まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その80

2014-07-17 21:23:11 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きです。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その80

 目の端に 赤い色が見えた
 赤いスカートの女の子が
 傘もささずに 小道に立っていた
 女の子は とことこ近づくと 
 小ビンを覗き込み にこぉと笑った

<つづく>

さやかさんの コートを引っ張り
女の子は さやかさんの頭をなでた
ずぶぬれの その手は温かかった
子供の顔に似合わぬ 深い目で笑うと
女の子は ぱっと消えた

なんだったんだろ
さやかさんは 自分の頭をなでた
さっきまでの不安が 消えていた
あと数日のことだしね
さやかさんは うなずいた

小ビンにふたをして 小道を回る
足がなんだか 軽かった
今日はもういいやと さやかさんは思った
まだ二日もあるんだし
あんまり 草木たちも痛がってない

カエル君たちに聞いて 帰ろう
傘は・・どうしようかな
コンビニの 薄いレインコートと
泥だらけの靴を 見下ろした
まあ それもカエル君たち次第で

それにしてもと さやかさんは思った
これ 妖精に呑ませていいのかな
皆して あたしの母親の声聴くの?
さやかさんは くすくす笑った
青花さんが良いなら 良いんだけど

小道の切れ目が 見えてきた
楽の音が 聴こえてくる
合い間に何やら カエルたちの騒ぐ声
良い式になるといいな
さやかさんは そう思った


<つづく>


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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その79

2014-07-17 21:18:57 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
では、続きです。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その79

  声をかけようとした さやかさんに
  これ これしかないの?
  妖精は ふわりと浮かび上がって聞いた
  いえ 家にはまだこのサイズで一杯
  とさやかさんは 家のビンの大きさを示した

<つづき>

妖精は ちりんちりんと可憐に笑った
一瞬だけ 髪や肌も鮮やかになった
じゃあ全部持ってきて・・お願いね!
そう言うと すぅっと姿を消した
さやかさんは 目をまばたいた

・・まあ 用件は果たしたよね
さやかさんは 手にとった梅酒を眺めた
カエル君たちも 呑まないって言うし
捨てるのは もったいない
さやかさんは 梅酒に口をつけた

髪の毛が逆立つ思いがした
大地の味を 鼻に感じた
それから天から下った 雨の味
風が 音を連れてくる
さやか・・さやか・・と母の声

全身が 雨と花で洗われた気分
足から根が生えて地面へ・・・
いやちょっと待てと 我に返る
さすがにそれはヤバいでしょ!
慌てて足元を見たが いつも通りだった

あたし どうしちゃったんだろう
さやかさんは どきどき思った
急に意識を切り替えて くらくらする
小ビンを ぎゅっと握りしめた
どうしよう・・何かこわい・・・

目の端に 赤い色が見えた
赤いスカートの女の子が
傘もささずに 小道に立っていた
女の子は とことこ近づくと 
小ビンを覗き込み にこぉと笑った


<つづく>



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