まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その78

2014-07-16 21:16:14 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その78

  大丈夫よ と妖精は微笑んだ
  夏至はもうすぐだもの
  皆さんを たくさんもてなさなきゃね・・
  そのことですけど とさやかさんは言って
  あの・・これを と梅酒を差し出した

<つづき>

母が・・家の梅で作ったんですけど・・
さやかさんは 顔が紅くなるのを感じた
貴女がたの口に合えば・・
そのぉ 差し上げたいと・・
まあ梅酒ね と妖精はふわりと飛んできた

匂いをかげるよう さやかさんは
小ビンのふたを 開けた
妖精はビンに 頭を突っ込んで
少し 何か考える顔をした
やっぱダメですか? とさやかさんは聞いた

妖精は はっとさやかさんを見上げた
いえ・・とても良さそうだわ でも・・
無理しなくて良いですよ と
さやかさんは 急いで言った
ちょっと 思いついただけなんで

いえいいの と妖精は口早に言った
とっても美味しそう 皆きっと喜ぶわ
皆 ここで梅酒を頂くのが大好きで
妖精は 少し淋しそうな顔をした
手に入って 良かったわ・・

あの・・味見されてみます? と
さやかさんは 少し手に取った
ウチのは ほんとただの素人の物で
妖精は 口をつけようとして
また 何かをいぶかる顔をした

声をかけようとした さやかさんに
これ これしかないの?
妖精は ふわりと浮かび上がって聞いた
いえ 家にはまだこのサイズで一杯
とさやかさんは 家のビンの大きさを示した


<つづく>



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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その77

2014-07-16 21:09:47 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その77

  思い出せる辺りを 声かけて回る
  小道をそろそろと 歩いていると
  わたしを 呼びましたか・・・
  と声が 聴こえた
  庭の端の暗がりに 蒼い妖精が浮かんでた

<つづき>

よく見ると妖精は 奥の茂みに座っていた
だけど 他の草木と違って光が薄い
光に慣れた目には 黒い塊のようだった
青花さま とさやかさんは歩を踏み出した
あっ・・ と妖精は声を上げた

じゃぼん!
さやかさんはまた 足を池に踏み入れてた
よろけたところを 枝をつかんでこらえる
痛イ とつかんだ木が言った
ごめん! とさやかさんは慌てて言った

気を落ち着けて 池から上がる
パンプスとストッキングが
じゃりじゃり濡れて 気持ち悪かった
明日会社あるのに!と 心の中でわめいた
ごめんなさい・・ と妖精がか細く言った

イーエ オ気遣イナク
と さやかさんは言った
ここ 柵置くべきじゃないですか
立ち入り禁止って
ごめんなさい と妖精はまた言った

さやかさんは ため息をついた
あの・・ と言いかけ
お加減いかがですか と思わず
言葉が 口をついて出た
妖精は色がくすんで 弱々しく見えた

大丈夫よ と妖精は微笑んだ
夏至はもうすぐだもの
皆さんを たくさんもてなさなきゃね・・
そのことですけど とさやかさんは言って
あの・・これを と梅酒を差し出した


<つづく>



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