スーパーニッカ原酒の復刻ネタで中断いたしましたけれども、
今週の特集(?)である、サントリー山崎蒸溜所に戻りましょう。
工場見学を終えて、ヴィジターハウスに戻ってくると、そこは
世界中どこの蒸溜所とも共通の蒸溜所グッズのショップになって
おり、見学者の皆さまはお土産を物色する流れとなるところ、
私はそのままスルーして階下の試飲バーに移動しました。
なかなか来られない山崎蒸溜所にやってきましたので、せっかくの
機会だからと蒸溜所限定のウィスキーをテストしたのが、今週の
前半で、パンチョン、ミズナラときて、今回はシェリーです。
ただ、山崎構成原酒の名があるように、「山崎」という製品を作る
ためのヴァッテッドモルトですので、シングルカスクの個性は丸め
られています。そういうシェリーということは、シェリーボトルの
ウィスキーとそう大きくは違わないということです。
色も特別に濃くなく、香りも特別に強力でもない、いわゆるブレンド
用の用途に限って向いているということでしょう。しかし、じつは
それこそがサントリー社と山崎蒸溜所の特徴ではないかと思いました。
というのは、シェリーに限らず山崎の原酒は、非常にエステル香の
強いアルコール度の高いことに気づきます。ということは、蒸溜
段階で、多くのモルト・ウィスキー蒸溜所よりも高い度数に蒸溜
して樽熟成させることで、樽の成分をより多く取り込もうという
意図が見えるからです。
アルコール度数高く、香味成分をより多く含んだウィスキーは、
ブレンドに合っています。すなわち、山崎蒸溜所で作られるウィ
スキーは、最初からブレンドして製品化することを前提に蒸溜され
ているのではないかという仮説が立ちます。
それならば、山崎という製品も、サントリー社の他の商品も、基本
的には全て同じ文脈のなかで語られるのが相応しい、という特徴が
浮かび上がってきます。
これが分かって、海外のコンテストで響や山崎が賞を受賞したり
することに、合点がいくでしょう。そういうシェリー原酒でした。
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