風吹くままに

温泉県に暮らすマリの日常

いちじくが届かなかった訳

2017-09-09 21:43:51 | 日々のこと
娘婿の叔父さんAさんから「イチゴの出荷が終わったので残っているのを摘みに来てジャムにでもせんかえ?」と
声がかかったのは6月だった。

娘婿の所は、親戚縁者仲がいい。
その中に時々呼んでもらえる私たち。
Aさんは(年も近い)、酒もたばこも豪快で、場を盛り上げる方。
歯に衣を着せぬ方で「奥さん、それ、あんた間違うちょんわ」とか、
「わしゃこげえ思うんじゃ」とかストレートに言うので、付き合いやすかった。
主にイチゴを手がけているけれど、他のものも模索しているようで、そんな話を聞くのが面白かった。

そのイチゴ狩りの時に、「いちじくも見らんかえ?」と、私を段々畑の下へ連れて行ってくれた。
あぜ道を下りながら
なぜかふ~~~っと
口は悪いけど優しい人ってこういうAさんのような人のことだなと、思った。
いちじくはハウスの中にあった。
畑や山の隅っこに放っておかれているいちじくしか見たことがなかったものだから、
ビニールハウスのいちじく3本が、とても手入れの行き届いた高級木に見えた。
去年届いた立派ないちじくは、このハウスで育ったのか・・・
「これはな、売り物やないんや、女房がいちじく好きなもんやから」
で、私にも見せてくれたということは、今年も届くかな・・・
もし届いたらいちじくタルトを作ってお返ししよう。
と、密かに考えていたが、残念ながら届かなかった。

お盆過ぎて娘が「内緒やけどA叔父さんが悪いみたい」
そう言われても何が悪いのかピンとこなかった。
娘もはっきりわからないけれど、ガンだという。

今日お葬式だった。
6月のあの時がお別れだったとは。

医者嫌いで、我慢できなくなって行ったときは、すでに末期も末期だったようだ。

おばあちゃんが、可哀そうでならなかった。

私自身、まだこれからいろいろ話ができると楽しみにしていたのに残念でたまらない。




コメント (4)
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