そのあたりのバーだってカスクが目的なのだから、せっかく
蒸溜所を訪れるなら、カスク物のしかも蒸溜所限定がいいよね。
▲シングルカスク山崎 樽番号5P70008
これこそが、本当の意味での「原酒」です。パンチョン樽仕込み。
サントリーの山崎蒸溜所にやって来たからには、この原酒を
試さずに帰ることなかれ、という程のはずなのですが、私は
お恥ずかしながら、パンチョン樽のウィスキーは味を利ける
ほど経験がございません。
確かにパンチョン樽でウィスキーを仕込んでいる蒸溜所は
珍しく、公に特徴としてアピールしているのは、ここ山崎
くらいだろうと思いますが、唯一かと言われれば決してそう
ではなく、スコットランドでだって普通にパンチョン樽は
使われているし、日本でだってニッカもベンチャー・ウィ
スキーも使っています。
ただ、それを特徴として積極的にアピールしているのが
ここくらいだろう、ということなのですが、私に書けるのは
せいぜい先に書いた山崎構成原酒との違いくらいなもので、
そこを見付けて記せば、エステル香が強くアルコール辛さを
舌の上で明確に感じるということくらいです。
熟成の方は、もちろん経年に従ってしっかりしており、
ニューポットではなく、バレルやホッグズヘッドでもない
木の香りもしますが、白樺やミズナラのような甘みもない
ので、ちょっと没個性に感じてしまいます。
しかし、それこそが山崎のパンチョンの特徴なのでしょう。
いたずらに余計な形容詞を探し回るよりも、そのままの印象を
記す方が、正しく誠実ということだと思います。
そしてその印象は、すべてのサントリー製品に反映されている。
だからこそ、山崎蒸溜所はサントリー・ウィスキーのマザー
工場なのです。
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