増庵 Blog

-建築設計事務所の日常と周辺-
MAS/AN 増岡設計室

昨年、残念だったこと‥ -工学院大学八王子図書館解体-

2016-01-15 | 住まい・建築・仕事

ブログに記録しておこうと思いながら、
昨年中に書けなかった記事が溜まっております。
台湾の旅行記も途中だし‥

さて、その内の一つ。

昨年の夏、
ホテルオークラ本館が、
建て替えのため解体されてしまうということで、
ニュースや新聞で大きく報道されました。
国内外で、色々と声が上がり、保存についても、
意見が取り交わされました。



時を同じくして、ほとんどニュースにならないまま、
解体されてしまった建築があります。
「工学院大学八王子図書館」
設計は、武藤 章。大学時代の恩師です。
フィンランドの巨匠”アルヴァ・アールト”に直接学んだ、
ただ一人の日本人建築家でした。

築36年。
まだまだ取り壊されるには早い建物でしたが‥



僕が在籍当時の八王子キャンパスは、
必要な諸室が辛うじて揃っている程度で、
製図室や美術室は、まだプレハブの建物でした。
建築意匠を学ぶ環境としては、まったく劣悪というか‥(-_-)

そんな中にあって、入学の前年に完成したばかりの、
この図書館だけが、
居心地好く、また刺激を受ける場所でした。
ぐるりと本に囲まれた閲覧室、
トップライトから落ちる光、
毎日のようにここに来て、建築雑誌を読んだり、
課題のエスキースをしたり‥

そんな訳で、3年になってゼミを選択するとき、
武藤研究室を選んだのは、自然なことでした。

その図書館が取り壊される計画があると聞いたのは、
一昨年の夏(2014年8月)の事でした。
仲間と見学に行ったり、
情報を集めたりしましたが、
保存の動きはよく分からないまま。



結局、1年後の昨年9月から解体が始まりました。
話を聞いたときには、もう規定路線だったのでしょう。

解体はとても残念ではありますが、
「建築を保存する本01 工学院大学八王子図書館 / 武藤章」
という形で本にまとまりました。

武藤先生は、図書館完成から6年後、
54歳の若さで急逝されてしまいました。
僕は、今年その歳を迎えます‥

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我喜歡的景観 -足利学校-

2015-12-22 | 住まい・建築・仕事

先月のことですが、
「佐野の家」の現場から脚を延ばして、
足利学校を訪ねました。



堀と土手の向こうに見える大きな茅葺きの屋根。



城の堀割や石垣のように大仰でない感じが
とても好ましい景観になっています。
このような環境が街中にあるのは、とても羨ましいです。



好い土手だなぁ‥



敷地内にも築山があって、緑の斜面が景観を楽しくしています。



建物の中では、今でも論語の講座が開かれるなど、
市民の施設としても、上手に使われているようです。

足利の街は、他にも多くの寺社や古い建物が残っていて、
見どころはたくさんありそうです。
現場通いは終わってしまいましたが、
機会があればゆっくりと歩いてみたいところです。

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我喜歡的建築 -イタリア大使館別荘-

2015-12-11 | 住まい・建築・仕事



日光東照宮を参拝した後、
中禅寺湖畔まで脚を延ばし、
「イタリア大使館別荘記念公園」へ行ってきました。

1928年、アントニン・レーモンドの設計で建てられたこの別荘は、
1997年まで歴代イタリア大使が使用した後、
栃木県が買い取り、修理と復元を行って一般公開されています。
レーモンド→吉村順三→宮脇檀・中村好文と続く系譜の中にいると考えると、
私の大師匠にあたる建築家の一人です。

紅葉の名所としても知られているようですが、
もうすっかり枯木立になっていました。

まずは、往時の歴史を紹介する国際避暑地歴史館になっている副邸へ。

 


杉皮を竹の押し縁で押さえるという特徴的な外壁。
日本の古民家から拝借したと思われる工法を、
上手くモダンに昇華して使っています。
そして石積みの暖炉、木製建具。
手仕事の持つ親密な空間が出来上がっています。

そして本館。
だいぶ色褪せましたが、杉皮が一松模様に張ってあるのが判ります。





枯れた風景にも、よく馴染んで、
好い佇まい。



気持ちの好い広縁から、湖がすぐ近くに見えます。



内装も杉皮で統一されています。
なんと天井まで。
間の作り様は日本的です。



スケールと陰影の具合が実に好いです。
何となく、懐かしさも感じます。

  

寝室・階段室

  

レーモンドの建築というと、
屋根架構を積極的に表現した空間が多いのですが、
ここでは、徹底して杉皮というマチエールで覆われています。

比較するものではありませんが、
東照宮を見た後に来ると、
なんと清々しい建築なのかと‥

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夏期休暇のお知らせ

2015-08-15 | 住まい・建築・仕事



8月16日~24日まで、夏期休暇をいただきます。
休業中はご迷惑をお掛けしますが、
何卒よろしくお願い申し上げます。

※ご用の方はメールを下されば対応致します。

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新しい金子駅‥

2015-02-27 | 住まい・建築・仕事



3年に一度の建築士定期講習。
今回は、川越の会場で講習を受けることにしたので、
川越線直通の八高線に乗っていくことにしました。



改築工事中だった金子駅。
ピカピカの新駅舎が使われ始めていました。
まぁ、何と言いますか‥、
スッキリ、キレイに、でもつまらなくなりましたね。

とっても久しぶりに、八高線で北に向かいましたが、
金子-高麗川間は、小旅行気分が味わえました。

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渡辺篤史の建もの探訪BOOK 25周年スペシャル版

2014-11-04 | 住まい・建築・仕事



渡辺篤史の建もの探訪BOOK 25周年スペシャル版 」に、
「桜並木と川面を愛でる家(桜並木の家)」を掲載していただきました。
これでまた、新たな人に私たちの仕事を知ってもらえると嬉しいです。

掲載を快諾して下さったOさんファミリーにも、改めて感謝!

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戦後日本住宅伝説 -挑発する家・内省する家-埼玉県立近代美術館

2014-07-12 | 住まい・建築・仕事


● 会期 2014年7月5日(土)~8月31日(日)
休館日 月曜日(7月21日は開館)    
● 開館時間 10:00 ~ 17:30(入場は閉館の30分前まで)

僕が学生だった頃、雑誌や作品集で見て影響を受けた住宅がずらり。
恩師、宮脇さんの代表作「松川ボックス」も取り上げられています。

住宅というのは、一旦引き渡してしまうと、
中に入って見学すると言うことが難しくなるのですが、
「松川ボックス」は、僕が宮脇檀建築研究室在籍中にも、
取材が入ったり、三期工事の計画があったりと、
何度も訪ねる機会がありました。
空間体験は何よりの建築修行ですから、
とても貴重なことでした。
僕に影響を与えた住宅の一つです。

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ストーブを見に行く。

2014-06-20 | 住まい・建築・仕事



先月、ハンターストーブ社とイギリスの薪ストーブ事情を
視察してきたアリュメールの吉田さん。
イギリスでは普及しているという、
ボイラー機能付きのハンターストーブを、
日本でも上手く活用していきたいと言うことで、
ショールームで実機を見ながら話しをしてきました。

このストーブと太陽熱、そして熱交換器を絡めると、
とてもエコな住宅が実現できそう。
どなたか、採用してくれませんか。(^_^)

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敷地を見に行く。-佐野-

2014-04-28 | 住まい・建築・仕事



新しい仕事の敷地を見に、佐野市まで出掛けました。
予めクライアント氏から敷地写真や情報をいただいていましたが、
現地と役所での確認作業。
何も無い敷地に立って、イメージを膨らませます。

その後、現在お住まいの足利に移動して、
仕事場や現在の住まいぶりを見せていただきました。
足利に足を踏み入れるのは初めて。(^_^)



その後、市内の老舗レストラン”ポルカ”に連れて行ってもらいました。
とても盛況で店内は満席。
別棟に案内されましたが、どちらも庭に面した素敵な空間です。
美味しいランチをいただいた後の帰り道は、
「足利学校」や「鑁阿寺(ばんなじ)」のある街の中心を、
ぐるりと廻っていただいたのですが、
とても好い雰囲気の街ですねぇ‥
改めて、ゆっくり訪れる事にします。



帰り道、足利でカーナビを入れると、
北関東自動車道から関越自動車道経由でのルートを案内されました。
なるほど‥
足利からだと、こういうルートもあるのね!
東北道しか頭に無かったので新鮮。
新緑の山がとてもきれいでした。

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天然生活 2013年12月号

2013-10-19 | 住まい・建築・仕事



先日、うちの台所を取材していただいた、
天然生活12月号 -特集 理由がある台所-」が、
明日、発売になります。
書店で見かけましたら、お手にとってみて下さい。

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夏期休業のお知らせ

2013-08-22 | 住まい・建築・仕事

8月23日~28日まで、夏期休業とさせていただきます。

皆さまには、ご不便をお掛け致しますが、
何卒ご了承の程、よろしくお願い申し上げます。

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竣工写真

2013-06-25 | 住まい・建築・仕事

うちに設計依頼に来られるほとんどの方は、
ウェブサイトやブログを見て、私たちに興味を持っていただいた方々。
更新は、とても重要な仕事だと解ってはいるのですが、
日常業務をこなしていると、これがなかなか‥。

特にウェブサイトの方は、作業が繁雑で面倒‥。
今はもっと良いツールもあるのでしょうが、
自分でやるには限界のような気がしてきました。f^_^;

とにかくブログだけでも!と言うことで、
まだ未整理だった住宅の竣工写真をまとめました。

・静岡の家・
・横浜の家・

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「小屋においでよ!」に行ってきました。

2013-04-26 | 住まい・建築・仕事



”ギャラリー間”で開催中の中村好文展「小屋においでよ!」
のオープニングパーティーに呼んでいただいたので、
家族3人でお邪魔してきました。

中村さんらしい、楽しく工夫された展示の数々。
メインの展示である「Hanem Hut」は、
エネルギー自給自足型の小屋を究極のサイズにまで切り詰め、
住まいと暮らしの原型に思いを馳せてもらおうという趣向。
「一人暮らしの用の小屋」ということで、
何から何まで、どんな小さなモノまでも”中村好み”。
まさに"Kobun World"!
4m×3m、「豊かさは広さではない」ということが、よく解ります。



豊かな自然の中はもちろん、
こんな風に都市のまん中のペントハウスとして
あちこちに建っていても楽しいだろうなぁ‥。

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中村好文展「小屋においでよ!」

2013-04-16 | 住まい・建築・仕事



私たちの恩師・中村好文さんの展覧会、
『小屋においでよ!』が始まります。
ギャラリーの中庭には、実際に空間体験できる”小屋”も展示されます。
楽しそう。
みなさまもぜひ!

■会場 :
TOTOギャラリー間

■期間:
2013年4月17日(水)
~6月22日(土)

■開催時間
11:00-18:00
金曜日は19:00まで

■休館日
日曜・月曜・祝日

■入場無料

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お宅拝見。

2012-11-04 | 住まい・建築・仕事

設計依頼のお話しをいただいている狭山市のNさん。
2度目のお打ち合わせは、現地調差を兼ねて、
お宅にお邪魔しました。
敷地条件や周辺環境を見たり、
今の住まい方を見せていただいたり‥。



これは、新しい家に持っていきたいと、
見せていただいた箪笥。
スゴイ存在感です。

年明けから、本格的にスタートします。

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