まき子の酒

日本酒が好き。純米酒が好き。そんな飲兵衛が「母親」になってしまいました。今はムスコを飲兵衛へと英才教育中?!

時間の流れ @ 土家(東村山)

2011-09-01 20:52:07 | 蕎麦屋巡り

なんで自分が大好きなお蕎麦屋さんに限って、東も西も、ウチからこんなに遠いんだか(涙)。

東は、大宮駅からさらにニューシャトルを乗って20分

西は、東村山

場所的に両極端だけじゃなく、蕎麦のタイプやお店のスタイルもどちらも全然ちがう。

唯一、共通しているのは 蕎麦前がとっても楽しめる こと。

でも、そんな前提があっても、自分にとってはどちらも行きたくなるポイントが全然ちがうから、
行きたくなる “時” も、ちがうのだ。


どっちが好き?と聞かれても、比べる機軸が「ねじれの関係」にあるから、比べられない。


そんなお蕎麦屋さんは東の方が、ちょくちょく行ってるのだけど、
この日は、ずいぶん久しぶりに西へ。

向かったのは 土家 さん。

小さな路地を歩いていると、ふっ・・・と現れるこの建物、本当に温かみのある佇まい。
古民家を、土家さんがほとんど修繕&改築した一軒家だからこそ、味があるのかなぁ。

そいえば、気付けば、いつも夏に行ってるような・・・。
なので、土家さんの印象といえば、一軒家の庭や壁に青々と茂った緑豊かなイメージ。

この日も緑いっぱい。

ん・・・? 土筆みたいな穂・・・?!だけどすごい背は高いし、これ何ていう植物なんだろう?
というか、前回来た時は塀の中にあったけど、増殖してる~(笑)。


この日は、実は初めてのカウンター!

いつも奥のテーブル席へ通されていて、そこから眺めていたカウンターもいつか座ってみたかったのだ♪
オープンなのに、とってもシンプル。

そして、キッチンから光が漏れてくるのがまた、本当にきもちいい。


初めて座るカウンターだから、なんだか楽しくて、ここから見える風景をあちこち眺めてしまう。
自分が座ったのはカウンターの左端、その壁に飾ってある、蕎麦猪口と徳利の数々。

目の前にも、蕎麦湯なんかを入れてくれる大きな器が。

お会計場所・・・といったら良いのか、お店の入口にあるカウンターにも、いっぱい蕎麦猪口。



カウンターから後を振り返ると、床の間に、生け花がさりげなく。



カウンター真後ろに見える奥のあの部屋が、いつも通されていたところ。

あの奥も素敵なんだけど、この日は、カウンターを満喫するぞ♪


お店は、造り的にもゆった~りとまるで実家に帰ったかのような時間の流れる空間。

しかも、
と・・・・っても物腰の柔らかくて、でも芯もしっかりあるような優しい語り口調の店主に、
と・・・・ってもカワイイけど控えめな(小林麻央に似ていると思う)奥さんと
2人だけできりもりしているので、そのまったりとした空間の良さといったら・・・。



ハートランドのビールをチェイサーにしつつ、最初は 篠峯 純吟にごり 。

見た目も涼しげな、片口代わりのグラスに入れてくれる。
篠峯独特の味わいというか、完熟の桃みたいなとろとろのフルーツみたいな感じ。


お通しの 昆布 が、またさりげなく美味しい。



土家さんでは、事前予約が必要な 季節の蕎麦懐石 もオススメなのだけど、
「私たち、食べるのが遅いし、量もそんなに食べないから・・・」 ということで、この日もアラカルト。

でも、絶対に食べたいのは 蕎麦豆腐

この日の蕎麦豆腐も、美しい・・・
トマトやオクラ、胡瓜などの夏野菜と、さらにブルーベリーとラズベリーなんて面白いものも入っていて、
またジュレが良い~。

今年の夏は、“ポン酢ジュレ”の市販調味料が世間では人気が出ているみたいだけど、
土家さんのこのジュレがけ蕎麦豆腐は、もうずっと前からあるのだ。


旬の野菜の炊き合わせ も、絶対に頼みたい逸品。

赤、緑、黄・・・って見た目の彩りも、きっとちゃんと考えられてるんだろうなぁ。
見てるだけでもツマミになっちゃう。


もう一つ、冷たいのを飲もう・・・という事で、 黒牛 純米酒 を。

この前も、日本酒の美味しいお店で飲んだけど、
やっぱ最近の黒牛は、ちょっと前までの味わいと変わって、おいしくなってきたなぁ。


国権 純米酒 は温かいのでいただきます。



日本酒のメニューはいつも3種類しか書いていないのだけど、
裏に毎回1種類ほどお酒が隠れている・・・とはいっても、普通に土家さんは教えてくれるのだけど。

山廃だから、コレもお燗にぴったり。

この徳利もまた素敵だなぁ。

置いてあるお酒は、毎回違う。
「常に取っている」という定番があるのではなく、その日その時あるお酒を仕入れるんだそう。

でも、たいていの場合、
冷たいお酒が好きな人、お燗が好きな人の、どちらでも楽しめる銘柄があるから、
誰と一緒に行っても安心♪


友達との会話や、カウンター越しで土家さんとお話に盛り上がりつつ、
ふ・・・と時計を見ると・・・び、びっくり!!

 「え”・・・?!?! も、もう14時になろうとしている!!」

ひょえ~~、この2品で、もう2時間以上も飲んでいたなんて(>_<)!!


お新香も食べたかったのだけど、〆の蕎麦を頼まなきゃ~。

辛み大根おろし蕎麦 も食べてみたいけど、やっぱりいつも頼む 田舎蕎麦 をチョイス。

黒い粒々がしっかり。
少し平たくて細いのだけど、コシがあって、手繰っていても切れることはなく。
素朴で・・・優しさがある味わいで・・・ホントにおいしいなぁ。


蕎麦湯を入れてくれる器は、土家さん自信が作ったもの。

「不恰好でスミマセン・・・。」 なんてはにかむ土家さんだけど、
いえいえ、これもまたとっても味があって素敵です。


それにしても、土家さんで飲んでると、なんでこんなに早く時間が過ぎてしまうんだろう。
30分経ったと思いきや1時間、1時間と思いきや2時間・・・

それは、実際に流れている時間よりも、ゆったりとした時の流れが、この空間にあるからなんだろうな。
お店の人、家、蕎麦前、そして蕎麦・・・

この日も、とっても癒されました。


[土家]
東村山市野口町4-18-1
042-392-9457
11:3014:00 / 17:3020:30
水曜定休 
禁煙
蕎麦懐石は要予約


[以前の日記]
・2010/7/4 土家さん手作りの器
・2009/9/2 蕎麦懐石

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20 コメント

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Unknown (RW)
2011-09-01 22:28:17
美味しそうな本格的な田舎蕎麦、土筆みたいな穂のある独特なる風情これは、素焼きの器、心のこもった料理、写真を見ただけで一級品のこだわりを感じますね。これだけのお店ならば遠出をする価値が十分だと思います。
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いいなぁ 笑 (Ben)
2011-09-01 23:37:31
土屋さんは一言で言って、センスが凄くいい気がします!

選ぶセンス、使うセンス、決して格好だけでなく息づいてるセンス。

蕎麦も器も、盛り付けも心地よさとワクワク感をもたせてくれる!
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■RWさん (まき子)
2011-09-02 01:06:45
ここに来ると、「非日常」な雰囲気を感じるものの、
同時に、なんとなく「なつかしい」感じもあって。。。

やっぱりそれは、家の佇まいとか、店主と奥さんの人柄だったりとか、
いろ~~~んな要素がかもし出してる雰囲気なんでしょうね。

ホントに、いくら遠くても、ここは行きたくなってしまいます。

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■Benさん (まき子)
2011-09-02 01:12:52
そうですね!
土家さんならではの研ぎ澄まされた感覚・・・センスが、
ものすごい真っ直ぐに現れているというか。
とってもワクワクするのに、とっても落ち着くというか。

なんか言葉で表現するのが難しい~(苦笑)。

行ってみないと分からない「良さ」というのが、
土家さんの「良さ」でもあるんでしょうかね♪
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酒の仕入れは? (狼亭)
2011-09-02 02:08:33
国権純米♪

もしかしたら、酒の仕入れは新潟からかな?
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西に東に (じゅうご)
2011-09-02 06:39:05
西や東の蕎麦屋に比べたら

ずい分格下だなー
わが蕎麦は

頑張らなくちゃ・・・
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ようこそ東村山へ (庄助)
2011-09-02 07:35:36
おはようございます。

土家さん、相性が悪いのか臨時休業、貸切、本日は早仕舞いと3連敗中です。(笑

>唯一、共通

どちらも埼玉県、、。(笑

>ん・・・? 土筆みたいな穂・・・?!だけどすごい背は高いし、これ何ていう植物なんだろう?

多分トクサだと思います。
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■狼亭さん (まき子)
2011-09-02 10:00:06
仕入れのお店は詳しくは知らないんですが、
新潟からもあるのかなぁ~。
今度、ちょっと聞いてみます♪
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■じゅうごさん (まき子)
2011-09-02 10:17:35
なかなか伺えず、申し訳ないです・・・
「西に東に南にも・・・っ!!」
って早く言えるようになりたいです(笑)。
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■庄助さん (まき子)
2011-09-02 10:37:20
さすがです!トクサって言うんですね~。

いやいや、東村山が埼玉県って。
埼玉県民が怒っちゃいますよ。
ん?いや、東村山市民も怒っちゃう・・・?
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