マックいのまたのMalt Whisky Distillery

モルト好きで株式公開/上場(IPO)の経営戦略,マーケティング,M&Aを支援する経営コンサルタントのプライベートブログ

KILKERRAN

2015-05-14 10:21:08 | グルメ
かつてウィスキーの蒸留所が建ち並び、業界の中でも一大産地だった
といわれるキャンベルタウン。現在は随分とカズが減って有名どころ
としてはスプリング・バンクくらいになってしまいました。

私の持つ印象ではメロウでソルティーという、いかにも玄人好みの
ウィスキーができる場所という印象で、スコッチウィスキー産地の
聖域的な性格を持つ場所と捉えています。

そんなキャンベルタウンのなかで、面白いのがあるというので、さっ
そくいただいたのが「キルケラン」です。

kilkerran-glengyle.jpg

最近流行の、蒸留所名がついたシングルモルトではなく、蒸留所名の
オフィシャルボトルとは違う名前を付けた、まったく別の個性を
特徴とするウィスキーです。

ちなみに、こちらはグレンギール蒸留所が作ったヘヴィ・ピート
タイプの原酒をシェリー樽でフィニッシュさせたもの。アルコール
度は46度と理想的です。

飲んでみると、最初はもちろんピートがガツンと来ますが、その後は
キャンベルタウンのメロウさとソルティーさがゆっくりと流れて
きて、シェリーはあくまで全体をコーティングするようなバランス。

繊細かと言われればそうでもありませんが、だからと言って大味
ではなく、ひとつひとつの味わいをしっかり伝えながら、姿かたち
の印象を変えていく、まるで上手な役者さんの演技を見ているかの
ような味わい。

こういうウィスキーは、作り手の遊び心が満載で楽しいウィスキー
です。

コンテストで金賞を受賞したとか、ピートやシェリーがどうだとか、
モルトウィスキーの分野は、色々と細かい能書きが多い世界ですが、
所詮楽しむために飲む酒なのですから、美味しかったり楽しかった
りすればいい、という諒解を持っておく見識がここにあります。

珍しい1本なので、なかなか手に入らないようですが、家飲み用の
一本としては最適ではないでしょうか。
 

感謝!