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昨日、『ボヘミアン・ラプソディー』を観に行って来ました。
封切り前から気になっていた作品なのですけど、クイーンをよく知らない私が観て、果たして理解できるものか不安だったので、モダモダしているうちに年を跨いでしまって。
クイーンについては、好きか嫌いかと言われれば好きな方かなぁ?メンバーの名前は一応知っているよってくらいで、別にファンでも何でもなかったのです。
映画を観る前に知っていた曲は、映画のタイトルにもなっているボヘミアン・ラプソディー、キラー・クイーン、ウィー・ウィル・ロック・ユー、ドント・ストップ・ミー・ナウ、フラッシュくらいだったかと。クイーンの曲の中で、おそらく日本で一番人気のウィー・ウィル・ロック・ユーより、キラー・クイーンのようなメロウな曲の方が私の好みです。フレディの語りかけるような歌い方と、ふわりと重なるコーラスが心地好い。
で、まぁどうしようかなって逡巡している間に、身近で、ボヘミアン・ラプソディー良かった!クイーン苦手だったのに好きになった!最近はクイーンばかり聴いてる!三回見に行ったけど、もう一回観に行くつもり!毎回同じシーンで泣く!……等々熱い感想を聞くようになり、その殆どが元々クイーンのファンでは無かった人達なので、何だか背中を押されている気分になって、遅ればせながら映画館に足を運んだのでした。
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で、まんまとハマってCD買ってしまっている訳ですよ。一本の映画で開く扉もあるものですね。
あと、劇中に流れた曲の殆どに聞き覚えがあったのにも驚きました。クイーンはいつの間にか日本の大衆文化に浸透していたようです。
CDと一緒に写っているのは、映画のパンフレットです。表紙はラメでキラキラ。
私は絵に描いたような俄なので、クイーンのメンバーについても楽曲についても批評は出来ません。
ただ、映画を見た感想としては、友情と家族愛に溢れた素晴らしい青春映画だなと。クイーンについて何も知らない状態で見ても何ら問題はありませんでした。
映画は、アフリカ救済のためのライブ・エイドの開幕シーンから始まり、そこから遡って、空港で肉体労働に勤しむ若き日のフレディの姿を映す。
フレディの両親はペルシャ系インド人でゾロアスター教徒。フレディ自身はザンジバル保護国の生まれだった。本名はファルーク・バルサラ。厳格な父親とはそりが合わなかったようだ。
ライブハウスに通い詰めていたフレディは、ボーカル兼ベースが抜けたばかりの大学生バンド・スマイルに売り込みをかけて、メンバーとして加入する。この頃、最初の恋人で後に妻になるメアリーとも出会う。
フレディ、ブライアン、ロジャー、ジョンの四人で最初に立ったステージでは、演奏前にはフレディをパキ野郎(パキスタン野郎という蔑称)と罵るなどのヤジが飛ぶが、演奏が始まると客席の空気は一転する。
フレディの卓越した歌唱力と特異な衣装、ライブパフォーマンスは、観客たちを魅了し、レコード会社との契約が決まる。バンド名はクイーンに改める。フレディはフレディ・マーキュリーに改名する。クイーンは優秀なスタッフにも恵まれ、全米ツアー、世界ツアーへと、栄光の階段を上っていく。クイーンにジャンルはない、メンバーは家族、それが彼らの信条だった。
しかし、私生活では、フレディは、セクシャリティの問題から妻メアリーと別居に至ってしまう。孤独を紛らわせるために乱痴気騒ぎを繰り返し、酒とドラッグに溺れ、メンバーとの間に隙間風が吹くようになった。
それらのトラブルは、バンドの活動にも暗い影を落とした。
フレディは、取り巻きのポールに付け込まれ、メンバーやスタッフたちに対して傲慢な振舞いが増えていった。ポール以外に自分を理解してくれる者はいない。そう思い込んだフレディは、無断でスタッフをクビにし、更には無断でソロ契約を結び、バンドを活動停止に追い込んでしまう。
ポールに囲い込まれるようにして始まったソロ活動は、フレディにとって納得のいく形にはならなかった。フレディが見つけてきたミュージシャンたちは、彼の顔色ばかり窺い、自分の意見を言わないのだ。
友人として交際を続けていたメアリーや代理人のジムから度々電話がかかって来ていたが、すべてポールが出てしまい、フレディ自身に取り次がれることはなかった。心ある人々から遮断され、公私ともに彼を食い物にする人々に取り巻かれる環境で、フレディの心はますます荒み、行動は無軌道になり、遂にはエイズを発症してしまうのだった。
不安を募らせたメアリーがアポ無しで訪ねてきた。
久しぶりにメアリーと対面したフレディは、ポールが自分をいいように操り、ライブ・エイドの出演依頼までお金にならないからと、勝手に流されていたことを知る。ここに至って漸く目が醒めたフレディはポールと絶縁する。そして、ジムに連絡を取り、ブライアン、ロジャー、ジョンとの話し合いの場を設けてもらうことにしたのだった。
三人は、フレディの誠心誠意の謝罪を受け入れた。
四人は、クイーンとしてライブ・エイドに参加するために練習を開始する。医者から正式にエイズの診断を受けたフレディは、まず最初にメンバーにそれを告白する。四人は抱き合って涙を流すのだった。
ライブ・エイド当日、久しぶりに実家に戻ったフレディは、父親と和解の抱擁を交わす。傍らでは、母と妹、そして、恋人のジムが見守っていた。
フレディたちはワゴン車で現地入りする。
そうして、ステージの袖からメアリーとジム、テレビの前で両親と妹が見守る中、クイーンの演奏が始まるのだった…。
ざっと、こんな流れの物語です。
前半の四人がスターダムにのし上がっていく過程は、たまに喧嘩しつつも和気藹々とした雰囲気で、彼等のやり取りに時々笑いが零れました。ところが、中盤から雰囲気が徐々に暗転していきます。ボヘミアン・ラプソディーのシングルカットを巡るレコード会社との対立、フレディの私生活面のトラブル、メンバーとの軋轢、その裏でのポールの暗躍、つるし上げのような記者会見など、緊迫したシーンが続き、その中で心のバランスを失っていくフレディの姿はとても痛々しかったです。漸くブライアンたちと和解した時には、フレディはエイズを発症し、血を吐く状態でした。
だからこそ、ブライアンたちとの和解のシーン、父親との抱擁のシーンは胸に迫りましたね。荒れていた時期に一度だけ話をしたことがあり、再会を熱望していたジムを見つけ出すことも出来ました。この人は、友人として恋人として、フレディが亡くなるまで寄り添っていたそうです。元妻メアリーとの友情も生涯続いたとか。
こうして、フレディが本当の家族と呼べる人々を取り戻していく過程が畳みかけるように続いてから、映画はライブ・エイドのシーンに繋がります。この時、ステージで歌うフレディは自分の死を悟っているのですよね。ブライアン、ロジャー、ジョンも。彼を見守る家族たちも。そう思いながらライブのシーンを見ると、ここに至るまでの色んなシーンが心によぎって、どうしても目頭が熱くなってしまうのでした。私、人前で泣くの嫌いなんですけどね。でも、連れも涙ぐんでいたから、まぁ良いか。
昨日の今日なので、とりとめのない感想になってしまいましたが、最後に『ボヘミアン・ラプソディ』は良い映画なので、ぜひ観に行って欲しいと言っておきます。きっと作中で使用されたすべての楽曲とフレディ、ブライアン、ロジャー、ジョンが大好きになると思います。実際のクイーンとは異なる部分は所々あるようですが、一つの作品として楽しめれば良いのでは。
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私たちは朝一番の回に観に行ったのですが、劇場にはお客さんが結構いました。封切から二か月経つのに、まだまだ人気は衰えていないようです。
劇場を出たらちょうどお昼ご飯時だったので、カフェに入りました。
フレンチトースト二種。
上がアボカドとソーセージのセット。下がスモークサーモンとチーズのセット。
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