まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その104

2014-07-27 21:20:34 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その104

  妖精は その軽い返事に眉をひそめた
  ・・明日は 来なくていいですから
  やっぱり 貴女には危険です
  梅酒は? とさやかさんは聞いた
  それは と妖精は地面の雨呼ビをきっと見た

<つづく>

何か他の物も 用意してますよね?
カエルは ぴっと背を伸ばした
もち もちろんです青花さま
・・ということです と妖精は言った
妖精はふわりと 手から飛び上がった

もう帰りなさい そして・・
妖精は 青灰色の目をまっすぐ向けた
私たちのことは 忘れなさい
妖精は池の奥の茂みに 姿を消した
さやかさんは 雨呼ビに目を向けた

・・えーと そういうことなんだけど
カエルはぺたぺた 近づいた
・・そういうこと ですか
さやかさんは 雨呼ビをまた手にのせて
他のカエルたちの所へ 戻り始めた

でもですね と雨呼ビは小声で言った
多分 青花さまは貴女を必要としてますよ
うーん・・ とさやかさんはうなった
あたしも 心配は心配なんだけど・・
そうでしょう? と雨呼ビは勢いこんだ

貴女のために ああ言っただけで
本当は 貴女に来てほしいんですよ
と雨呼ビは うんうんうなずいた
でも・・ とつぶやくさやかさんに
大体ほら と雨呼ビは首をめぐらせた

草木たちも 今は光が元気でしょう?
さっき青花さまが 倒れられたときは
みな消えたのですよ と雨呼ビは言った
さやかさんは 立ち止まってみた
草木の柔らかな光が 優しく広がっていた


<つづく>



人気ブログランキング ← 光が散らばってるよ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その103

2014-07-27 21:17:46 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
どもども、続きです。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その103

  妖精は空中で ぐらりとよろめいた
  慌ててさやかさんは 手で受け止めた
  妖精は顔をしかめ 頭をかかえた
  かつて・・? 何のことかしら・・
  分からない・・分からないわ・・・

<つづき>

青花さま しっかり
とさやかさんは 呼びかけた
妖精はぐにゃりと ただうつむいていた
青花さま・・ とさやかさんは
手を丸め 弱った妖精を包みこんだ

泥水が頭から鼻を伝って ぽたりと落ちた
手も服も多分顔も 黒く汚れていた
さやかさんは 弱った妖精の
小さな口に 舌を優しく押し当てた
元気になりますように とただ祈った

妖精の口は 淡いハッカ飴と雨の匂いがした
頭の奥でちりと 何かが動いた気がした
もう・・もういいです と妖精が言った
貴女に障りが出るかもしれません
これ以上は・・・ と妖精は身を引いた

さやかさんは 妖精を見た
さっきより 色も光も強くなっていた
あまり 疲れを感じていないのは
慣れたせいか 力を与え損ねたせいか
それとも別のせいか よく分からなかった

今日は帰って よく休んでください
と妖精は 真剣な目つきで見上げた
人間にどれだけ障りが出るか・・
私にもよく分からないのです だから
分かった分かった とさやかさんは言った

妖精は その軽い返事に眉をひそめた
・・明日は 来なくていいですから
やっぱり 貴女には危険です
梅酒は? とさやかさんは聞いた
それは と妖精は地面の雨呼ビをきっと見た


<つづく>



人気ブログランキング ← 雨呼ビくーん、出番だよー。


※修正のご報告:2016年1月10日
さっきより 色も光も強くなってた → ~ 色も光も強くなっていた
あまり疲れを感じてないのは → あまり 疲れを感じてないのは
(※「ない」→「いない」に修正+「あまり」の後に一字開け)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする