ブログに記録しておこうと思いながら、
昨年中に書けなかった記事が溜まっております。
台湾の旅行記も途中だし‥
さて、その内の一つ。
昨年の夏、
ホテルオークラ本館が、
建て替えのため解体されてしまうということで、
ニュースや新聞で大きく報道されました。
国内外で、色々と声が上がり、保存についても、
意見が取り交わされました。
時を同じくして、ほとんどニュースにならないまま、
解体されてしまった建築があります。
「工学院大学八王子図書館」
設計は、武藤 章。大学時代の恩師です。
フィンランドの巨匠”アルヴァ・アールト”に直接学んだ、
ただ一人の日本人建築家でした。
築36年。
まだまだ取り壊されるには早い建物でしたが‥
僕が在籍当時の八王子キャンパスは、
必要な諸室が辛うじて揃っている程度で、
製図室や美術室は、まだプレハブの建物でした。
建築意匠を学ぶ環境としては、まったく劣悪というか‥(-_-)
そんな中にあって、入学の前年に完成したばかりの、
この図書館だけが、
居心地好く、また刺激を受ける場所でした。
ぐるりと本に囲まれた閲覧室、
トップライトから落ちる光、
毎日のようにここに来て、建築雑誌を読んだり、
課題のエスキースをしたり‥
そんな訳で、3年になってゼミを選択するとき、
武藤研究室を選んだのは、自然なことでした。
その図書館が取り壊される計画があると聞いたのは、
一昨年の夏(2014年8月)の事でした。
仲間と見学に行ったり、
情報を集めたりしましたが、
保存の動きはよく分からないまま。
結局、1年後の昨年9月から解体が始まりました。
話を聞いたときには、もう規定路線だったのでしょう。
解体はとても残念ではありますが、
「建築を保存する本01 工学院大学八王子図書館 / 武藤章」
という形で本にまとまりました。
武藤先生は、図書館完成から6年後、
54歳の若さで急逝されてしまいました。
僕は、今年その歳を迎えます‥