鳴らした
背中にくっきり 二本の線が
折り目正しく浮く 草群ラが次に
太い笛片手に しずしずと手に這い上ってきた
他のひとは待っててね さやかさんは言った

そぉっと二匹を テーブルに降ろす
かがんで また手をテーブルの下に差し出すと
小さな緑のカエルが 転がるように
小さな笛を手に 飛び乗った
レディよお伴仕らん 水速ヤが乗ってきた

緑のカエルは つんと横を向いた
小さなアコーディオンを手にした
水速ヤは 気にするでもなく
緑の筋がきれいな背を ピンと伸ばした
さやかさんは 彼らを下ろしてまたかがんだ


<つづく>


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変更:2018年8月12日
虫喰ライは 浮かれてギターを鳴らした → ~かき鳴らした
折り目正しく浮き上がる 草群ラが → ~浮く 草群ラが次に
太い笛を手に しずしずと上がってきた → 太い笛片手に しずしずと手に這い上ってきた
かがんで また手を差し出すと → ~ また手をテーブルの下に差し出すと
さやかさんは もう一度下にもぐった → さやかさんは 彼らを下ろしてまたかがんだ
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